「復興応援ソング」と銘打たれているだけあって、『風は吹いている』の歌詞は、終始力強く、立ち上がる人と寄り添い、励ますような内容になっています。
ただし「ただ寄り添う」のではなく「共に闘っていくのだ」という内容の歌詞なので、男女関係なく、多くの人に受け入れられたのでしょうね。
冒頭から力強い歌詞が続く
この変わり果てた 大地の空白に
言葉を失って 立ち尽くしていた
何から先に 手をつければいい?
絶望の中に 光を探す
出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-111026-055
震災発生当時は、本当にたくさんの人が、自分の現状・気持ちをどのように表現すれば良いのか、言葉を失っていました。
一筋の光だけを信じて、暗中模索する日々を歌うかのような、冒頭の歌詞です。
どこかに 神がいるなら
もう一度 新しい世界を
この地に 拓かせてくれ
出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-111026-055
失ったものが多すぎて、漠然と神様なんていないのではないか!と、多くの人が叫び出したい状況だったように思います。
しかし、希望を失わないことだけが、唯一、前に進むために残された道筋だと、この歌詞は示しているようですね。
それでも未来へ 風は吹いている
頬に感じる 生命(いのち)の息吹
それでも私は 強く生きて行く
さあたったひとつ
レンガを積むことから始めようか?
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「風の谷のナウシカ」の最後の場面で、王蟲達がなだれ込んだ後、風の谷に「風が戻ってきた」シーンがありました。
たとえどんな状況であっても、変わらず巡ってくる自然の営みに、私たちは正気を取り戻せることがあります。
気が付けば、未来に向かって吹く風を感じる。
そこでハッと、できることを一つずつ積み重ねることを、思い出せるのかもしれません。
最後に光が見いだせるように…
もし風が 止んでしまっても
風が消えた 世界はないんだ
どんな時も 呼吸をしてるように
今日という日が つらい一日でも…
できることを 始めようか?
出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-111026-055
中盤に、傷を負う人々を、それでも立ち上がろうと励ます歌詞が続き、最後。
今に絶望してしまっても、希望はきっとどこかにあると、光を探すことを止めてはいけないと、諭してくれます。
どんな悪い状況になっても、それを好転させてくれるのは、できることを一つ一つ、始めていくことだけ。
最後の歌詞に「できることを 始めようか?」と歌う彼女たちの強い意志が、きっとたくさんの人の心を前向きにしてくれたはずです。
PVの見どころは「眼差しの光」?!
『風は吹いている』のMVは、通常のバージョンと「DANCE! DANCE! DANCE! ver.」と言われるバージョンがあります。
MVの監督は黒田秀樹さんで、『風は吹いている』のコンセプトと、黒田監督の感覚・センスが非常にマッチするということで起用されたそうです。
真剣な眼差しのメンバーから感じる「本気」
今回ご紹介しているのは、AKB48の公式チャンネルにアップされている『風は吹いている』のMVで、「DANCE! DANCE! DANCE! ver.」です。
アースカラーの衣装に身を包んだメンバーの真剣な眼差しが、曲に込める想いの強さを感じさせます。