主人公の男性は、ミュージシャン志望。夢を追って生きています。
不安定な生活。経済的な問題で、安定や結婚とは程遠い位置にいます。
そんな彼に、彼女は愛想を尽かしたのかもしれません。
別れの言葉
「何一つ先の見えない関係に愛想が尽きた」って
夢じゃないかと 悲しすぎて僕は笑う
出典: 体温/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞
別れ際に彼女がいった言葉は、とても残酷なものでした。
ミュージシャンとして、いつ成功するのかわからない彼。
待ち続けることが苦痛になっていたのでしょうか?
主人公は彼女を愛しているから、夢であってほしいと願います。
しかし、それは紛れもない現実で、彼は笑うしかありません。
本当に悲しい時、人は笑ってしまうもの。
失恋は誰にとってもダメージの大きい出来事です。
特に、男性の方が過去の恋愛を引きずる傾向にあるといわれます。
彼女に振られた後の主人公が気になります。
夢か愛か、どちらかを選ぶ瞬間
すれ違った心
現実なんかより 夢を食べて生きる僕と
理想どおりじゃないと生きられない君じゃ
悲しい程にずれていった価値観が 君を悩ませた
出典: 体温/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞
夢を追う彼と現実を生きる彼女の悲しいすれ違い。
大人になる段階で、こんな別れを経験する人もいるでしょう。
この曲は、価値観の相違で別れを選ぶカップルがテーマです。
ミュージシャン志望の人間なら、他人事に思えません。
作詞・作曲を担当したTAKUYA∞は、自身の体験談ではないと述べています。
歌詞があまりにリアルなため、事実だと思いこんでいるファンは多くいるでしょう。
胸に迫る歌詞の秘密
ファンの間で有名なのは、TAKUYA∞の失恋エピソードです。
売れないミュージシャン時代、愛していた女性に手痛く振られたようです。
それがきっかけで女性不振に陥ってしまったとか。
女運に恵まれなかったと、冗談交じりでTV番組で語ったこともあります。
この曲の主人公の姿が重なって見えるのも仕方ありません。
売れない時代を長く経験した彼だからこそ、歌詞に説得力があるのです。
人の心を動かす秘密は、経験に基づいているから。
失恋を経験して
スニーカーが暗喩するのは
君から貰ったスニーカーは ちょっと擦り減ってきたけど
その分履きなれた
出典: 体温/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞
主人公が大事に履き続けているスニーカー。
それは、彼女がプレゼントにくれた物でした。
靴底が擦り減ってきても、履き慣れて心地良く感じられます。
2人の関係も、スニーカーの靴底と同様に擦り減っていく。
愛も物も、時間が経てば必ずその姿形を変えていくもの。
このスニーカーの描写は、後からもう1度出てきます。
追いかけようとしたけど 現実は腹が減るから
擦り減ったスニーカーで 僕は夢の中へとまた戻る・・・
出典: 体温/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞
彼女が去ってしまった後、擦り減ったスニーカーで1人佇む主人公。
生きていれば必ずお腹が減ります。私たちは生きるために食べるのです。
現実問題、お金は必要。夢だけでは食っていけません。
夢があれば空腹も堪えられる主人公。しかし、彼女はそれを望んでいません。
引き止めないことが、せめてもの彼の優しさなのかもしれません。