クリープハイプ【キケンナアソビ】歌詞の意味を解釈！嘘の匂いとは何を示す？真っ赤に燃える理由を深読み

ひとつ目の嘘の匂いは、男の言葉から感じる気配です。

ベッドに二人でいるとき、男から「愛している」とか「好きだよ」などと囁かれたのでしょう。

口先だけの嘘と思いながらも、本心ではその言葉に身をゆだねたい思いがあります。

二人でいるときには、彼女の胸に男の言葉への微かな期待もあったでしょう。

男が帰って一人になった時、彼女は自分の考えが浅はかだったと思い返します。

孤独を感じた時には、とかく良くない方向へ考えるものです。

「やっぱり信じられない」とシャワーを頭からかけ流しながら、男の言葉を忘れようとしています。

もうひとつの嘘の匂いは、彼女が自身を納得させるために、口に出した独り言です。

彼女は自分を偽っています。

本心と裏腹な言葉を口にすることで、愛する気持ちを無理に封じ込めているのです。

二人の関係が終わることを、彼女は最も恐れています。

愛していると言ってしまうと、面倒くさいと思われて男が去っていくかもしれません。

男を繋ぎとめておくためにも、彼女は本心を封印したのです。

彼女は、偽りの気持ちで関係を続けることしかできない自分を、情けなく思っているのでしょう。

本心を打ち明けてしまうと、男から別れを告げられる可能性があります。

男を愛してしまった彼女は、自分から別れを切り出すことはできません。

自分を偽って、結局苦しんでいることが馬鹿らしく思えました。

男の前では、冷めた女のふりをしている自分が許せないのかもしれません。

彼女にも夢を見ることがあります。

二人の関係が本当の愛へと発展したらという、儚い夢かもしれません。

夢が現実にはならないと思いなおした時、ネガティブな考えが蘇ってきます。

彼女にも日常があります。

男との逢瀬が無い日は、不倫など関係ない顔をしているかもしれません。

二人の関係は、社会的に認められない不倫です。

関係を持つ時間や場所は、日の当たらない世界。

一般的な世の中とは正反対の時の流れの中です。

太陽が沈んで夜がくる間際の夕焼けの赤と、危ない夜の火遊びが重なります。

真っ赤に燃えるのは、世間が寝静まった夜の性行為。

許されない関係だけに、体を合わせるひと時は炎のように燃え上がるのでしょう。

この物語の主人公は、男を愛しているがゆえに、自分を偽り体の関係だけで相手を繋ぎとめようとします。

本当の気持ちを晒してしまうと、崩れてしまいそうで怖いのです。

歌詞の中に男の気持ちが出てきません。主人公の心の動きだけを綴っています。

相手の考えを示さないことで、切ない女の揺れ動く心情が際立って聴こえるのです。

「キケンナアソビ」は、悲しい女の危ない愛の情景を、妖しい雰囲気で描いています。

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