社会の既成の価値観は日毎に更新されます。

それなのに職場や学園、そして家庭では旧い価値観がそのままに残されていることもあるはずです。

「Hot Girls」はそうした旧い価値観に服従したりしません。

果敢に自身の信じる価値観を掲げてしなやかに旧い概念をすり抜けてゆくのです。

触れたら火傷しそうなほどに熱い彼女たちの新しい価値観が旧い世界を刷新します。

古代の女性中心の社会を別にすると、長らく女性たちは歴史の脇役に追いやられていました。

しかし資本主義は働き手として女性たちを家庭から職場へと引きずり出します。

最初は男性中心だった労働の現場に女性たちも進出してくると世界は変わり始めました。

女性にとってもより働きやすい職場にするための要求が高まってきます。

女性はただ奴隷労働のために職場に駆り出されたのではない。

こうした訴えの中から女性の地位向上のために様々に施策が巡らされました。

しかしこうした動きは一部の先進国の中だけで留まっています。

日本社会はもともとの後進性を捨てきれずに「Hot Girls」に眉をひそめていました。

しかしエンターテイメントや芸術文化の世界では女性の進出が早くから進みます。

オノ・ヨーコなどが世界の文化を変えようと必死に闘いました。

安室奈美恵はこの伝統の中で咲いた花のように「Hot Girls」を賛美します。

女性の魅力で世界を動かしてみせると彼女は果敢に歌い上げたのです。

女性たちが世界を回す

安室奈美恵【Hot Girls】歌詞の意味を和訳&解説!世界を回すのは…?ガールズパワーを感じよう♪の画像

Make the world go round
Make the world go round

出典: Hot Girls/作詞:Miriam Nervo Olivia Nervo Michael Dennis Smith Stefanie Ridel 作曲:Miriam Nervo Olivia Nervo Michael Dennis Smith Stefanie Ridel

「世界を動かして

世界を回して」

私たちは世界を回している自覚もなく自転する地球で暮らしています。

ここでの世界は地球規模のものではあるのですが社会の在り方を指すのです。

世界中にある様々な規模の社会すべてをいかした女性たちで動かしてゆこう。

家庭も社会、職場や学園も社会、自治体も国政も社会、国際交流も社会。

そうした細分化された社会のすべてをいかした女性たちで回転させられたならば。

こうした革命が進むことで人類は新しい段階へと一歩も二歩も前進できます。

社会の外縁にいた人々が世界の中心へと進出します。

この流れは歴史的な必然ですので止めようがないのです。

しかし必然とはいっても自覚的に回転を早める必要があります。

「Hot Girls」はその先頭に立つ旗手たちなのです。

いかした女性たちの企て

安室奈美恵【Hot Girls】歌詞の意味を和訳&解説!世界を回すのは…?ガールズパワーを感じよう♪の画像

「Hot Girls」の狙いが鮮明になります。

びっくりするかもしれませんが見届けましょう。

女性上位時代を認めなさい

They make the party rock all night
They make 'em guys all wanna fight
Hey just admit it
Admit it

出典: Hot Girls/作詞:Miriam Nervo Olivia Nervo Michael Dennis Smith Stefanie Ridel 作曲:Miriam Nervo Olivia Nervo Michael Dennis Smith Stefanie Ridel

「彼女たちが一晩中パーティーを揺り動かす

彼女たちは男どもの闘争心を焚きつける

ねえ、このことをまるごと認めなさい

この事実を認めるのよ」

かつての時代には男女間に主従関係のようなものがありました。

しかし時代の変遷の中でそうした力関係も変わりつつあります。

パーティーの華はあくまでも女性でしょう。

「Hot Girls」を巡って男性たちの情けない闘争が生まれます。

魅力を持っているのはあくまでも女性たちであり、むしろ男性は蜜に吸い寄せられたハチのようなもの。

一度、恋愛関係になると図に乗るのが男性の習性ですがこうした傲慢さが原因で別れを切り出される時代。

安室奈美恵はこうした事実を男性たちが承認することを求めているのです。

「Hot Girls」の魅力に男性たちは逆らえません。

それならば主従関係も逆転して構わないでしょうし、少なくとも平等かつ対等な関係が理想でしょう。

日本も戦後になって初めて婚姻が両性の合意によるものと規定されて男女の形も変わります。

それでも男性社会は依然として遺るのです。

しかしもはやそんな時代じゃないでしょう。

世界を動かしているのは「Hot Girls」たちだと安室奈美恵は歌っています。

上から目線で注文する

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They wearing all them little skirts
That make the gentleman work
Hey just admit it
Admit it

出典: Hot Girls/作詞:Miriam Nervo Olivia Nervo Michael Dennis Smith Stefanie Ridel 作曲:Miriam Nervo Olivia Nervo Michael Dennis Smith Stefanie Ridel

「彼女たちはすべてミニスカートをまとい

紳士たちを働かせているの

ねえ、このことをまるごと飲み込みなさい

この事実を認めるのよ」

関係性の変化に気づいて欲しいと歌います。

それもかなり上から目線で注文するのです。

男性は女性からあれこれ指示されることにまだ抵抗感を強く持っているかもしれません。

しかしそんな価値観は旧すぎるから今すぐゴミ箱に捨てなさいくらいの提言をします。

現実の職場などでは女性の社会進出に遅れがあるかもしれません。

しかしエンターテイメントや芸術文化の世界では女性アーティストが市場を席巻します。

安室奈美恵も日本のトップシンガーでありました。

社会の新しい側面を敏感に反映するのが芸術文化の世界です。

新しい時代はすでに到来しているのでしょう。

あとは男性たちがこの事実を認められるかどうかです。

こうした傾向に抗う人々はおそらくこの先の歴史の進展から取り残されるでしょう。

宗教的な規範を持つ人たちは保守的な観念から抜けきれないかもしれません。

しかし現代は宗教よりも資本の要求こそが社会を動かしています。

資本の要請は行き過ぎると社会の中に格差を生みますが、男女の格差については縮小させるのです。

勝ち組・負け組の分類の際に男女の区別がなくなってきました。

男女間の格差を縮小するのは上述したとおり働き手として女性を家庭から引き剥がす資本の習性です。

発展のために絶えず新しい働き手を職場に投入しないと資本主義は成り立たないのでしょう。

それならば「Hot Girls」の勝利は歴史的な必然なのです。

このことをまるごと承認できない男性はむしろ社会に置いてゆかれる存在になるはず。

今や女性がいないオフィスは珍しいでしょう。

このことは何かの思想のようなものに裏付けられたものではないのです。

ただただ歴史が、世界がそのように回転したよという事実に裏付けられます。

男性たちへ告ぐ

安室奈美恵【Hot Girls】歌詞の意味を和訳&解説!世界を回すのは…?ガールズパワーを感じよう♪の画像

女性から男性への提言が鮮明です。

その内容に耳を傾けましょう。

もっと内面を重視して欲しい

Now don't be telling me no lies
I know you don't see what's inside

出典: Hot Girls/作詞:Miriam Nervo Olivia Nervo Michael Dennis Smith Stefanie Ridel 作曲:Miriam Nervo Olivia Nervo Michael Dennis Smith Stefanie Ridel