時が過ぎても、まだ前を見れず……。
あれから時が過ぎたのに何故?
未だ変わらずに ずっと 待ち続けるの?
携帯電話のメモリーを消した君への想いと共に
これで気持ちの整理つけたつもり 出来るはずなんてないのに
楽しかった君との思い出が胸を締め付ける
共に笑う写真が僕を見つめる
「ごめんね」まだ前を見れず
出典: サヨナラから始めよう/作詞:GReeeeN 作曲:GReeeeN
この曲は、「俺」が「君」から振られてしまったストーリーだと筆者は解釈しています。
冒頭の「何故?」は、自分自身(俺)への問いかけでしょう。
「待ち続ける」というのは、「君」からの連絡でしょうか。あるいは「君」が戻ってきてくれること。
「もしかしたらまた連絡が来るかもしれない」、そう思っているうちに長い時間が過ぎてしまったのでしょう。
さらに、最後の行の「ごめんね」という描写がストーリーに深みを与えています。
「ごめんね」と言ったのは「君」。その言葉を言われたとき、「俺」は何の言葉も返せず、向き合いもせずただ俯いていたのではないでしょうか。
後半の「まだ前を見れず」というフレーズがその証拠です。
この俯いている姿が、携帯電話の写真を見ている様子と重なり、時間の経過に反して「俺」自身が変わっていないことを強調しています。
どんな俺なら、離れなかった?
わかってるよ これじゃだめだって
わかってても 今はむりだって
まだ自分に言い訳して 楽な方に流されているだけで
こんな俺だから 君離れた
どんな俺ならば 君離れないの?
まだ出会いを 信じれないよとバカな事を言ってたよ
出典: サヨナラから始めよう/作詞:GReeeeN 作曲:GReeeeN
「変わっていない」という現状に対して、「俺」自身は「これじゃだめだ」とわかっています。
しかし、「今はむり」と言い訳して「楽な方に流されている」。楽な方というのは、「連絡を待ち続けること」だと思います。
その行為は、「きっと戻ってきてくれる」「きっとまだ気持ちが残っているはず」という「君」に対する甘えがあるからやってしまうのだと思います。
中盤で「こんな俺だから」というフレーズがありますね。そのフレーズが意味するのは、「「君」に甘えてしまう「俺」」だと思います。
じゃあ、「どんな俺」なら良かったのか。その答えを「君」は教えてはくれなかったのでしょう。
だから「俺」は悩んでいるんですよね。きっと教えなかったのは「「君」が与えてくれた試練」なのかもしれません。
「最後くらい、甘えないでよ。自分で考えてよ」そんな心の声が聞こえてきそうです。
「俺」は、自分で考えて変わっていかなければいけません。
風が吹いて、そして……。
今は少し あの日々が懐かしくて 泣いてたよ
だけど君が残した答えが見えてきた気がするよ
あれから時が過ぎて少しだけ
見えた答えはきっと 君に届かない
きっとこのままで 一人生きてくと 思っていたけど 風が吹いたよ
出典: サヨナラから始めよう/作詞:GReeeeN 作曲:GReeeeN
待てど暮らせど「君」からの連絡は来ない。
日々「どんな俺」なら良かったのかを考え悩みながら、「あの日々」がどんどん懐かしいものになっていきます。
きっと相当な時間が経ってしまったのでしょう。
過ぎた時間とは裏腹に、「俺」が見えるようになった「どんな俺なら良かったのか」という答えは、少しだけ。
「君に届かない」というのは、ここまで来るのにあまりにも時間が経ちすぎてしまったことを意味しているのだと思います。
もう少し早く気づけたならもしかしたら……。時すでに遅し。
「このままで一人生きてく」というフレーズでわかるのは、「君」はもう本当に戻って来ないんだと確信したということ。
歩き出そう。
あの日気付いた 逃げていたんだね
少し辛いかもしれないけど歩き出そう
あれから時が過ぎて解った
「ありがとう」もう言えないけど、、、幸せでした
出典: サヨナラから始めよう/作詞:GReeeeN 作曲:GReeeeN
「逃げていた」というのは、「君がもう二度と戻って来ない」という事実から。
心の奥底ではわかっていたのだと思います。でも信じたくなくて、受け入れたくなくて。
ずっと目を背けて「きっと戻ってくる」と盲目に信じて待っていた。
そうしていればきっと「君」が見かねて戻ってきてくれるはずだ、と。どこまでも「君」の優しさに甘えていた。
信じて待っていれば受け入れたくない事実を見なくて済む。ダメだとわかっていても、そのまま変われなかった。
でもどれだけ時間が経っても「君」は戻ってきませんでした。そしてようやく、「俺」は歩き出す決意をしたのです。
事実を受け入れて、素直になって、ようやく「ありがとう」と思えるようになったのに、それを「言えない」。
つまり、「伝えられない」ということでしょう。「君」は、本当に手の届かないところまで離れてしまったんですね。
「歩き出そう」というのは、この恋と決別するということ。
結局「ありがとう」も言えないまま、恋は終わってしまったんですね。
悲しい失恋から一歩を踏み出すために……。
どれだけ時間が経っても、失われた恋はずっと心の奥底に残っているものです。
「失恋から一歩を踏み出す」ことは、決して忘れることだけではありません。
「その恋はもう二度と戻らない」という事実を受け入れるというのも、踏み出す一歩のうちの一つだと筆者は思います。
失恋からの立ち直り方はひとそれぞれ。どんな形で、自分の一歩を踏み出すのか……。
この曲と一緒に、考えてみるのもいいかもしれませんね。
さいごに。
いかがでしたでしょうか。
今回は、GReeeeNの涙を誘う失恋ソング「サヨナラから始めよう」をご紹介しました。
人を好きになる気持ちって、とっても幸せだけど、同時にとっても苦しいものでもありますよね。
思いっきり泣きたくなったら、この曲を聴いてみてください。