黒い涙を流すビリー・アイリッシュ「when the party's over」

「007」主題歌も大ヒット

シリーズ第25作目の映画007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」(日本公開2020年4月10日)。

ビリー・アイリッシュはシリーズ史上最年少の18歳で、主題歌No Time To Die」を大ヒットさせました。

何よりデビューアルバムグラミー賞最優秀アルバム賞を受賞しています。

When We All Fall Asleep, Where Do We Go?」(2019年3月発売)。

全14曲中7曲目に収録されているのが「when the party's over」です。

今回はこの曲の歌詞について解説!

理解を深めるためMVと曲の構成にも触れておきましょう。

黒い涙を流すMVが話題

公式YouTubeチャンネルにアップされているMVです。

全体的に白い部屋で、白い椅子に座っているビリー・アイリッシュ。

白い机の上に置かれた黒い液体入りのグラスを手に取り、飲み干します。

そのうち彼女の目からこぼれてくるのは、黒い涙

もちろんチューブを使って細工をしているわけですが、その裏側を知っても衝撃的な映像です。

歌詞の内容とリンクする映像になっています。

解説と併せてご覧くださいませ。

曲の構成

ビリー・アイリッシュ【when the party's over】歌詞を和訳&意味を解釈!本音に迫るの画像
  • 1番:Aメロ→Bメロ→Cメロ
  • 2番:Aメロ→Bメロ→Cメロ
  • 3番:Aメロ→Bメロ→Cメロ

邦楽の典型的な曲の構成です。

メロディが変わるたびにA、B、C…と続きますが、Cメロが「サビ」になっていることが多いです。

洋楽では次のような呼び方をします。

  • Aメロ:バース
  • Bメロ:ブリッジ
  • Cメロ:コーラス

ヒップホップの「フック」とは邦楽のサビ、洋楽のコーラスのことです。

この点を踏まえて、この曲の構成を見てみましょう。

  • イントロ→1バース→1コーラス
  • 2バース→1コーラス
  • 1ブリッジ→1コーラス

邦楽に照らし合わせると「Aメロ→サビ」のパターンが2回繰り返され、最後は「Bメロ→サビ」という流れ。

3番まである感じですが、洋楽は邦楽ほど「1番、2番~」という区別にこだわりがないでしょう。

それよりも曲全体で1つにつながった印象を受けます。

とにかくシンプルな構成でダウンテンポ(ゆっくり)、静かな曲調です。

またコーラス(サビ)3回は、接続詞とかけ声があるかないかの違いだけ。

それ以外は同じ歌詞になっています。

印象的なのは「」の発音にアクセントを置いた歌い方。

英語が聞き取れなくても絶妙な響きとリズムの揺らぎが感じられ、耳なじみのいいフレーズになっています。

ただ、MVで黒い涙を流しているくらいですから、歌詞の内容は決して明るくありません。

どのような悲しみが表現されているのか、歌詞と和訳を見ていきましょう。

切ない失恋ソング

1バースの歌詞はこちら!

ビリー・アイリッシュ【when the party's over】歌詞を和訳&意味を解釈!本音に迫るの画像

Don't you know
I'm no good for you
I've learned to lose you,
can't afford to
Tore my shirt
to stop you bleedin'
But nothin' ever stops
you leavin'

出典: when the party's over/作詞:Billie Eilish O'Connell, Finneas O'Connell 作曲:Billie Eilish O'Connell, Finneas O'Connell

まるで讃美歌みたいに、静寂がただようハミング混じりのイントロ。

続くボーカルは低音から始まり、非常にゆっくり高音へと高まります。

とつとつと告白するような歌い方。懺悔するかのような雰囲気も漂います。

この1バースの和訳を見ましょう。

1バースの和訳はこちら!

ビリー・アイリッシュ【when the party's over】歌詞を和訳&意味を解釈!本音に迫るの画像

知らないの?

私はあなたのためにならないって。

私はあなたを失うことを学んだ。

余裕はないわ。

あなたが血を流すのを止めようとして

シャツを引き裂いた。何をしても

あなたを引き留められないけれど。

愛し合って交際を始めても、上手くいかず別れることはあるものです。

実際につき合ってみると性格が合わず、ケンカばかりしていたとか。

結果的に、女性主人公が交際相手の男性に振られたかたちになります。

「私とつき合うとあなたが大変になるの。そんなことも知らないの?」といったニュアンスです。

お騒がせタイプであることを自覚していて、迷惑をかけたのだから別れるのも無理はない。

そう自分に言い聞かせつつ、別れを余裕で受け止めているわけではない様子が伝わってきます。

その続きが衝撃的!

何と男性は出血しています。

その手当てをしようとして、女性はシャツを引き裂き、包帯代わりに使おうとしたのでしょう。

何がどうなって男性が血を流したのか、具体的な出来事はわかりません。

それでも流血騒ぎは私のせいだと言わんばかりの女性のセリフがあります。

そこから想像してみましょう。

男性が別れを切り出し、女性が受け入れられずに暴れ、男性がケガをした。

そうなってから傷の手当てをしようとしたところで、別れは避けられないと自覚した瞬間かもしれません。

孤独感が増す

コーラスの歌詞はこちら!