縦長の映像が特徴的なMV
「分かってないよ」のMVは、一般的なMVと比べて珍しい「縦長」。
主人公と彼女、両方の顔を比較するように映し出しているのが特徴的です。
この曲の登場人物は皆、自らの恋愛に向き合い、それぞれの答えを出した人たち。
それぞれの想いは交わり合い、最後には別々の道へと離れていってしまうのです。
主人公たちはもちろん、聴き手も祈るような気持ちで恋の終わりを見守ることになる本曲のMV。
去ってゆく彼女の後ろ姿に、思わず胸が締め付けられてしまいます。
これまでにうまくいかなかった恋愛を思い出し、ふと涙がこぼれてしまう……。
ポップなメロディーに込められた「切なさ」が、多くの人の心を掴んだ理由といえるでしょう。
嘘で塗り固めた幸せ
終わった恋の話ばかり
随分前にさ
出会ったあの頃、あの子のことでさ
私「サイテー」なんてさ
隙あればあの子のことでうんざりさ
出典: 分かってないよ/作詞:WurtS 作曲:WurtS
歌い出しの部分で登場し、主人公と共に楽しそうに笑うショートカットの女性。
主人公にとっては現在の彼女になりますが、出会った当初話すことといえば「元カノ」の話ばかりでした。
彼女と元カノは元々知り合いだったのでしょう、ロングヘアの女性を見つめて怪訝そうな顔をする彼女。
口を開けば元カノのことばかりな主人公を見て、彼女は主人公が元カノに未練があることを悟ります。
そんな主人公の心を知っていながらも、そばに居続ける彼女。
クールな印象の元カノと自分を比べ、何だか自分が劣っているような気持ちになってしまいます。
次第に彼女の口からも、自分を卑下する言葉ばかりが飛び出すように……。
お互いにメリットなど何もないのに、元カノの話が尽きることはありません。
理解なんてできない
あれから時間は経って
あれから君は泣いて
「君は理解者」なんて言われても
何も分かってないよ
出典: 分かってないよ/作詞:WurtS 作曲:WurtS
付き合い始めてから随分時間が経ち、次第に元カノの話をしない時間も増えてきた2人。
主人公に心を許し始めた彼女は、時には涙を見せることもできるようになります。
彼女にとって主人公は、どんな自分も受け入れてくれる大切な存在。
そのことをしっかりと口に出して伝えているにもかかわらず、主人公の気持ちは異なっているようです。
「自分のことを理解者だなんて、何も分かっていないんだな……。」
そう、主人公は今でも元カノのことを想い続けているのです。
本当は成り行きや情で一緒にいるだけで、彼女のことを理解したことなどほとんどないはず。
それでもこの状況に満足している彼女に向けたフレーズなのです。
2人の間で揺れる想い
小さな願いでさえも
分かってないよ
きっと何もかも変わらないよ
ずっと「そばに居たい」なんてこと言われても
分かってないの?
出典: 分かってないよ/作詞:WurtS 作曲:WurtS
他には何もいらないから、せめて隣にいてほしいと願う彼女。
それは主人公の心が自分にないことを知っているからに他なりません。
しかし、その唯一の願いでさえも叶えることができない主人公。
もう気がついているだろう、僕が好きなのは君じゃない……。
そう伝えれば楽になるかもしれないけれど、そんな勇気はこれっぽっちもありません。
頭の中で元カノを思い描きながら、彼女を頭の隅に追いやっている毎日。
しかし実際に行動できない自分にも、嫌気が差してしまっているのです。
どんなことをしても
変わらないよずっと
何もかも変わらないままの現実は
「夜を明かしたい」なんて顔しても
分からないよ
出典: 分かってないよ/作詞:WurtS 作曲:WurtS