「DIVE TO BLUE」は飛び降り自殺の曲?
ジャケット写真のデザインもあり、L'Arc~en~Cielの「DIVE TO BLUE」には飛び降り自殺の歌という説も見かけます。
そんな先入観が先に来てしまうと、たしかにそんな曲である気がしてしまいます。ミュージックビデオでは非常にナチュラルにモロ飛び降りていますし。
しかし、もしかしたら歌詞自体は全然違う内容のことを歌っているかもしれません。真相にできるだけ近づくべく、「DIVE TO BLUE」の歌詞解釈を中心に見ていくことにしましょう。
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ベーシックでとてもマイルドなバックの演奏やメロディですが、ボーカリストhydeさんのねばりの強い歌声で枠どられた作品となっています。
ちなみにミュージックビデオは非常にハラハラする長めの展開ともどかしいラストにさらに悶々します。ねっとり。
シングル曲ですが、原曲はこの文章より下にある画像のCDすべてに収録されています。アルバムであれば「個人的歌詞解釈」の項の「Ark」を、ベストであればそれ以外のお好きなものをどうぞ。
「DIVE TO BLUE」の歌詞解釈
それでは気になる歌詞解釈をば。
悪魔のささやき?
「はばたくのさ すぐに」 誰かささやいた
出典: https://twitter.com/LArc_lyrics1991/status/858654958043840515
自分の脳髄の一点からささやく声がします。XのHideさんのソロ曲「ピンクスパイダー」に出てきそうなセリフだと思うのは筆者の愚かな妄想でしょうか。
「ひざ下の境界線飛んでしまおうよ」 背中合わせの自由
出典: https://twitter.com/LArc_lyrics1991/status/858654958043840515
「ひざ下の境界線」は、ビルで考えれば屋上の淵ですよね。境界線という言葉選びが秀逸です。線のこっちはこの世、線の向こうは別世界。このふたつの世界が隣り合っていることを端的に示しています。
「境界線」に似たものに、駅のホームでいわゆる「線の内側でお待ちください」の白線・黄色い線を想起させます。電車が入ってくるタイミングで「このまま一歩踏み出せば死ぬんだな」という生死が隣り合わせになる恐怖。それと同じものを感じますね。
「さびた鎖に最初からつながれてなんてなかったんだよ」
出典: https://twitter.com/LArc_lyrics1991/status/858654958043840515
ここが少々難解なのですが、自殺路線で考えれば「いつでも死ねたのに」ということでしょう。
しかしここで疑問に思うのが、鎖につながれてなかったと思うのであれば自殺以外の選択肢を十分選ぶことができるということです。つまり、誰かや何かにつなげられた鎖がないということに気付いたならば、自分はもともと自由の身だと気付いたということになります。
自殺する方はむしろ、途方に暮れて自殺しか見えていない状態になり、勢いでそれを実行することが多い傾向にあります。(本人にとっては)自由の身ではなく自殺しか選択肢がないから、実行する。
ここの歌詞部分ではそれと反対ですよね。自由を自覚しているのですから。
飛んでみないとわからない世界がある
胸に胸に空をつめて
青色の深くに沈みたい
出典: http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=64902
「胸に空をつめ」るとは、たとえば山の新鮮な空気は胸いっぱい吸い込みたくなりますよね。同様に、空の青色で心を満たし青色で身を包みたいということでしょう。
どこまでも果てなく夜空をまとい
新しい世界を探そう
出典: https://twitter.com/aranglla/status/916234009218125824