大切な人をかばうことによって自分が傷つくことになっても、いつも通りの僕でいる。
ここの歌詞の意味は、そんなニュアンスでしょうか。
大切な人を傷つけてくる人たちや周りの環境に主人公はうんざりしてます。
でも、それを表面には出さないようにしているのです。
恐らく、自分のため、そして大切な人のために、泣き言は言わないようにしているのでしょう。
自分が盾になるだけでなく、何事もないように振る舞うことを意識する主人公。
きっとこの主人公は、大切な人のためだったら強くなれる人なのでしょうね。
「集団心理の正義」には勝つことができない
大声を上げてみたって 届くわけがないんだ
集団心理の正義 どこへと向かってるのか?
そこで両手広げて 道を塞ごうたって
前を見ない人の流れ
止められない
出典: 愛しか武器がない/作詞:秋元康 作曲:バグベア
この主人公や大切な人は、どうやら大勢の人を相手に戦っているようです。
集団心理というものは、時に恐ろしいものへと変化します。
傍から見たら間違っていることでも、集団心理によってそれを行動に起こすことがあるのです。
学校のいじめなども、きっとこの歌詞の「集団心理の正義」に当てはまるのでしょう。
その「集団心理の正義」に向かって、主人公や大切な人が抵抗したところで勝ち目はありません。
とても悲しいですが、それが現実なのです。
主人公にできることは、かばうことだけ
(※)愛しか武器がない
愛しか戦えない
愛しか信じない
それでも諦めない
出典: 愛しか武器がない/作詞:秋元康 作曲:バグベア
だから主人公は、愛によって大切な人をかばうことを選んだのです。
どうせ勝ち目はないけど、大切な人だけは絶対に守りたい。
愛だけが自分の武器だと思ったから、大切な人を愛情で包み込むと決めたのでした。
悲しくも美しい愛に、なんだか感動しちゃいますね…!
なぜ主人公たちは抵抗しないのか
何にも武器がない
何にも偽(いつわ)らない
何にも恐れない
僕は無抵抗だ
出典: 愛しか武器がない/作詞:秋元康 作曲:バグベア
言葉や暴力などで大勢の相手を抑え込むような力を主人公は持っていません。
だから「何にも武器がない」と歌っているのでしょう。
それに、抵抗したところで大勢の相手の反感を買うだけですし、さらに不利になるかもしれません。
「僕は無抵抗だ」といっているのは、これ以上不利な状況を生み出さないための作戦なのです。
今の状況を変えたい主人公
生きることとは (そう君に今 聞かれたなら)
願うこと (たとえ赤い血流そうと)
朝陽をまた見たい
(WOWOW…)
出典: 愛しか武器がない/作詞:秋元康 作曲:バグベア
ここから2番の歌詞に入ります。
1番では「大切な人のために自分が傷つくしかない」といった悲しい内容でした。
しかし、2番からはそんな自虐的な内容から少しずつ変わっていきます。
ここの部分の歌詞でも「朝陽をまた見たい」といった未来への希望を感じる言葉が入っています。
主人公は今の状況を何とか変えたいと思っているのでしょう。
「裏切り」に遭った主人公たち
報われないと (信じたものに裏切られて)
わかっても (誰を責めたってしょうがないんだ)
涙が止まらない
(WOWOW…)
出典: 愛しか武器がない/作詞:秋元康 作曲:バグベア
この主人公たちや大切な人は「裏切り」にも遭いました。
仲間だと思っていた存在に手のひらを返される。
それはとても辛くて悲しいことです。
実際に主人公もその裏切りによって涙を流しています。
それでも「誰を責めたってしょうがないんだ」と言い聞かせていますね。
この主人公はとても心が優しい人物なのでしょう。
「偽善」だといわれて自問自答する主人公
心までボロボロになって 自己嫌悪に陥る
曲げなかった信念 夢は折れてしまったか?
自分が誰かのために 何ができるかなんて
偽善的と非難されて
逃げ出したか?
出典: 愛しか武器がない/作詞:秋元康 作曲:バグベア
ここでは主人公が自分自身に語りかけています。
大切な人をかばう主人公。
しかし、その行為でさえ「偽善」と非難してくる人たちがいるのです。
その心ない言葉を受けて、自問自答をしているのが読み取れますね。