首から下だけでも愛してよ
体で繋ぎ止めて揺れる夜

出典: キケンナアソビ/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観

肉体関係だけでも、男を繋ぎとめておきたいのでしょうか。

「体だけでも良いから愛して」という彼女の切ない願いは、実は本心と異なります。

愛を伴わない体の付き合いでは、彼女の心は満たされません。

ただ、男の愛を求めてしまうと、今の関係が消えてしまいそうで怖いのです。

愛しているという思いと、愛を受け入れてもらえないあきらめとの間で、大きく心が揺れています。

心を求めるとすり減ってしまう

それでも
お風呂で流す嘘の匂い 首から上だけでも残してよ
心がすり切れて揺らぐから

出典: キケンナアソビ/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観

シャワーで洗い流したいのは、男と直接肌が触れあったときの残り香でしょう。

体に染みついた男の匂いなど、どうでもよいのです。

男を愛する自分の気持ちは、シャワーで流したくありません。

自分の気持ちは痛いほどわかっているのに、一緒にいるときは素直に思いを口にできないもどかしさ。

彼女の心のバランスを保つために必要なのは、自分に嘘をついて関係を続けることです。

一人になると、愛がほしい本心と関係を壊したくない願いが、複雑に交錯します。

彼女の心は男を軸とした葛藤の中で揺らいでいるのです。

やっぱり心で愛を感じたい

彼女は相手の男に本当の愛を感じたいのです。

体だけじゃなく、心から愛してほしい。

そんな心情が見えてきます。

わたしの愛は体だけじゃ満たされない

こっちは口だけじゃない だからさ もっと色々しようよ
やっぱり終わってるから 何しても もう意味ないな

出典: キケンナアソビ/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観

男は体の関係だけと考えていて、彼女の気持ちには無関心なのでしょう。

彼女の本心は違います。

口から出る言葉は偽りの世界。実は本気で男を愛していたのです。

本心は心で満たされたいのに、最初からあきらめている自分が許せません。

自分の気持ちを伝えた時の相手の反応が怖くて、いつも逃げてしまうからです。

愛は終わっていると口にする彼女の切ない思いが、もどかしく感じられます。

相手の気持ちを確認したいのに言葉が出ない

信じてる君だけはとか言わないから
この道をまっすぐ行けば帰れるから
これからも末永くお幸せに
ほら火をつけて

出典: キケンナアソビ/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観

彼女は、内心男にも愛があると信じたいのです。

体だけの関係ではなく、二人の間に愛を確認したいのに、言葉が出ません。

 会うたびに肝心な男の気持ちを聞けないまま、毎回男の後ろ姿を見送っています。

「あなたの愛を信じている」と口にするだけなのに、その勇気がありません。

綱渡りのような危うい関係ですが、体を男にゆだねている時はすべてを忘れて燃え上がりたいのです。

自分の体と心に火をつけてと望んでいます。

男は彼女の気持ちに気が付いているのでしょうか。

嘘の匂いとは何を示すのか

嘘の匂いとは、何を示すのでしょう。

歌詞から読み取ると、二つの嘘の匂いがあるようです。

性行為の後、お風呂で洗い流すのは男の残り香だけでしょうか。

彼女は嘘の匂いも同時に流していると考えられます。

洗い流したい男の嘘の匂い

お風呂で流す嘘の匂い

出典: キケンナアソビ/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観