わざと忙しい日々を送ろうとする主人公

忙しくして 忙しくして
間あかないように つぎからつぎ
頭のなかも 忙しくして
あのひとのこと 考えないように…

出典: なみだの日/作詞:lecca 作曲:lecca

冒頭部分で歌われるのは、矢継ぎ早に埋められたスケジュールをこなす主人公の様子。

どうやら彼女は自分から進んでその忙しさを選んでいるようです。

その理由は「あのひとのことを考えないように」するため。

失恋を引きずっているとき、じっとしているとそのことばかり考えてしまって苦しくなってしまいます。

気持ちを紛らわすために敢えて予定を詰め込むという行為に覚えがある方も多いのではないでしょうか。

忙しさは一時的な誤魔化しにしかならないけど…

いま止まったら赤ん坊みたいに 泣いてしまうからDon't stop, buddy
いつになったらあなた以外に 強く深くLove somebody
でもあなたを好きになったことまで消してしまいたくはないから
歯を食いしばって 上を向いて 泣く暇もないくらい休まずに

出典: なみだの日/作詞:lecca 作曲:lecca

「buddy」というのは「相棒」という意味ですね。

彼女が詰め込んでいる予定というのは、友達と過ごす時間のことなのでしょう。

忙しさで辛い気持ちを誤魔化したとしても、それは一時的なもの。

いくら忙しくしていたって、別れた彼を完全に忘れられることなんてないでしょう。

もし次の人を好きになれたのなら、きっと今の辛い気持ちを忘れることも出来ます。

でも今感じている辛い気持ちはそれだけ彼のことが好きだったからこそのもの。

そこで別の恋に走ろうとすることで、忘れられないというその気持ちを主人公は無下にしたくないのでしょう。

辛いけど別の恋には走りたくないという複雑な感情が、彼女を忙しい日々に駆り立てているのですね。

付き合っていた頃に想いを馳せる主人公

恋に落ちたあの頃の私はいつにも増して舞い上がっていたな
二人一緒にいないときもあなたは私を想ってると思ってた
街中歩くときももう一人じゃないこと 誇らしくて
みんなに言いたいくらい My boy is so perfect, he is the one!
心で叫んでた

出典: なみだの日/作詞:lecca 作曲:lecca

ここでは付き合い始めた頃のことを思い出す主人公の様子が描かれています。

別れたばかりの頃などは特にこういうことを思い出してしまうものですね。

二人がすごく仲の良いカップルだったこともその語り口から伝わってきます。

「My boy is so perfect」…「私の彼氏は完璧!」だなんてお惚気もいいところです。

恋は盲目とはよく言ったもので、好きなら本当にそう見えてしまうんですよね。

その分別れたときのダメージも大きいものです。

これを越えれば強い自分になれる

こんな時がくることほんとは少しだけ
頭のどこかで気付いていたのに夢見ていたくて
It's the bottom of my life, これよりつらい日はもうないよ
だから今日を乗り越えよう ひとりで過ごすよりも

出典: なみだの日/作詞:lecca 作曲:lecca

別れが訪れるのは突然ということは少なくて、大抵はなんらかの前兆があるものでしょう。

彼の態度が少し変わったな…なんていうのは、好きで傍に居る恋人ならすぐに気付きます。

それでも相手が好きなら、関係が終わってしまうことを想像したい人なんていません。

主人公も別れるまではそのことを考えないようにしていたのでしょうね。

「It's the bottom of my life」…「これは私の人生の支えになる」

この辛い気持ちを乗り越えた自分はきっと何倍も強くなれるはずという想いがこの言葉に表れていますね。

ふたりのこれからを頭の中で想像してた私は
もう考えること何にもなくて ひまになるのを恐れてた

出典: なみだの日/作詞:lecca 作曲:lecca

付き合っていたころは二人の未来のことばかりを主人公は想像していました。

別れてしまった今、自分は何を考えたらいいのかというのがこの部分。

楽しみにしていたことが全てなくなってしまうのです。

心にポッカリ穴が開くというのは、こういうことを言うのですね。

別れに直面したときの主人公

君が私の前から去って行った日
私は生まれたての赤児みたいに
こわくてこわくて体縮めて
どう息をすればいいか分からなくって
このままいたら溺れてく 息が吸えなくて力つきる
あなたがいなくなったこの世界はなんと無駄なことにあふれてる
まだ話はあるし あなたにあげたいものもあるし
今日見たものを伝えたいし あなたナシでは味もしないし

出典: なみだの日/作詞:lecca 作曲:lecca

彼と別れた際に感じた絶望感がリアルに描かれていますね。

「溺れる」「息が吸えない」という呼吸に関する表現がその苦しみを如実にイメージさせます。

やはりそこは鋭い感性を持ったlecca。イメージを掻き立てる表現は秀逸ですね。

後半部分も別れた直後の虚しさがこれでもかと描かれています。

何を言っても戻ってこないとわかっていても、まだまだ説得したいという気持ちもそう。

「あげたいもの」というのは誕生日プレゼントなどでしょう。

「こんなことがあったよ」という報告も彼が居なくなってしまっては誰にすればいいのかわかりません。

何を食べたかも覚えていないぐらい彼を考えてしまう気持ちもわかります。