少女時代のクールな魅力を引き出した6thシングル

FLOWER POWER」は世界中で活躍する少女時代の6thシングルです。

この曲は日本オリジナルの曲となります。

「花の力」を意味するタイトルで、華やかな曲なのかなと感じますが、実際はそうではありません。

むしろクールかつおしゃれなメロディで、とてもカッコイイ印象の曲です。

MVもどちらかというとセクシーで、妖艶な感じがします。

メイドのような可愛い衣装と、セクシーな衣装のシーンが交互に展開される構成です。

アーティスティックで素敵なのですが、歌詞が少し難解と感じる人が多い曲でもあります。

たしかに全体的に暗喩が多いので、表面だけ読むと「何を歌っているんだろう」と思うかもしれません。

テーマすら分かりにくいかも…。

結論からいうとこの「FLOWER POWER」の歌詞は、女性の心を端的に歌っています。

どういうことを語っているのか、歌詞を一つ一つ見ていきましょう。

そして次この曲を聴いた時、「こういう意味の曲なんだな」と思っていただけたら幸いです。

その恋はどんな花?

FLOWER POWER」が描いているのは、男遊びをする女性。

恋を成就させるには、好きな人にアタックするほかありません。

歌詞に登場する主人公も女の武器を使って相手を魅了します。

歌詞は花や虫など例えが多いのですが、以上の内容を踏まえると分かりやすいでしょう。

恋の駆け引き

光と闇の真夜中 weekend
ダンス・フロア Scream & Shout
赤裸々 Human Nature
交わす視線は目と目 駆け引きのBorder
アソビで咲かせた 恋は徒花

出典: FLOWER POWER/作詞:Trinity p.k.a Johan Gustafson・Fredrik Haggstam・Sebastian Lundberg.・Junji Ishiwatari 作曲:Trinity p.k.a Johan Gustafson・Fredrik Haggstam・Sebastian Lundberg.・Junji Ishiwatari

クラブかライブハウスか、ダンスを踊る場所にいるようです。

薄暗い夜に、眩い照明がその場所を照らしているのでしょう。

「weekend」は週末のことなので、この日は金曜日の夜だと思われます。

以前は「花の金曜日」という言葉が流行ったほど、休日の前夜である金曜日の夜は皆盛り上がるのです。

勿論今でもそうではないでしょうか。

飲み会だとかで少し家に帰るのが遅くなるのも、金曜日の夜だからできることです。

休日を控えた人々が、ダンスを踊って楽しんでいる様子を描いていると考えられます。

その時主人公は気になる人を見つけ、視線を送りました。

相手も彼女を見ている様子。

この出会いが恋の始まりのようです。

ですがそれは、本気の恋というわけではなく遊びみたいですね。

4行目の「徒花(あだばな)」とは、咲いても実を結ばない花のことをいいます。

つまりこの恋は遊びでしかないので、成就しても何も残りません。

ゴールインなどするはずもなく、すぐに別れてしまうことを主人公は分かっています。

起きている時に見る夢

Ah ah ah I'm not gonna
Ah ah ah I'm not gonna
鳴り響くBeat 耳元でCheers! I Tell You"ADABANA"
起きてて夢って見れるのね Do You Wanna Be My Lover?

出典: FLOWER POWER/作詞:Trinity p.k.a Johan Gustafson・Fredrik Haggstam・Sebastian Lundberg.・Junji Ishiwatari 作曲:Trinity p.k.a Johan Gustafson・Fredrik Haggstam・Sebastian Lundberg.・Junji Ishiwatari

相手は恐らく本気でアタックしているのでしょう。

一方主人公は踊りながら「私はそんなつもりないわよ」という感じです。

本気ではないので軽くあしらうつもりでいます。

「ADABANA」はそのままローマ字読みで「徒花」のことでしょう。

相手に「あなたは随分本気そうだけど、私は所詮遊びだから」と伝えています。

音楽が鳴っているこの空間は、お酒を飲む場でもあるようです。

お酒を飲みながら、若干ふざけながら本音を吐き出しているのでしょうか。

きっと主人公は相手を魅了していたのでしょうけれど、そうしておいて「遊び」なんて…。

すべて遊びだったと知ったら、男性はどう思うのでしょう。

とてつもないショックを受けそうな気がします。

一方彼女はそのようなことをあまり考えていないのかもしれません。

そして彼女は、今いるこの場所が夢のようだと思っているようです。

意識が覚醒している中で見る夢。

現実でありながら、来たる時には幻のように儚く消え去ってしまいます。

シャンパンの泡のような儚い恋

突き上げて煌めいたグラスを 無数の泡が駆け上がる
弾けては消えていく恋を 眩しくライト照らし出す

出典: FLOWER POWER/作詞:Trinity p.k.a Johan Gustafson・Fredrik Haggstam・Sebastian Lundberg.・Junji Ishiwatari 作曲:Trinity p.k.a Johan Gustafson・Fredrik Haggstam・Sebastian Lundberg.・Junji Ishiwatari

グラスに注がれた飲み物の中、たくさんの泡が水面に向かって上っていく様。

かなりリアルな描写です。

この泡は炭酸の泡でしょう。

炭酸のお酒ってたくさんありますからね。

それでいてグラスの中に注ぐということは、シャンパンスパークリングワインかと思われます。

泡はしばらくすると、自ずと消えていくものです。

炭酸だって、そのまま放置していたら抜けて行ってしまうでしょう。

炭酸が抜けた飲み物に、プクプクと泡は出てきません。

シャンパンの中を駆け巡る儚い泡と、今起こっている恋を重ね合わせているかのようです。

所詮は遊びなのでこの恋は泡のように小さく、あっという間に消えていくでしょう。

主人公はそのことを分かっていながら、アタックしてくる男性に応えているのです。

ステージにいる男女の恋を、舞台の眩い照明が照らしています。

舞台となるダンスステージは、こうしたことが幾度となく繰り返されているのかもしれません。

蝶のふりをした蜘蛛