この『エソラ』、とてもポジティブなテイストが特徴ですが、もともとは別アレンジとして制作されていた全くちがう雰囲気の楽曲だったそう。
Vo.桜井がたまたまラジオで耳にしたアメリカのポップス『君の瞳に恋してる』(Can't Take My Eyes Off You)に感動し、この曲の持っているポジティブさに似せて、アレンジし直して完成したのが現在の『エソラ』です。
ちなみに桜井が影響を受けたという曲『君の瞳に恋してる』がこちら↓
曲の出だし部分はあまり馴染みがないですが、サビ部分『I love you baby!』の部分は誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
軽やかで跳ねるようなビートと、サビの視界が開けるような爽快感のあるサビ。
この楽曲を参考にしたというのも頷けるほど、『エソラ』には全編を通してポジティブでキラキラとした雰囲気が漂っています。
桜井は『君の瞳に恋してる』と同じくらい、長い期間愛されるスタンダードナンバーを作りたかったのではないでしょうか。
事実、『エソラ』はファンを中心として今だに多くの人に愛される楽曲となっています。
歌詞から見える想いとは?
メロディーラインが放ったカラフルな魔法のフレーズ
輝きをまき散らしては僕らに夢を見せる
明日へ羽ばたく為に
過去から這い出す為に
出典: http://j-lyric.net/artist/a001c7a/l01472e.html
『エソラ』をポジティブに捉えたというVo.桜井の意図が伝わってくる部分です。
夢自体が実態のないものだったとしても、希望や元気を与えるものである、というようなメッセージが感じられます。
「魔法」や「夢」といったワードから伝わってくるのは、煌びやかさと空想のような世界観。
『SUPERMARKET FANTASY』というタイトルにも含まれている「ファンタジー」という言葉が関連しているように感じます。
「夢」という言葉に含まれている、どこか非現実的な感覚をここでは完全に肯定してみせているのでしょう。
合理的な判断を求められる社会において、現実的でないことを口にするのは良しとされないことの方が多いです。
しかしながら、ここではその「夢」に含まれているポジティブな側面に焦点を当てています。
現実を生きていく上で必要なのは、将来に対しての希望的な展望や自身の理想を描くこと。
後悔している過去をやり直すことはできませんが、未来は幾らでも自身の手でやり直せるからです。
たとえそれが「ファンタジー」であっても、より良く生きるために必要なことだといいたいのではないでしょうか。
サビの歌詞
Oh Rock me baby tonight
ほらもっとボリュームを上げるんだ
出典: http://j-lyric.net/artist/a001c7a/l01472e.html
Vo.桜井が影響を受けたという楽曲、『君の瞳に恋してる』の中のサビ〝I love you baby〟にかなり似ている部分ですね。
勢いを感じるこの歌詞からは、未来に向かって進んでいくことへの意気込みが感じられます。
夢に向かって進もうとする時、そんな自分を制御しようとするのはネガティブな感情。
「こうなったらどうしよう」という不安な気持ちが、自分を現状維持に踏み留まらせるのです。
しかしながら、それは自分の可能性を潰すということになりかねません。
だとするならば自分の心に鳴り響くその夢という名の音楽を、大音量で奏でていくことを優先するべきなのでしょう。
その方が、自分にとってワクワクする未来を手に入れる近道となるのではないでしょうか。
自分の心に正直になること、きっと大丈夫だと思うことで夢にまた1歩近づくことができるのです。
宝石のような日々
雨に降られたら 乾いてた街が
滲んできれいな光を放つ
心さえ乾いてなければ
どんな景色も宝石に変わる
出典: エソラ/作詞:Kazutoshi Sakurai 作曲:Kazutoshi Sakurai
ここでいう「雨」というのは、ネガティブな物事の象徴なのではないでしょうか。
自分の人生において、何か悲しいことや苦しい出来事に遭遇した時。
私たちはそれが永遠に続くかのように考えてしまいがちです。
ネガティブな出来事というのは、それだけ私たちの精神に深いダメージを与えるものだからでしょう。
しかし実際は苦しみもそこまで長続きするわけではありません。
それどころか、そんな苦しみの後に待っているものは大抵明るい未来なのです。
雨が止んだ後に街が綺麗に見えるのは、雨が降ったから綺麗に見えます。
ずっと晴れていたら、そんな風に街が綺麗に見えることもないでしょう。
雨が降るのは当たり前のことのように思えますが、私たちが幸せを感じるのも苦しみがあるからなのです。
人間の人生には山も谷も必要なのでしょう。
そして見方次第で、そんな雨も「宝石」に見える。
それはつまり、ネガティブな出来事でさえ捉え方によってはポジティブに変換できるということです。
たとえ悲しくても辛くても、その先にある幸せを見据えれば私たちは生きていくことができます。
そのためには自身の心の感受性を失わないこと。
私たちに対して未来はきっと大丈夫だといってくれているような心強い歌詞です。
『エソラ』PVデザイナーも要チェック!
『エソラ』が収録されているアルバム『スーパーマーケット』のジャケットデザインを担当した森本千絵氏は、コムサやPS2ソフトのキャラデザインなども手掛ける人気のデザイナー。
『エソラ』PVも森本氏によるデザインですが、どちらも奇抜さとポップさが魅力ですね。
そんな森本氏のtwitterアカウントでは、これまでの作品を展示している個展や、イベント情報も配信されているので、気になる人はチェックしてみてください。