アルバム「歓声前夜」より
結成から約14年、一度はメジャーデビューするものの、再びインディーズに戻り我が道を行き続けるバンドSUPER BEAVER。
彼らの活動スタイルは、今音楽シーンを賑わせる他のバンドとは明らかに一線を画すものです。
彼らは良い意味で夢を見ないバンド。
夢を見ないと言うと語弊があるかもしれませんね。
しかしこのことが彼らの根強い人気を保っていることは確かです。
謙虚に歩んで来た14年が詰まった作品
今回紹介する「ラヴソング」が収録された「歓声前夜」のリリース前に行われた武道館公演にしてもそう。
他のアーティストにしてみれば、武道館といえばデビューしたての頃から「目指せ!」と思うようなステージです。
しかしSUPER BEAVERはここを目指していたわけではありません。
それどころか、そんなの恐れ多いと言わんばかりに謙虚に歩みを進めてきたのです。
「目指していたのではなく、着実に進んで来た結果出来るようになっていた」という彼ら。
会場の大きさよりも、身近なファンを大切にするその姿勢が結果として彼らを押し上げてきました。
そして完成したこのアルバムにも、ファンが好きだと言ってくれる自分たちが詰まっていると言います。
彼らの曲を作り上げるのは、ライブで出会うファンの楽しむ表情なのです。
ファンに密着する彼らの姿に、その人気の理由も伝わってきませんか?
「ラヴソング」にもそんな彼らの親しみやすさ、アーティストなのに身近なその感じが詰まっているのではないでしょうか。
「ラヴソング」を紹介
さて、ここからは本題の「ラヴソング」について触れていきましょう。
そのタイトルから、恋愛の歌を思い浮かべるという方も多いのではないでしょうか。
しかしこの曲は恋愛の歌ではありません。
歌われているのは「仲間を想う気持ち」。
恋心とはまた違うその気持ちを躊躇わずに「LOVE」と表現してしまう彼ら。
考えれば当然のこと。「LOVE」というのは異性にだけ向けられるものではありませんよね。
ファンとの仲間意識の強い彼らだからこそ、このタイトルが生まれたとは言えないでしょうか。
楽曲を考察
楽曲の口火を切るのは勢いよく飛び出して来たような印象のギター。
後を追うようにして入ってくるのは揚々としたベースフレーズ、そしてワクワクを煽るドラムです。
そこから元気いっぱいのイントロを展開。
ライブでファンと一緒になって盛り上がるシーンが目に浮かぶようです。
貫禄を覚えるヴォーカル
Aメロでは、少し抑えられたサウンドにヴォーカルの輪郭もあらわになります。
力強いバンドサウンドだからこそ、こういった歌が剥き出しになる部分の魅力も際立ちますね。
少ししゃがれた声に独特の歌いまわしで魅せる渋谷。
どこか貫禄さえ感じさせるヴォーカルワークですね。
心温まるサビ
Bメロで少し陰りの展開を見せると、あっという間にサビへ。
サビで聴かせるメロディはキャッチーかつハッピーなもの。
「幸せであってほしい」というメッセージがいかにも彼ららしく、心温まる内容となっています。
MVはSONYのウォークマンとコラボ
続いてMVもご覧いただきましょう。
アルバムに先駆けて公開された「ラヴソング」のMVはSONYのハイレゾ対応オーディオプレーヤー「ウォークマン(R)NW-A40シリーズ」とコラボしたもの。
撮影はオフィシャルファンクラブから選ばれた130人のファンを招待して行われました。
これはファン密着の彼ららしい試みですが、実は今回が初めてだとのこと。
メンバーも「ファンとの距離の近さが新鮮だった」と撮影を楽しんだ模様です。
ウォークマンを使った粋な演出も所々登場し、見事に楽曲に溶け込んだコラボを見せていますよ!