イカついヒップホップと王道アイドルの共存
ロックやJ-POP、日本のアイドル、アニメ曲、ボカロ曲などが好きで、K-POPはあんまり聴かない…。
そんな人もいるかもしれません。
それでも東方神起やBTS(防弾少年団)など、K-POPの人気ぶりは気になるのではないでしょうか。
アイドルとして見た目やファッションがイケている…というのは大前提かもしれませんが…。
人気の理由はそれだけじゃありません。ダンス、ボーカル、ヒップホップ、サウンドなど。
どこかしら「すごい…」と唸らされる才能にあふれているんですね。
けーぽペン(K-POPファン)の皆さんは、本気の実力主義の世界で奮闘する魅力にハマっているのでしょう。
日本デビュー曲
ただ群雄割拠のK-POP界で「どのアーティストを聴いたらいいの?」と迷う人もいるかもしれません。
そんなあなたにおすすめなのがMONSTA X(モンスタ・エックス)。通称モンエクまたはモネクです。
2019年10月にウォノが脱退して6人組となった男性アイドルグループ。
韓国では2015年5月にデビューしましたが、その2年後の2017年5月に日本でもデビュー。
「HERO(Japanese ver.)」が日本デビュー曲です。
モンエクペン(MONSTA Xファン)のモンべべさん、とくにウォノペンさんにとっては貴重な7人体制時代。
ゴリゴリのイカついヒップホップサウンドにやんちゃなラップ。
ギャップ萌え
ネイティブ(母国語)が日本語の人は「これほどストレートな歌詞だとちょっと恥ずかしい」と思うかも…。
ところがネイティブが韓国語の彼らがほんのちょっぴりたどたどしいながらも上手に日本語で歌っているので…。
とくに女性のハートにズキュンと刺さるわけです。
「はい、モンエク優勝!あなたたちがヒーロー!」ということ。
男性諸氏は「女性はギャップに弱い」「こっぱずかしい熱い言葉を女性は意外と求めている」と学びましょう。
もちろんボーカル・ラップ・ダンスのスキル、鬼ヤバなトラック(音)が伴っているからこそ成立する話。
さすが韓国のサバイバルオーディション番組「No.MERCY」(ノモシ)を勝ち抜いた強者ぞろい。
韓国のエンタメチャンネルMnetとともに番組を行ったのが所属事務所STARSHIP(スタシ)でしたが…。
K-POPの3大事務所といわれるSM、YG、JYPを追随する勢いなのも、モンエクの功績が大きいでしょう。
王子様がお姫様に伝えたいこと
「HERO」という曲の構成はざっくりと次のようになっているでしょう。
- イントロ
- 1番(Aメロ・Bメロ・Cメロ)
- 2番(Aメロ・Bメロ・Cメロ)
- 3番(Aメロ・Cメロ)
- アウトロ
このうちがっつりラップ部分は「2番・Aメロ」と「3番・Aメロ」。
がっつりボーカル部分は「1番・Bメロ」と「2番・Bメロ」。「1番・Aメロ」はソフトなボーカル。
「Cメロ」としたのが「HERO」という歌詞を含む、サックスのリフ(繰り返し)が特徴的な部分です。
イントロから煽るようなボイスが入ったり、1番と2番のあいだにゲームの効果音が入ったり…。
サウンド面でも非常に聴きごたえのある曲です。それでは歌詞に注目していきましょう。
やんちゃなラブソング?
All day All night
君はPerfectでも
たった一つの問題点 yeah
まぶたにチラつく
上っ面だけの奴らさ So rude
出典: HERO/作詞:ZERO(YVES&ADAMS) 作曲:PUNCH SOUND
まず最初にお断り。
韓国語バージョンの「HERO」の作詞は「Punch Sound、ライマ、Jooheon、I.M」とクレジットされています。
それを踏まえたうえでの日本語詞はZEROさんが担当したということ。
韓国語と日本語では少しニュアンスが異なるところもあるようですが、今回は日本語詞について解説します。
さて、本題。
いきなりやんちゃな王子様の登場です。王子様の恋する相手は<完璧なお姫様>。
でもお姫様はモテモテなのでしょう。まわりには軽薄な男たちが群がっている様子。
そのため王子様はご機嫌ナナメというわけです。
男性が主人公のラブソングですが、その男性が恋する女性の立場になって耳を傾けるファンも多いでしょう。
いきなり<完璧な君>と持ち上げられるので、早くもお姫様気分に浸ることができるというわけです。
男性諸氏は世界観に入り込めない…とアセるかもしれませんが大丈夫!
主人公はモンエク自身、目障りなのは軽薄な音楽と深読みしてみると、男らしい骨太な歌詞にも思えてきます。
極上の音楽に恋するモンエク。そんな裏テーマを想像してみるのもおもしろいかもしれません。
まるでRPG?
君は俺のもので
世界中が敵になったって
囚われの城からだって
救い出して守ってあげるよ
そう 運命の女神(venus)
その手で踊るゲームみたいだ
wow 他じゃダメなんだ
俺じゃなくちゃ
I can be your hero
I can be your hero,
I can be your man
出典: HERO/作詞:ZERO(YVES&ADAMS) 作曲:PUNCH SOUND
女性は男性に<俺のもの>と言われたとき、まったく違う態度をとることがあります。
1つは「モノ扱いされたくない!」と怒る場合、もう1つはズキュンとハートを貫かれる場合。
「HERO」では後者ですね。なぜなら王子様は<完璧なお姫様>に恋をしているのですから!
どうしてお姫様がお城に閉じ込められているのかはわかりませんが、王子様は必ず助けに来てくれます。
ここまで歌詞の世界観に入り込んだうえで冷静になってみましょう。そもそも主人公はたとえ話をしています。
王子様とお姫様のお城の物語をRPG(ロールプレイングゲーム)にでもなぞらえているのでしょう。
伝えたいのは「他の男に目移りしないでほしい」という本音。
この<男>の部分を<音楽>に置き換えると「モンエクだけのファンでいて!」ということかもしれません。
イカついヒーロー登場
ここからは2番。I.M(アイエム)のラップが冴え渡ります。