君にまみれているから

大好きな君に溺れる

井上苑子【キミマミレ】歌詞の意味を徹底解説!私の理想と現実とは何か?君と私の現在の関係性を紐解く!の画像

どこにいたっているよ
バス停 改札 交差点
朝も夜も街じゅう 君まみれ
ねえ 声をもっと聞かせて
ワガママ 文句 言わせて
寝ても覚めても部屋じゅう 君まみれ
撮り溜めた動画から 次々と君が飛び出す

出典: キミマミレ/作詞:井上苑子,田中秀典 作曲:田中秀典

ここでまさに、タイトルどおりの【キミマミレ】な状態が表現されています。

彼女の愛の深さが感じられますね。いつどこにいても、心の中には君がいて消えることがないのですから。

私は君が好きで好きでたまりません。

2人の気持ちがすれ違っていることはわかっています。

それでもいつか理想の恋人同士になれるよう、本当の意味で両想いになれるよう願っているのでしょう。

「まみれる」の意味に着目すると…

しかし最初に少し触れたとおり、「まみれる」という言葉自体にはネガティブな意味が含まれています。

つまり一見するとポジティブなここのフレーズにも、少なからずネガティブな感情が含まれているということ。

ただしそのネガティブな意味は、主人公の私が抱いているものではありません。

この2人の恋愛を外から眺めている人たち、つまりリスナーに不安を抱かせるような言葉だということです。

何度か触れてきた通り、2人の関係は私から注がれる一方的な愛で成り立っていました。

もちろん君が全く愛を持っていないとは断言できません。

しかし少なくともその深さ・大きさをみれば一方通行といえるでしょう。

つまり私が君に固執している=君にまみれている間は、この苦しい関係から逃れられないということ。

私の生活・感情全てが君に染められているせいで、彼女はどこか束縛されているようにも見えてしまうのです。

この恋愛を客観的に見る人からすれば、さっさと断ち切って次の相手を探した方がいいと思ってしまうでしょう。

しかしそれができていない主人公の姿。盲目的な主人公に不安を抱かせます。

主人公とリスナーにとっての「まみれる」が違った意味を持つ、面白い歌詞だといえますね。

私の理想

離れていく現実

また飲み仲間の家(うち)で タコヤキパーティーですか?
忙し自慢と寝てない自慢が得意技
だんだん燃え上がる恋 期待したのに
もう一週間も会ってない 理想と現実

出典: キミマミレ/作詞:井上苑子,田中秀典 作曲:田中秀典

典型的なすれ違いの風景が描かれています。

デートの約束を取り付けることさえ難しかった君。

私から君を奪ってしまうたくさんの予定に苛立ちを覚えているようです。

私は毎日…とはいわずとも週に数回会いたいと願っていました。これは彼女だけの理想です。

しかし現実は忙しい君と全く会えない日々が続くばかり。苛立ちとともに呆れているような様子も窺えますね。

これほどの仕打ちを受ければ、君の気持ちが自分に向いていないかもしれないと理解はできそうです。

しかしそれでも主人公の心は君を愛し続けますし、君からの愛も求めてしまうのでしょう。

思い通りにならない理想と現実のギャップが苦しいですね。

それでも捨てきれない理想

井上苑子【キミマミレ】歌詞の意味を徹底解説!私の理想と現実とは何か?君と私の現在の関係性を紐解く!の画像

甘いひととき 減ってしまうけど
幸せレベルは上昇したいよ
いつも二歩くらい先歩く君の
背中 飛び込めるのは 私だけ!

出典: キミマミレ/作詞:井上苑子,田中秀典 作曲:田中秀典

これほどまでに大きな理想と現実のギャップを目の当たりにしても、まだ理想を追いかけている主人公。

君への愛の深さが窺えますが、ここまでくるともはや救いようがありません。

さらにここへきて、君は私への想いが薄いどころか全くない、むしろ嫌いになりかけている可能性が見えています。

それが3行目の歌詞。女性をリードしてくれる素敵な男性にも見えますが…。

もし主人公と並んで歩きたくなかったのだとしたら?気持ちが離れている可能性が高いでしょう。

しかしそんな君の様子を見て私はたくましい背中だと感じ、彼女の中の愛をさらに深めているようです。

この気持ちのすれ違いがなんとも苦しいですね。

いつまでたっても君が好き

どこにいたっているよ
公園 カラオケ 映画館
まわりまわる世界じゅう 君まみれ
ねえ 今日も一緒に踊ろう
夢の中 雲の中
晴れも雨も空じゅう 君まみれ
めくり落とすカレンダー
はらはらと君がこぼれる

いたるところにいるよ
引き出し レシート ペンケース
歯ブラシ 靴下 リュックサック 君まみれ
ねえ どこまでついてくるの?
水族館 動物園
プラネタリウムの星も 君まみれ

出典: キミマミレ/作詞:井上苑子,田中秀典 作曲:田中秀典