花束を君に贈ろう
言いたいこと 言いたいこと
きっと山ほどあるけど
神様しか知らないまま
今日は贈ろう 涙色の花束を君に
出典: 花束を君に/作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル
「愛」を教えてくれた母に感謝の気持ちも、悲しいという感情も伝えたいのではないでしょうか。
しかし、言いたいことは募るばかりで言葉にしても届かないことを改めて悟っています。
その分、涙を流すことでその想いの強さと深さを表現しています。
両手でも抱えきれない
眩い風景の数々をありがとう
出典: 花束を君に/作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル
とはいえ、感謝の気持ちをちゃんと言葉にしています。
花束を贈るのは宇多田ヒカルの方からだけではありません。
むしろ今まで母から花束をもらってきたのです。
かけがえのない日常や母から受けた愛情も1本1本の花ではないでしょうか。
それがまとまってできた花束は、両手には抱えきれないほどの大きな花束になっています。
世界中が雨の日も
君の笑顔が僕の太陽だったよ
今は伝わらなくても
真実には変わりないさ
抱きしめてよ、たった一度 さよならの前に
出典: 花束を君に/作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル
どんなにつらいことがあっても母の笑顔はいつでも支えてくれていました。
そのことを今は伝えることができませんが、たしかにあった事実として心の中にしまっておくことはできます。
しかし、やはり現実として受け入れるのには勇気も時間も必要です。
直面している現実と、そうであってほしくないという理想の間で揺れ動く心の葛藤が表現されています。
花束を君に贈ろう
愛しい人 愛しい人
どんな言葉並べても
君を讃えるには足りないから
今日は贈ろう 涙色の花束を君に
出典: 花束を君に/作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル
母への敬意を表した素敵な締めくくりになっています。
届かない言葉をどれだけ並べても、敬愛する母を讃えることはできないし、もし届いたとしてもその気持ちはもはや言葉で足りるものでもなくなっています。
旅立ちにふさわしく、たくさんの想いや気持ちを涙に凝縮します。
その想いの詰まった涙という花束を贈ることが母への一番の餞になるのではないでしょうか。
ミュージックビデオやメイキングなど豊富な映像作品
「花束を君に」
モノトーンの色彩で、ベッドに寄り添って歌を歌う姿からは憂いや物悲しさを感じます。
最後に
2010年より「人間活動」と称してアーティスト活動を一時休止した宇多田ヒカル。
本格的なアーティスト活動復帰の足掛かりとなった「花束を君に」には特別な思い入れがあるように感じます。
しかし、独りよがりではなく、こんなにも温かくわたしたちの心に寄り添ってくれるのはなぜでしょう。
それは聴いてくれるみんなにとって大切な1曲になるよう丁寧に丁寧に、つまり「開かれる」ように作られたからではないでしょうか。
宇多田ヒカルは2017年に入りEPICレコードジャパンへ移籍することを発表し、7月には「大空で抱きしめて」「Forevermore」と立て続けにリリースが決定しました。
人間活動やその間に起きた様々な経験を踏まえ、アーティストとしてもっと深い部分で成長した宇多田ヒカルの精力的な活動に今後も期待が集まります。
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