正しく生きていても上手くいくとは限らないし、ずるい生き方をして不自由なく暮らすひともいます。

それを理解しながら、それでも少しずつであっても物事が良い方に向かうと信じて『君』は正しく生きようとしているのです。

そんな素敵な生き方をしている自分を許して、愛してあげてほしいと『僕』は願っているんですね。

最後に

UVERworld「一滴の影響」歌詞の意味を紐解くの画像

『一滴の影響』という言葉の真意とは

『一滴の影響』の歌詞を一通り見てきましたが、気になるのは歌詞の中盤にある一節です。

バタフライ 蝶が羽ばたく 裏で起こす台風
一滴の潮騒が 彼方を闇に包む

出典: 一滴の影響/作詞:TAKUYA∞ 作曲:彰・TAKUYA∞

タイトルにもなっている『一滴の影響』=「ほんの些細なことでも、何か大きな変化を生み出すこともある」ということを象徴しているフレーズですね。

『蝶が羽ばたく』『一滴の潮騒』そんなささやかなことが、裏では台風を起こしたり、どこか遠くの場所を闇に包んだりと、なんだか良くないことを引き起こしています。

不穏でしょうか。しかし他の箇所にあるのは『君』にそっと寄り添うようなやさしい言葉の数々です。

この部分のひとつ前に『幸か不幸かは感じ方次第』というフレーズがあります。

それを参考にすれば『台風』や『闇』が必ずしも「よくないこと」の象徴ではない可能性もあります。

しかし。

こんなことが起きるのならば、逆に言えば、ほんの些細なキッカケでとんでもなく良い事が巻き起こるかもしれない、という可能性を示唆している、と考えられませんか?

直接的に書いてしまえば、ちょっと都合が良すぎるだろうと思われそうですが、だからこそ暗に示しているのかもしれませんよね。

ちっぽけかも知れないようなきっかけでも、その後どう転んでいくかなんてことはわかりません。

けれどこの歌に書き綴られたやさしい言葉たちは、ただ優しいだけではなく希望を夢見ることも含めて、『君』の背中を力強く押してくれているのではないでしょうか。

『僕』とはそもそも何者なのか?

恨みを全部引き受けてしまおうと言う『僕』という存在。

一体全体どんなお人好しだと思ってしまいそうですが、私の至った結論は「何者でもない何か」でした。

いつも『君』を見ている「何者でもない何か」は、きっと神様のような途方もない存在なのではないでしょうか。

救いの手を差し伸べてくれるわけではありませんが、そんな大きな存在のせいしてしまえば「ああこれはしかたのないことだったんだ」と区切りをつけて前を向くことだってできると思います。

助けてはくれません。でも、『僕』のせいにして良いよと受け入れてくれる、そんな存在。

別に神様として認識しなくても、たとえば空でも、たとえば運でも、そういう抗えない何かでいいと思います。

厳密に他の誰かにしてしまうより、きっとそれでいいのではないでしょうか。

『君』が――あなたが、自分で自分を縛り付けて、立ち止まってしまうことのないように。

そんな願いの込められた歌なのですから。

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