【阿部真央/愛してほしい】歌詞解説！愛してほしい「貴方」は恋人？切ないふたりの関係性を紐解く！

”夢”、”無いものねだり”。この箇所には、いろんな言葉が代入できると思います。

寂しいと感じるとき、彼／彼女は何を追いかけているのか？

虚しいと感じるとき、彼／彼女はどんな姿勢か？

自己投影できるAメロで没入感を強くする――阿部真央のテクニックが垣間見えます。

早速、脱線してしまいました。ストーリーに話を戻します。

曲中の”私”は、”貴方”との精神的な距離に苦しんでいます。

物理的な距離が近くても心の溝を埋められない、そんなやるせない状況にあるようです。

１行目の歌詞から、”私”は”貴方”との距離を埋めようともがいている様子が想像できます。

自分の気持ちを伝えたい、相手の気持ちを理解したい――。

ふたりは何度も話し合いを重ねているはずです。

理解したくて理解されたくて、だけど言葉にして伝えても気持ちは一向に伝わらない。

そんなすれ違いがあるように思います。

”私”が曲中で一貫して求めているのは、２行目の「愛してほしい」という気持ち。

”私”はなぜ「愛してほしい」と思い続けられるのでしょうか。

この点に着目して、歌詞を紐解いてみましょう。

冒頭から、”私”は”貴方”と物理的に近いところにいても心はずっと離れていることを歌っています。

それを裏付けるのが１行目の歌詞。

つまるところ、”貴方”が一体何を考えているのかわからなくて、心の距離を感じているということだと思います。

だから一緒にいても寂しさはなくならない。

互いを理解し合えないというのはとても寂しいことだと、筆者は思います。好き同士だからこそ尚更。

理解し合う為の努力はしているようですが、空回りしてかえってふたりの心が離れて行く。

そんな状況がこの歌詞から想像できます。

お互いを理解し合えない、距離が埋まらない。そんな状態が長く続くとふたりの関係性はどうなるか？

言わずもがなですね。曲中のふたりが一番理解していることだと思います。

1行目・2行目で、”私”は自分たちの関係がもう終わりに近いということを悟っています。

しかしそれを受け入れるつもりはないように筆者は思います。

それは曲名でもある、この曲のキーワード。「愛してほしい」という気持ちが”私”の中にまだ残っているから。

すれ違いが続き、とてもつらい状況にあるのは確かでしょう。

しかし、曲全体を通して”私”が諦めるような描写はひとつもありません。

寂しいし虚しいし悲しい。それでも”私”は求め続ける。

その理由は、”私”が”貴方”を心から愛しているからだと筆者は思います。

「愛してほしい」という気持ちの裏側には、「愛している」という気持ちがある。

”貴方”のことを大切に思うからこそ、”私”にもその気持ちを向けてほしい。

切なさが綴られた歌詞を紐解いていくと、そんなひたむきな”私”の心情が曲の根底にありました。

記事タイトルにあるクエスチョンを紐解いていきましょう。

愛してほしい「貴方」は恋人なのか？

筆者は「YES」だと思います。

歌詞解釈でもお話しましたが、ふたりは恋人同士。ただし、その心は離れつつある――。

そんな状況だと思います。

恋人というより、長く連れ添った夫婦という方が近いかもしれません。

みなさんはどう感じられたでしょうか。想像しながら改めて聴いてみると、また胸がちくっと痛みます…。

ふたりの関係は今後どうなっていくでしょうか？

ここからは完全に筆者の想像でしかありませんが、筆者は「これからも一緒に居続ける」と考えます。

小見出し【「貴方」ってだれのこと？】で少し触れましたが、恋人よりも夫婦のような関係性だと思います。

簡単に別れる・離れるという選択肢ができる程ふたりの関係は浅くない。

”私”の中には、”貴方”に対するものすごく深い愛情が残っている。

そんな風に感じますが、いかがでしょうか？

”私”は自分の心にある寂しさや嘘を抱えながら、きっとその手を離すことはしないんだろうと思います。

”貴方”はきっと相変わらずだけれど、それでもずっと”貴方”の愛を求め続ける。

何故なら、”貴方”のことをただただ愛しているから。

曲中の”私”はそんなひたむきな女性ではないかと筆者は感じました。

アナザーストーリーを想像してみるのもまた一つの楽しみ方。

あなたの中で、このふたりはどうなっていくでしょうか？