“再教育”を受ける女性は苦しんで暴れるようになりますが、“新言語秩序”はやめようとはしません。

メガネの女性はひたすら“テンプレート歌詞”を読み上げているだけです。

肉体的にも精神的にも苦しいようで、女性の体には様々な異変が起こっていました。

それを和らげるためにか、注射で何らかの薬品を腕から流し込まれたりもします。 

要所で挟まれる、女性が“赤いバリケードテープ”に体をぐるぐる巻きにされて暴れているカット。

これは“新言語秩序”のバリケードテープなんだとか。

洗脳され、“テンプレート言語”以外が話せなくなるという頭の中の状態を表したんじゃないでしょうか。

(このテープは重要なアイテムとして、『リビングデッド』の特典にもなっています。)

ついに洗脳完了したのか、バリケードテープに包まれて身動きできなくなった女性。

メガネの女性は満足そうに微笑んで、本を閉じる…というところでMVは終わってしまいました。

男性が登場

途中から別の男性が“再教育”を受けるカットも登場します。

どうやらこれはamazarashiの秋田ひろむさんのようです。

女性とは反対に、秋田さんはバリケードテープの拘束を外してたたずんでいるラストでした。

彼は洗脳されずに耐えきったのでしょう。

小説『新言語秩序』との関連性

“新言語秩序”と“言葉ゾンビ”の争いを描いている

『リビングデッド』MVをより理解するためには小説「新言語秩序」を読むと良いでしょう。

武道館公演『朗読演奏実験空間“新言語秩序”』と連動した公式アプリで公開中です。

アプリは無料でダウンロードできますし、専門用語の解説も見れる親切な仕様となっています。

最初は小説本文がMVと同じく”検閲済み”のため”検閲解除済み”にする必要があります。

気になるストーリーはというと… 

主人公は“新言語秩序”に所属する一人の女性。

(この人物はもしかするとMVのメガネの女性なんでしょうか?)

彼女の過去や、何故“新言語秩序”に所属するようになったのか…

そして、“言葉ゾンビ”への弾圧も描かれています。

“言葉ゾンビ”の一人、ミュージシャンの希明という人物も登場。

MVと同じく“再教育”を受けてしまいます。

子供に見せてはいけないようなとてもショッキングな内容です。

「新言語秩序」はすでに第1章から最終章である第4章まで公開済。

ストーリーは驚くべき展開で幕を閉じており、続きがあるのか気になるところです。

武道館公演の内容は第4章のストーリーに続くものなのかもしれません。

公演前にチェックしておきたいですね。

『リビングデッド』というタイトルの意味

『リビングデッド』はもちろん「ゾンビ」を表す英単語です。

小説「新言語秩序」には“言葉ゾンビ”という名前の集団が登場します。

彼らは「言葉を殺された」けれど、それを良しとせずに活動しているのです。

自分を自由に表現することを禁じられた彼らは、さながら生きながら死んでいるような状態…

だからといって他人を傷つける言葉を言っていいという理由にはなりません。

作中の“言葉ゾンビ”は暴力的な一面があり、必ずしも味方できない部分もあります。

“新言語秩序”と“言葉ゾンビ”…一体どちらの主張が正しいのか?

そう考えさせられてしまうでしょう。

それこそが、amazarashiの狙いなのかもしれません。

最後に

言葉の自由について問う内容!

amazarashi【リビングデッド】MV解説!”検閲済み”って何?”検閲解除済み”も存在する?の画像

『リビングデッド』は女性が洗脳されるというショッキングな内容のMVでした。

amazarashiはこの曲を通じて、言葉の自由について世の中に問いかけようとしているのでしょう。

小説「新言語秩序」と共に、色々と考えさせられる内容の曲となっています。

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同じく社会風刺の効いた曲『メーデーメーデー』についての記事です。

こちらも善悪や生死といった難しい問題を聴く側に問いかけているような歌詞となっています。

『リビングデッド』が気に入った方におすすめ楽曲です。

唯一無二の歌詞の世界観が魅力のロックバンド「amazarashi」。そんな彼らの社会の闇を抉る曲が『メーデーメーデー』です。今回は、この曲の気になる歌詞の意味を徹底解釈したいと思います。