この世はわたしのためにある!?

ウララ ウララ ウラウラで
ウララ ウララ ウラウラよ
ウララ ウララ ウラウラの
この世は私のためにある

出典: 狙いうち/作詞:阿久悠 作曲:都倉俊一

「ウララ」と単調な繰り返しではありますが、リンダさんのヴォーカルで変化がつけられています。

そのため、初めからセクシーさ全開!

 そして、「自分中心に地球が回っている!」とでも言いたげなセリフ。

こんな事を言ってみたいものです(笑)

主人公はかなりの自身家。

今までに散々チヤホヤされた結果、自信満々な状態になっているんでしょう。

野球では最後の部分が「お前が打たなきゃ誰が打つ」と替え歌されます。

見ててごらんこの私
今にのるわ玉のこし
みがきかけたこのからだ
そうなる値打ちがあるはずよ

出典: 狙いうち/作詞:阿久悠 作曲:都倉俊一

「見ててごらん」には並々ならぬ野心と気の強さがうかがえますね。

こんな性格なので、主人公には敵がたくさんいるんじゃないでしょうか。

心ない陰口なんかも言われていそうです。

主人公は「玉のこし」に乗るために、美容にもかなり気を使っていることが分かります。

(紅白の映像では「玉のこし」ではなく男性の背中に乗っていましたが…)

良く言えば上昇志向が高い人物です。

もう「この世で一番美しいのは私よ!!」と言わんばかり。

日本では例え「美人ですね」と褒められても「そんなことないですよ~」と返す人が多いのではないでしょうか。

この歌詞の主人公「私」は褒められても「知ってるわ!」と満面の笑みで返しそうです。

印象的な振り付け部分

弓をきりきり心臓めがけ
逃がさないパッと狙いうち

出典: 狙いうち/作詞:阿久悠 作曲:都倉俊一

ここは獲物を狙うヒョウのような振り付けのダンスが印象的です。

そして「ね・ら・い・う・ちィー!!」という風に指を指してキメます。

とっても肉食系な雰囲気が出ていますね。

ギラギラしていて最高です。

世界一の男だけこの手にふれてもかまわない

神がくれたこの美貎
無駄にしては罪になる
世界一の男だけ
この手にふれてもかまわない

出典: 狙いうち/作詞:阿久悠 作曲:都倉俊一

はっきりと「私は美しいのよ!」と主張しています。

いっそここまで言われると清々しくありませんか?(笑)

目指すはクレオパトラか楊貴妃か…

主人公はもう無駄撃ちはしません。

「世界一の男」にしか『狙いうち』しないと言っています。

「私はそんじょそこらの女とは違うのよ!」とでも言いたげ。

プライドがエベレスト並みに高そうです。

でも、それも許されるほどの美貌があるのでしょう。

目指すは「傾国の美女」!

ウララ ウララ ウラウラで
ウララ ウララ ウラウラよ
ウララ ウララ ウラウラの
この世は私のためにある

女ひとりとるために
いくさしてもいいじゃない
それで夢が買えるなら
お安いものだと思うでしょ

出典: 狙いうち/作詞:阿久悠 作曲:都倉俊一

 主人公は決して「私のために争わないで!」というような女性ではありません。

むしろ争っているのを喜んで見ているタイプ。

自分は「男の夢」をそのまま表したような女だと言っているのもすごいです。

「傾国の美女」という言葉があります。

美人すぎて国が一つ無くなってしまうほどの影響力を持つ女性という意味です。

先に挙げたクレオパトラや楊貴妃も「傾国の美女」と呼ばれています。

そんな「傾国の美女」がここにも一人存在しているのよ!!

と言いたいのではないのでしょうか。

それにしても、急に「いくさ」なんて単語が出てくるのでびっくりしました。

メロディー自体は繰り返しが多くて単調なため、歌詞にはこうした飽きさせない工夫があるのでは?

こんなところにも阿久悠さんの作詞技術の高さがうかがえます。

弓をきりきり心臓めがけ
逃がさないパッと狙いうち

世界中のぜいたくを
どれもこれも身にまとい
飾りたてた王宮で
かしずく男を見ていたい

出典: 狙いうち/作詞:阿久悠 作曲:都倉俊一

どこの国の王様と結婚するつもりなんでしょうか?(笑)

「玉のこし」のスケールが大きすぎます!

でも、ぜいたくな生活に憧れる気持ちはちょっと分かりますね。

しかし、これを実現させるためには、それこそ「アラブの石油王」とでも結婚しなければ無理!

おおげさすぎる想像に笑ってしまいそうです。

主人公は子供の頃に抱いた「お姫様になりたい!」というような途方もない夢をまだ持っているのかも。

そう考えると、憎めない人物かもしれません。

最後に