安室奈美恵【FAST CAR】歌詞を和訳&解釈!「速い車」みたいな男って?ドライブに挑戦してみよう♪の画像

四六時中 そう一晩中
囁いてしまう oh boy, I need you
幻のヴィンテージ まさに exclusive
逃したら次はないから

出典: FAST CAR/作詞:TIGER 作曲: Anne Judith Wik Ronny Svendsen Robin Jensen Nermin Harambasic Chris Young

募る思いを赤裸々に表現します。

少しだけ解釈が難しい英単語がありますので和訳を添えましょう。

「四六時中 そう一晩中

囁いてしまう oh あなた あなたがいて欲しい

幻のヴィンテージ まさに他では手に入れられない

逃したら次はないから」

付き合いたてのカップルですから24時間愛し続けたいと願います。

主人公の女性は完全に歳下の彼氏の虜になっているのでしょう。

カップルの倦怠期など遠い未来のことのようです。

恋をしたならばすっと一緒にいたいと願うのは自然な感情でしょう。

主人公の女性は自ら相手への愛を告白します。

愛されるよりも愛したい恋愛体質なのかもしれません。

本当の愛はヴィンテージ・ワインのように狭い範囲の取引内でしか入手できないもの。

彼女は誰彼構わず肉食系という訳ではないのです。

飽くまでも自分が恋した相手と向かい合いたいと願います。

英単語の「exclusive」は様々な意味がありますが、ここでは「決まった相手としか交流しない」ということ。

難関大学の試験や大学での語学講義でしか目にすることがないワードです。

また、恋のタイミングについても触れています。

彼女にとって彼と出会えたことはレアケースなのでしょう。

もう二度と相手を離したくないという想いが表現されています。

大切な相手との出会いは機会を逃すことができません。

恋愛カーストの頂点

高級車に例えられた愛

安室奈美恵【FAST CAR】歌詞を和訳&解釈!「速い車」みたいな男って?ドライブに挑戦してみよう♪の画像

Speed it up, boy
誰にも 乗らせない you're my fast car
手に負えないけど hot (speed it up, speed it up, speed it up now)
Give me the key
たまらない let me drive you down the love street
息も出来ぬほどに (gimme that, gimme that gimme that now)

出典: FAST CAR/作詞:TIGER 作曲: Anne Judith Wik Ronny Svendsen Robin Jensen Nermin Harambasic Chris Young

リフレインです

繰り返しになりますが和訳を添えます。

「あなた、もっとスピードを上げて

誰にも 乗せられない あなたは私の速いクルマよ

手に負えないけど 最高(もっとスピードを上げて、スピードを上げて、今すぐスピードを上げて)

私にキーを渡して

たまらない 愛の道路の運転は私に任せて

息も出来ぬほどに (あれが欲しい 欲しいの 今すぐ渡して)」

再び「FAST CAR」が登場します。

性能がいいクルマに例えられるこの男性がうらやましく思えるところです。

彼女にとっては正に運命の出会いであるのでしょう。

イケメン、スタイリッシュ、抜群の身体能力、煌めく知性。

速いクルマに例えられるこの男性は恋愛のカースト制度の頂点に君臨するような人物です。

こうした男性に自信を持ってアプローチできる女性も同様に恋愛における上流階級なのでしょう。

百戦錬磨の恋愛の女王が恋した男性。

理想のカップル像なのかもしれません。

高級車でしか味わえないドライブの醍醐味。

それは恋愛においても抜群の相性であることを表現しています。

レアなスーパーカーのように魅力が光り輝いているのです。

そのスーパーカーを乗りこなせる女性もレアな存在でしょう。

ゴージャスな恋愛風景を描いて絵になる女性シンガーは稀少です。

安室奈美恵は老いる姿を見せる前に引退をします

再びこうした女性シンガーが現れて欲しいものです。

熱い恋愛を支配したい

子どもには分からない表現

安室奈美恵【FAST CAR】歌詞を和訳&解釈!「速い車」みたいな男って?ドライブに挑戦してみよう♪の画像

もう熱すぎてオーバーヒート
狂いそうなほど your heart beats
Slow it down, slow it down, just slow it down (baby baby)
任せてよ let me control you
落ち着いてもう一度
Gimme that, gimme, gimme that
I know what you want, yeah

出典: FAST CAR/作詞:TIGER 作曲: Anne Judith Wik Ronny Svendsen Robin Jensen Nermin Harambasic Chris Young

