aikoの歌詞の魅力とは?
健気で切ない歌詞
aikoの魅力といえば、皆さんは何が思いつくでしょうか?
キャラクターとしてのaikoは、元気でポップでノリのよいイメージが強く、楽曲もロックで飛び跳ねるような印象を持っている人も多いように感じます。
しかし、今回注目するのは歌詞です。
その歌詞を見てみると、その物語の中には健気でまっすぐで胸を掴まれるような切なさを孕んだ言葉がふんだんに盛り込まれています。
aiko「シャッター」
シングルリリースはなし
収録アルバム情報
- アルバム「彼女」に収録
まず紹介するのは、2006年8月23日にリリースされた7枚目のアルバム「彼女」です。
「シャッター」は、このアルバムの1曲目に収録されました。
アルバムのトップを飾る1曲目というのは、アルバムのカラーを象徴する、また、印象付ける役割を担っています。
全14曲の収録曲の中、そのような大事なポジションに配置された「シャッター」は、aikoらしいノリのよい楽曲に切ない歌詞が乗ったミドルテンポの楽曲になっています。
このアルバムには、「キラキラ」などのポップな曲調のシングル曲が収録されているので、アルバムとしてバランスを取ったり、そこへ繋げていくのにはぴったりの1曲目ではないでしょうか。
また、「シャッター」はもちろんのこと、健気な切ない歌詞の楽曲が多く散りばめられたアルバムになっており、「彼女」というタイトルからも分かるように、特に女性に焦点を当てて制作されています。
そんなコンセプチュアルなこの作品は女性だけでなく幅広い層の支持を受け、オリコン週間、月間チャート共に首位を獲得し、aikoの人気の高さを象徴した1枚となりました。
- アルバム「まとめⅠ」に収録
そして、次に紹介するのは、2011年2月23日にリリースされたベストアルバムである「まとめⅠ」です。
「まとめ」と名の付いている通り、これまでaikoを総括したベスト盤になっており、実はこの作品がaikoにとって初めてのベストアルバムとなりました。
ベスト盤のリリースに関して、aikoは「出す必要がない」と頑なに拒んでいたそうです。
これは、常に新しいものを提示していきたいというaikoの気持ちの表れではないでしょうか。
このリリースに辿り着いた背景にはきっと色んな事情があるのではないかと考えられますが、ファンにとっては嬉しいリリースになったはずです。
デビューしてから13年という長い年月を凝縮したこの「まとめ」は、「Ⅰ」と「Ⅱ」の2枚組でのリリースとなり、それぞれ16曲ずつ、計32曲が収められました。
そして、「シャッター」は、「まとめⅠ」の7曲目に収録されました。
シングルでリリースされていないにも関わらずベストアルバムに収録されるというのは、それほどaikoにとってこの楽曲に思い入れがありファンからも人気があったのではないでしょうか。
また、オリコン週間チャートでは「まとめⅠ」が2位、「まとめⅡ」が3位と2作ともランクインを果たし、やはりファンはベストアルバムのリリースを待っていたと考えられます。
それでは、次にそんな「シャッター」の歌詞に迫っていきましょう。
「シャッター」の歌詞の意味を徹底解釈!
見つめ合い出逢ったあの日
一緒に帰った黄色の道 時を止めたかった
夏が終わってしまう合図が…
涼しい風と共に全部連れて行った
出典: シャッター/作詞:AIKO 作曲:AIKO
まずは、導入部分です。
過去を回想し、その思い出に浸るかのような冒頭になっています。
歌詞を読んでみると、季節は夏であり、思いを寄せた相手と「黄色の道」、つまり向日葵が咲き並ぶ道を歩いている様子がイメージできます。
しかし、「時を止めたかった」や「全部連れて行った」という言葉からは、どこか寂しさや後悔を感じる物語のスタートになっています。
あなたの前では擦り切れた靴のかかと気にしてばかりで
いつの間にか素直になるのを忘れてしまった
出典: シャッター/作詞:AIKO 作曲:AIKO
そして、そんなあなたと過ごしていた時のことを描きます。
「靴のかかと」ばかり見ている様子からは、ずっと下ばかり向いて俯いていることが想像できます。
ということは、あなたとの関係は決して良好なものではなく、同じ方を向けず、またちゃんと向き合ったり、話し合うこともできなかったのではないでしょうか。
それを「素直になるのを忘れてしまった」という言葉で表現しています。
切りすぎた前髪右手で押さえて少し背を向けた
嫌われたくないから
うつむくあたしをからかったあなた
今はそれもあたしの夢の中だけ
出典: シャッター/作詞:AIKO 作曲:AIKO