「アイオクリ」の情景

青春の風景と自転車

【miwa/アイオクリ】歌詞の意味を解説!青春感漂う歌詞が感動的…!「君100」の世界観にもリンク♪の画像

2人自転車こいで並んで競った帰り道
次は負けないからね また一緒に帰ろう
私の言葉に君がのせるメロディー
今しか出せない音だから 君と奏でたい

出典: アイオクリ/作詞:miwa 作曲:内澤崇仁

自転車のある風景はいかにも青春です。

北野武監督「キッズ・リターン」では男性同士が自転車にふたり乗りで会話を交わす場面があります。

この場面を映画評論家の淀川長治が激賞するのです。

自転車であるところがいい。これがバイクでは台無しだった

淀川長治はそう強調しました。

それほど青春の風景には自転車が不可欠なのです。

男女には体力差がありますので女性が負けてしまうのは仕方のないことでしょう。

それでも結果は予想できても構わない。

競り合うことの勝ち負けが目的ではないですから。

青春期にこんな恋愛ができた人は羨ましいです

コラボ曲も好むmiwa

映画「君と100回目の恋」の中でmiwaと坂口健太郎は同じバンドの仲間です。

「The STROBOSCORP」のメンバー

どちらもギターを弾きますがmiwaがアコースティック・ギター、坂口健太郎がエレキ・ギターです。

劇中ではmiwaが演じる日向葵海が歌詞を書き、坂口健太郎が演じる長谷川陸が作曲します

この設定を踏襲したのでしょう「アイオクリ」も歌詞はmiwaですが作曲andropの内澤崇仁です。

作詞作曲をすべて担える能力をもつmiwaですが今作などコラボも好むのでしょう

アルバム「SPLASH☆WORLD」はコラボ曲が満載です。

合作・共作にはひとりでの仕事にはない喜びがあるのでしょう。

「アイオクリ」が愛される理由

多くの人に通底する心模様

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神様がくれたかけがえのない時
たとえすべて失ったとしても
めぐりくる季節 あおい海のそばで
君と過ごした日々を忘れないよ

出典: アイオクリ/作詞:miwa 作曲:内澤崇仁

青春期の恋愛ほど人生にとって至高の想い出はないです。

いろいろな姿の恋愛があったでしょうがどれもその後の人格形成に深い影を落とします。

元々、社会性をもって生きる人間にとって本当の人生はむしろ青春期以降かもしれません。

青春期はのちの本当の人生を決定付ける重要な期間です

その青春期に充足した愛を育めた人は概ね人と人をつなぐ社会性とは何かを身をもって学習します。

ただし上述しましたが青春期の愛は脆く持続性に欠ける側面があるのも事実です。

儚い夢のような時間と経験であったからこそ貴重な想い出に変換されるのでしょう。

日常性が溶けてしまった稀少な恋愛には自身の中で無意識に特別な価値を与えてしますのです

こうした心模様は多くの人に共通するものだと想います。

一緒に過ごした景色とともに回想されるというのもよく分かるもの。

こういう共感を呼びやすいところがmiwa歌詞に支持が集まる理由でしょう。

いつかは青春を卒業するけれど

坂口健太郎とのユニゾン

【miwa/アイオクリ】歌詞の意味を解説!青春感漂う歌詞が感動的…!「君100」の世界観にもリンク♪の画像

何度もたどった時間 2人で巻き戻したレコード
君を守りたいんだ
もしも願い叶うのなら
ひとりになんてしないから
ずっとその手つないでいて

出典: アイオクリ/作詞:miwa 作曲:内澤崇仁

W主演の坂口健太郎の歌唱が聴けます。

レコードというのがいいです

CDやダウンロードでは得られない経験ですから。

自転車やレコードなど懐かしいアイテムを登場させる辺りがmiwaのセンスが光るところでしょう。

ここで坂口健太郎とmiwaがユニゾンで歌うことでふたりの想いが完璧に一致していることが示唆されます

きちんと意図した演出でしょう。

映画のファンの方や坂口健太郎のファンの皆様にとっては得難い幸福を感じるラインになっています。

お互いが同化する恋愛

若い頃の恋愛は大人になってからのものと較べてお互いの意識が同化しやすい傾向があります

相手の一挙一動に自分の想いを重ねるのですからふたりの想いが一致してゆくのも当然かもしれません。

大人の恋愛はお互いの違いを尊重しないと成立しませんが青春期の恋愛はまだまだ幼い性質があります。

自分と相手を同化して一体感を育み成長させるのがこの時期の恋愛や人格形成の特徴です

いつまでもこうした恋愛はできるものではありません。

いつかは卒業してしまう恋愛の仕方です。

だからこそ懐かしく愛おしく想い返せる時代なのでしょう。

永遠になる恋