疲れてしまったよ 皆が好きだから
でももう止めだ 無理のないこと選んで 僕になろう
酷い言葉や醜い愛で はち切れそうな心濯いだら
優しい言葉やあなたの愛で また元気に歩かなくちゃ 行かなくちゃ
出典: 優しい言葉/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
次に「僕」は「疲れてしまった」という正直な気持ちを言葉にします。
好きな人たちが求める自分を演じ続けることに「疲れてしまった」のだと想像できますね。
そして「僕」は、そんなことはもう止めようと思います。
きっと今まではたくさん無理をしてきたのでしょう。
しかしこれからは「無理のないこと」を選び、「僕」らしく生きようと決意するのです。
サビの部分では、「はち切れそうな心」を洗濯する、という表現が。
この部分については曲のラストで解説していくので、いったん保留にしておきます。
「優しい言葉」にふさわしい人になりたい
好きだった「君」への懺悔
背中にくくった十字架 そっと一撫ぜしてみれば
愛しいはずだったその顔や 美しい思い出溢れる
恋の歌を捧げた君や 怒り突き放した君に
今更何度も謝っても…届かないよな
出典: 優しい言葉/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
このパートで語られているのは、好きだった「君」への気持ち。
「愛しいはずだった」、「突き放した」という表現から、「君」とはもう別れてしまったのだと想像できます。
「僕」は「君」と別れたことに対し、後悔や懺悔の気持ちを抱いているようです。
「十字架」という言葉は、「僕」が罪に似た意識を持っていることの表れではないでしょうか。
「僕」は謝りたいと思っていますが、その言葉はもう届きません。
僕は変わってく 許しを請うように
ただ一つだけ 変えられぬもの守って行く為に
出典: 優しい言葉/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
謝罪の言葉が届かないのはわかっている。
それでも「君」にいつか許してもらえるようになろう。
「僕」はそう思っているようです。
そして「君」を傷つけてしまった「僕」を変えていこうと決意します。
もう「君」を傷つけなくてすむように。今度こそ愛しい人を守れるように。
きっと「僕」は、そう考えているのだと思います。
「優しい言葉」にふさわしい自分になるために
傷つけた事泣かせた事も 僕は決して忘れちゃいけない
優しい言葉が似合う誰かに なれる日まで歩き続けてく
出典: 優しい言葉/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央
変わっていこう、と決めた「僕」ですが、どのような人になろうとしているのでしょうか。
その答えが2番のサビに出てきます。
まず語られるのが、「僕」がこれまで犯してきた罪を絶対に忘れない、ということ。
「僕」は罪が許されないのを知っているからこそ、これからも罪を背負って生きていこうと思っています。
そしてこれからは、「優しい言葉が似合う誰か」になりたい。
これこそが、「僕」がなりたい人の姿でしょう。
誰かを傷つけるのではなく、誰かを笑顔にできる「優しい言葉」。
それが似合う人になるために、「僕」は生きていくのです。
心を洗濯してまた前に進む
「優しい言葉」で印象的なのが、心を洗濯する、という表現。
曲のラストで、その表現の意味を考えていきましょう。
大人になって気づいたこと
大人になれば生きやすくなると思っていた 強くなって行くものだと
実際はどうだ? 進むほど怖くなるばかりだ 震える足で先を急ぐ
守りたいもの 愛すべき人 増えてく度に痛む傷跡も
誰かと共に生きたいと願う強さで 塗り直したら 笑って前を向こう
出典: 優しい言葉/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央