ASIAN KUNG-FU GENERATION「君という花」
2003年発売のメジャー2ndシングル
「君という花」は、2003年10月にASIAN KUNG-FU GENERATIONのメジャー2枚目のシングルとして発売された曲です。
大ヒット曲「リライト」よりも前に発売された曲、と言うと、この曲が彼らの本当に初期の作品だと実感してもらえるのではないでしょうか。それほど前の曲ながら、今でもASIAN KUNG-FU GENERATIONの代表曲のひとつとして根強い人気を誇っている一曲です。
ダブルタイアップを獲得したり、スペースシャワーTVの2003年10月度POWER PUSH!に選ばれるなど、当時まだ新人バンドだったASIAN KUNG-FU GENERATIONが大きな飛躍を遂げるきっかけになった曲です。
収録アルバム「君繋ファイブエム」
「君という花」は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの1枚目のフルアルバム「君繋ファイブエム」にも収録されました。
このアルバムには他にもシングル「未来の破片」が収録されたほか、「アンダースタンド」や「N.G.S」、「自閉探索」など、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの初期の名曲として人気の曲が多く収録されています。
オリコン週間チャートでは5位を記録し、自身初のオリコントップ10入りとなりました。日本レコード協会のプラチナディスク認定を受けるなど、ASIAN KUNG-FU GENERATION最初の大ヒット作となっています。
このアルバムで11曲目に収録された「君という花」は、フェードアウトで曲が終わるシングルバージョンとは異なり、完奏で最後が終わるアレンジとなっています。
「君という花」のエピソード
様々な偶然の積み重ねで生まれた曲
「君という花」はASIAN KUNG-FU GENERATIONの作詞作曲を務めるフロントマン・後藤正文自身の評価も高い曲ですが、その制作には様々な偶然が働いたそうです。
元々あった曲のストックをアレンジしながら「メロディの良い曲」を作ろうとして生まれたという「君という花」。その制作は予想以上にさくさくと進み、耳に残るメロディもあっさりと生まれたそうです。
後藤は自分自身でも「なんであんなスムーズにできたんだ」と思うほど順調に生まれた、ミラクルな一曲としてこの曲を語っています。
奥田民生によるカバー
「君という花」は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのレコード会社の先輩でもある奥田民生がカバーしたことでも知られています。
2004年に広島市民球場で弾き語りライブが行われた際、奥田民生はこの曲を弾き語りでカバーして披露しました。
ベテランアーティストの奥田民生が当時若手バンドだったASIAN KUNG-FU GENERATIONの曲をカバーしたというから驚きですね。
「君という花」の歌詞を紐解く
どこか奇妙な情景がくり広げられる歌詞
見え透いたフォームの絶望で 空回る心がループした
何気なく何となく進む 淀みあるストーリー
いつだって何かを失って その度に僕らは今日を知る
意味も無く何となく進む 淀みあるストーリー
つまりただそれ 砕け散っただけ
出典: http://j-lyric.net/artist/a0006b7/l002169.html
ASIAN KUNG-FU GENERATIONの歌詞は時に独特の世界観を見せますが、「君という花」の歌詞もそんな言葉選びが印象的なものとなっています。
一見意味を解釈しづらいこの歌い出しの歌詞は、日常の影の部分を歌っているのではないでしょうか。
「空回る心」「淀みあるストーリー」と、日常や自分の気持ちに違和感や歪みを感じながらも、日々は意味も無く淡々と過ぎていきます。
そんな情景が過ぎていく様は、気だるげなメロディやミドルテンポのリズムが合わさってどこか奇妙な光景に映ります。
見抜かれた僕らの欲望で 消えかかる心がループした
何気なく何となく進む 淀みあるストーリー
いつからか何かを失って 隠してた本当の僕を知る
意味も無く何となく進む 淀みあるストーリー
つまりただそれ 砕け散っただけ
つまりただそれ 風に舞っただけ
出典: http://j-lyric.net/artist/a0006b7/l002169.html
「何気なく何となく」と、あくまでだるそうに、無感動に日々は過ぎていきます。
その中で失ったものもあれば、新たに知ったものもあります。それでも変化も無く日々は続き、そこに意味はありません。