“僕はお前にあげよう

三つ数えることを

お前の気持ちを見せるんだ

または成り行きに任せろ

僕はお前に言うだろう

ただ口に気をつけろよって

お前のやり方は知ってるさ

お前についてもね”

 

歌詞の主人公は相手に対して少し猶予を与えます。

態度によっては許そうという考えなのかもしれません。

長い付き合いなのか、主人公はある程度相手について理解しているようです。

ここでは一方的に考えを押し付けるわけではなく、相手の言い分も聞こうというフェアな精神を感じませんか。

さらに、マイケルは説得の言葉を重ねていきます。

限界なんて無いんだ

Well they say the sky's the limit
And to me that's really true
But my friend you have seen nothin'
Just wait 'til I get through…

出典: BAD/作詞:Michael Jackson 作曲:Michael Jackson

“ヤツらは限界があるって言うけれど

そしてそれは本当だって僕に言う

でもお前はまだ何も観たことが無いだろ

ただ待って僕が成し遂げるのを見ろよ”

 

「どうせ無理だ」といった否定的な言葉に対し反論する主人公。

まだ何も頑張っていない「限界を見ていない」相手に自分の挑戦がどんな結果を迎えるのかわかりっこないという主張です。

そんなネガティブな相手に対して「自分がやってみせるから指をくわえて見てればいい」とやや挑発的に言っています。

マイケルほどのスターでもここまで成し遂げるには、並大抵の信念がなければ無理だったでしょう。

この歌詞は丸ごと自分を嫌っている人々に向けて歌っているとも受け取れます。

「今は人気だけどどうせ一時的なものさ」などという心無い言葉は、数え切れないほど聞いているのではないでしょうか。

どんなヤツが本当のワルなのか

Badにはイケているという意味もある

Because I'm bad
I'm bad-come on
You know I'm bad
I'm bad-you know it
You know I'm bad
I'm bad-come on you know
And the whole world has to answer right now
Just to tell you once again, Who's bad…

出典: BAD/作詞:Michael Jackson 作曲:Michael Jackson

“だって僕はワルだから

僕はワルだ さあ

そうだろ僕はワルだ

僕はワルだ 分かるだろ

そうだろ僕はワルだ

僕はワルださあ分かるだろ

そしてたった今、全世界が答えなきゃいけない

ただ一回だけお前に言う、誰がワルかって”

 

「Bad」は「悪い」という意味だけでなく「イケている」という意味合いがあります。

「badass」というと「超かっこいい」といったスラングに。

褒め言葉ですが、くだけた言い方なので目上の人に言わない方がいいですね。

この部分の歌詞では主人公が自分こそ「Bad」だと主張しています。

前述の内容から考えると、途方もない夢を実現させようとする姿勢こそがイケている…かっこいいことだと言いたいのでしょう。

「Bad」をリリースした頃のマイケルは大きなスキャンダルなどもなく、品行方正なイメージがありました。

そんな彼に対して「悪ぶってみせろ」と挑発してくる相手もいたことでしょう。

彼らに対してこの曲で反論しているとも受け取れます。

自分の作った曲の中でそれを表現し、あまつさえ大ヒットさせ成功を納める…

なるほど、マイケルこそ“ワル”だな…と著者は納得しました。

ビシッとNOを突き付ける

The word is out
You're doin wrong
Gonna lock you up
Before too long
Your lyin' eyes
Gonna tell you right
So listen up
Don't make a fight
Your talk is cheap
You're not a man
You're throwin' stones
To hide your hands

出典: BAD/作詞:Michael Jackson 作曲:Michael Jackson

“その言葉は発せられた

お前は間違ってることをしたのさ

お前を捕まえてやろう

ずっと前から

お前の目は嘘をついていた

正しいことを言ってやろう

だから聞くんだ

お前の言葉は安っぽくて

お前は本当の漢じゃない

お前は投げるための石を手の内に隠しているのさ”

 

この歌詞ではかなりはっきりと相手の行動を否定しています。

「こうなりたい」という目標があるのに、何も行動を起こしていないことを批判しているというわけですね。

本心からの言葉ではないので「安っぽく」聞こえるのでしょう。

『Beat it』という曲でも主張していますが、マイケルは暴力を使わず立ち向かうことこそ「漢」(あえてこう書きます)であると言いたいのだと思います。

最後に

弱いものを虐げるのはBadじゃない(イケてない)というメッセージ

マイケル・ジャクソン【Bad】歌詞を和訳して独自考察!マイケルは本物の“ワル”?それともイケてる?の画像

この曲からはマイケルの悪ぶるのがイケているわけではないという強いメッセージを感じます。

本当のイケている行動とは弱い者いじめたりせずに、目標に向かってコツコツと努力することかもしれませんね。

ちなみにこの曲は、当初あのプリンスとコラボレーションが予定されていたそうです。

しかし結局はプリンスから「この曲は自分が参加しなくてもヒットするだろう」と辞退されてしまったそうです。

曲自体の良さはプリンスお墨付きとも言えそうです。

彼の言った通りこの曲はマイケルの代表曲の一つとなりました。

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