時速36km【動物的な暮らし】歌詞の意味を解釈!なぜ世界の果てに気付かない?必死に今を生きる理由とはの画像

けど必死で立ってるんだぜ
思い出に負けないような日が来るまで生きる

出典: 動物的な暮らし/作詞:仲川慎之介 作曲:時速36km

クライマックスの歌詞になります。

いまこそ必死に生きるときであり、雑音にかき消されないように頑張っているところでしょう。

「動物的な暮らし」にいつまでも甘んじることはできません。

人間らしく生きられる最低限で文化的な暮らしの上を目指しながらギターを鳴らします。

実際に銀行残高が7円しかない状態であるならば公助のサービスを受けられる対象になるでしょう。

区役所に行けば一時金を借りることもできます。

貧困が慢性化しているならば生活保護の対象にもなるでしょう。

こうしたギリギリの暮らしをしている人は少なくありません。

しかし公助のサービス活用は周知されていないのが現状です。

そのために高利貸しが台頭して貧困を再生産してしまうことも多いでしょう。

斯様に何とも夢のない話がまごうことなきロック・ナンバーの歌詞になっています。

ロック・チューンであることを担保するのは主人公が燃やす執念です。

必死に生き抜いてみせるよという思いこそがこの曲をロックとして輝かせています。

公助に頼るのは負けでも何でもないです。

しかし思い出という過去の自分に負けることはロックンローラーとしては許せないことでしょう。

時速36kmの「動物的な暮らし」は2019年の日本の現況を的確に切り抜いてしまいました。

30年もの間、経済成長が滞って実質賃金がマイナス傾向にある国の現況です。

苦しい暮らしはまだまだ続く見通しですから、この歌に胸を打たれる人はさらに増えます

しかしロック・チューンは新聞ではありません。

時速36kmは暗いニュースを伝えている訳ではないのです。

あくまでもこの現況の中で必死に立っていることを宣言します。

そして生ききってやるのだと決意を述べるのです。

動物的な暮らし

動物の域まで堕ちている生活のありのままが歌われます。

救いは生きてゆくという思いにしか求められません。

時速36kmが示したこのリアルこそがいま力強く響くロックの本物の在り方でしょう。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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