変わらないのは元カノへの想いであり、何も言い出せないままずるずると続くこの関係のことでもあります。
もう2度と復縁できないならば、いっそ諦めて彼女を幸せにしてやりたい……。
そう思っても、気持ちが元カノへ傾くのを止められるわけではありません。
では彼女と別れられるのかと聞かれれば、答えは「NO」。
自分のことを好いてくれているであろう彼女を手放すには、少し寂しすぎるのです。
思い切って一夜を共にする覚悟をする彼女。
それでも、主人公の想いは変わりません。
ひたむきな彼女とどっちつかずの主人公に、思わずハラハラさせられるサビとなっています。
自分さえ行動できていたならば
嫌いになってもらえたら
随分前にさ
出会ったあの頃、あの子のことでさ
僕は「サイコー」なんてさ
向き合えば君は僕を嫌うかな?
出典: 分かってないよ/作詞:WurtS 作曲:WurtS
主人公の前に彼女が現れ、心が揺らぐのを感じていた元カノ。
最後にギュッと抱きしめてさよならを告げたあの日、元カノは自分から身を引いて出て行ったのです。
自分1人を見てくれないのならば、一緒にいるわけにはいかない……。
まだ好きだという想いをぐっとこらえてドアを閉める元カノは、主人公よりも強い心を持っていました。
しかし、自分から彼女に別れを告げることのできない主人公。
元カノと過ごした日々を「最高」と表現したならば、彼女はきっと悲しむはずです。
そうやって悲しみを与えていけば、いつか嫌いになって離れてくれるだろう……。
そんなずるい考えが浮かび、主人公の頭を埋め尽くします。
本当は理解したかった
サビに向かう際、メロディーにかぶせるように「分かってないよ」というセリフが挿入されています。
サビの歌い出しでかき消されてしまうこのセリフ、どこか「分かってるよ」にも聞こえる歌い方。
本当はいつだって元カノや彼女に寄り添いたくて、その全てを理解したかった主人公。
しかし建前で「分かってるよ」といったところで、彼女たちの心は動かせないのです。
ぼそっと呟くようなその言葉は、当然彼女たちには伝わりません。
主人公も本当は、影で歩み寄ろうと行動していたのです。
ようやく気づいた本当の気持ち
でもそれでも会いたくて
何がなんでも話したくて
頭の中を駆け巡れ
出典: 分かってないよ/作詞:WurtS 作曲:WurtS
元カノのことが頭から離れない主人公に、愛想が尽きてしまった様子の彼女。
「別れよう」と口に出し、主人公の元を去っていきます。
このまま一緒にいても、自分はもちろん主人公にとっても辛い毎日が待っているだけです。
例え元カノと一緒になる未来がないのだとしても、もう自分は身を引こう……。
頑張って頑張って、頑張り尽くした彼女の最後の行動でした。
目の前からいなくなった彼女を想い、思わず追いかけてしまう主人公。
この時初めて、主人公の頭の中は彼女のことでいっぱいになります。
しかし、彼女の表情が明るくなることはありません。
この先どんな手を使っても自分のことを1番に想ってくれることなどない……。
悲しい未来が分かっているからこそ、必死に主人公の手を振りほどくのです。
できるのならばその手を取り、また一緒に歩き出したいと願っていたはずの彼女。
そんな純情な彼女を手放してしまったのは、他でもない自分でした。
来るべくしてやってきた別れ
初めて告げた愛
分かっていたいよ
君の何もかも分かりたいよ
ずっと「そばに居たい」
「会いたい」を口にして
出典: 分かってないよ/作詞:WurtS 作曲:WurtS
彼女に別れを告げられて初めて、彼女への愛を口にすることができた主人公。
でもその言葉は全て、口に出すには遅すぎるものばかりでした。
楽しい1日を過ごそうとも、いつだって自分を見ていない主人公に我慢してきた彼女。
そんな切ない感情に、最後の最後でようやく気がつくことができたのです。
最後に吐き出したのは、主人公がずっと抱えていた「願望」でした。
ずっと彼女をおざなりにしながら、どこかで理解したいと願っていた主人公。
彼もまた、元カノを忘れようと奮闘していたのです。