星野源「湯気」はソロ最初期の人気曲
■くだらないの中に
2011年3月2日にdaisyworld/SPEEDSTAR RECORDSより1枚目のシングルとしてリリースされた。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/くだらないの中に
■エピソード
2011年9月28日に発売された星野源のセカンドアルバム。
星野は、今作の制作を振り返り「個人的にもいろいろあって苦しかった時期」と述べている。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/エピソード_(星野源のアルバム)
とくにシングルとアルバムはともに2011年に作られています。
2011年3月11日には東日本大震災が発生しました。
甚大な被害をもたらした大災害だったわけですが、シングルがリリースされたのはその直前。
アルバムリリースが約半年後というタイミングです。
そのため「湯気」を作っているときは震災を知らず、アルバムを制作した時期が大変だったとわかります。
■STRANGER IN BUDOKAN
2014年8月20日に発売された、星野源の初の映像作品。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/STRANGER_IN_BUDOKAN
映像作品のトレーラー映像で、演奏シーンを垣間見ることができます。
歌詞に「ゆらゆら~」という表現が出てきますが、制作時期を踏まえると、震災とは関連性がありません。
純粋にタイトルどおり。
このタイトルはいったい何を象徴しているのか、湯気越しに視界が揺らめく中で何を見たのか。
歌詞に込められた思いを探ります。
1番の歌詞はこちら!
室内に湿気が充満
湯気の中は 日々の中
雨雲になって
いつの間にか 部屋の中
しとしとと雨が降る
出典: 湯気/作詞:星野源 作曲:星野源
「ジャッ、ジャッ」という歯切れのいい、ゆったりとしたリズムが心地よいイントロ。
そのまま歌が乗っかり、「ジャッ、ジャッ」のリズムは歌詞4行目のオノマトペとリンクします。
このことから室内で湯気が変化し、降り落ちた水滴の音を表現していることがわかるでしょう。
場所は室内なので、恐らく台所。
やかんのお湯が沸いても火を止めず、湿気が充満したという話でしょうか。
あるいはお風呂のドアを開けたままシャワーを浴び、室内までミスト状態になったという展開も考えられます。
いずれにしても日常のひとコマ。
晴れ晴れとした気持ちより、湿っぽい気分になっているのかもしれません。
何も食べずに泣いている?
なにか茹でろ 飯を食え
雨雲使って
するとなぜか 僕の中
とくとくと目から水が出る
出典: 湯気/作詞:星野源 作曲:星野源
ここでも歌詞4行目のオノマトペと「ジャッ、ジャッ」のリズムがリンク。
ただ、やかんやシャワーではなく、パスタか何かを茹でようとしてお鍋でお湯を沸かしていたのかもしれません。
そのまま台所がミスト状態になるまでフリーズしていたのでしょう。
なぜなら涙が出るほど悲しいことがあったから。そんな情景が浮かびます。
確かに大きなダメージを受けるほどショックなことがあると、日常的な作業をしながら気づいたら固まっていた。
そんなこともあるものです。
そして涙がこぼれた後に「あれ?泣いている」と気がつきます。
場合によっては食欲不振というか、食べることを忘れた状態になることもあるでしょう。
ただ、気分がブルーとは限りません。
もしかしたら室内に充満したミストが湿気を含んだ雲のように見えただけかもしれません。
先へ進みましょう。