速いクルマをクールダウンさせる時間が来ました。

ライブに緩急があるように、愛の行為もお互いの呼吸を合わせるのが大事です。

歌詞和訳しながら見ていきましょう。

「もう熱すぎてオーバーヒート

狂いそうなほどあなたの心臓の鼓動

落ち着きましょう、落ち着いて、もっとゆっくり(あなた あなた)

任せてよ 私があなたを支配するわ

落ち着いてもう一度

あれが欲しいの、ちょうだい、あれが欲しいわ

私はあなたが欲しがっているものを分かっているの」

クルマのキーを譲り受けた彼女はこの恋愛のすべてを支配しようとします。

彼氏の上に立って行路を決めてしまう際の万能感が描かれるのです。

速いクルマのスピードを自在に変化させることで恋愛の距離感を縮めます。

リスナーの皆さんがこの描写の裏に隠された意味を読み取ってみてください。

熱い夜はまだまだ続くようです。

随分、恋愛の偏差値が高いカップル像。

子どもの頃に憧れたような美男美女のカップルの姿を思い浮かべます。

お子様たちには分からない世界の表現です。

稀代の歌姫・安室奈美恵にしか似合わないような歌詞

彼女の様々な恋愛ゴシップが脳裏に浮かびます。

音楽ではなく「タレント性」の点ばかりが写真週刊誌などのメディアに取り上げられました。

しかし、ここまで本格的なブラック・コンテンポラリー・ミュージックに振り切ってくれるのは嬉しい。

メインストリームの音楽ですが、実際は歌詞を含めてマニアックな印象さえある歌作りになっています。

J-POPシーンは安室奈美恵の登場以前と以後にはっきり区分けできるのです

「FAST CAR」はどこまでも進む

TIGERが安室奈美恵に託した想い

安室奈美恵【FAST CAR】歌詞を和訳&解釈!「速い車」みたいな男って?ドライブに挑戦してみよう♪の画像

*Speed it up, boy
誰にも 乗らせない you're my fast car
手に負えないけど hot (speed it up, speed it up, speed it up now)
Give me the key
たまらない let me drive you down the love street
息も出来ぬほどに (gimme that, gimme that gimme that now)

(*Repeat)

出典: FAST CAR/作詞:TIGER 作曲: Anne Judith Wik Ronny Svendsen Robin Jensen Nermin Harambasic Chris Young

駆け足でこの曲を解説してきました。

もうクライマックスになります。

すでに重複する箇所ですが念の為訳出いたしましょう。

「*あなた、もっとスピードを上げて

誰にも 乗せられない あなたは私の速いクルマよ

手に負えないけど 最高(もっとスピードを上げて、スピードを上げて、今すぐスピードを上げて)

私にキーを渡して

たまらない 愛の道路の運転は私に任せて

息も出来ぬほどに (あれが欲しい 欲しいの 今すぐ渡して)

(*くりかえし)」

誰もが一度は憧れたスマートな恋愛の姿。

しかしこれほどゴージャスな恋愛は中々できるものではないです。

すでに社会的な地位を確立した人にしかできないような恋愛風景。

しかし登場人物たちはまだまだ年若い男女です。

若い頃の恋愛はスケールが小さく収まることの方が遥かに多いでしょう。

ただし、恋愛に決定的な運命の出会いを感じるのは若い頃に固有のことかもしれません。

愛し方を知っている女性の姿はたくましく思えます。

作詞を担当するTIGERはこの先も安室奈美恵に新しい時代の女性像を重ね合わせるのです。

TIGERは安室奈美恵よりも一回り年上の世代。

彼女自身の夢や理想の女性を眩しく輝くスター歌手・安室奈美恵に投影しているのでしょう。

ブラック・コンテンポラリーやソウル・ミュージックの歌詞にあるようなゴージャスで肉感的な愛の風景。

日本的な旧い情緒とは相容れないような作風で恋愛ソングの新世代を表現しました。

FAST CAR

クルマのスピードを上げてゆく際に感じる危険な万能感で恋愛も支配する女性。

安室奈美恵の凄さはこうした新しい世代の歌詞を自分のものにできる歌手としての力量にあります。

歌い続けることも素晴らしいことですが、枯れる前に潔くマイクを置いたことでいつまでも記憶に遺る。

安室奈美恵と制作陣がともに生み出した作品は永遠に色褪せない若さを表現します。

彼女が遺した余韻にずっと浸っていたいと改めて感じ入りました。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。

OTOKAKEで振り返る安室奈美恵の軌跡

アルバム「FEEL」から