バランスを取り続ける毎日

冷めかけたスパゲティーをフォークに巻き付けては
甘い憂鬱を噛みしめる
バランスとるのはやめて 愛を吐き出したら
つぐんでた昨日より 胸のつかえはなくなるけど
どうかなぁ

出典: UFO/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

「冷めかけたスパゲティー」とは、今付き合っている彼女のことを指しているのでしょう。

彼女への愛が冷めかけている状態を例えていることが読み取れます。

それに対し「甘い憂鬱」は、浮気相手のことを指しているようですね。

浮気相手と一緒にいるのは楽しいけど、心のどこかで罪悪感を覚えている…。

そんな複雑な感情を表現しているのでしょう。

彼女と浮気相手の間を行ったり来たりする毎日。

今の状況を何とか保つために、主人公は必死にバランスをとっているようです。

正直な気持ちを吐き出して、今の彼女と別れたら心置きなく浮気相手と付き合えます。

しかし「どうかなぁ」といっているので、それを実行するのは難しいと感じているようですね。

2番~ラストの歌詞

「共犯者」の意識を持っている2人

互いの胸のうちに気付いてる以上
僕らは共犯者だ 念を押して確かめなくても

出典: UFO/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

浮気相手は、主人公の気持ちに気づいていますし、主人公のことを好きだと思っています。

つまり、両想いであることは2人とも分かっているのです。

それにも関わらず、お互いに浮気関係を解消しようとはせず、そのままにしている。

だから「共犯者」だといっているのでしょう。

お互いに口には出していないけど、自分たちが悪いことをしている意識はあるようですね。

浮気関係であることを口に出してしまうと、今の関係が大きく変わるかもしれません。

それが怖いから、両想いであることをうちに秘めた状態で関係を続けているのでしょう。

彼女と浮気相手の間で揺れる主人公

僕を信じきっているあの人を 嫌いになれもしないから
よけい 分かんなくなるんだよ

出典: UFO/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

「あの人」とは、主人公の彼女のことです。

当然、主人公の彼女は浮気をしていることに気づいていません。

主人公のことを心から信頼しているのです。

良い彼女がいるにも関わらず、他の女性と浮気するとは…。

とんでもない男ですね。

とはいえ、何も疑っていない彼女に対し、主人公も申し訳ないと思っているのでしょう。

「嫌いになれもしない」といっているので、彼女のことが嫌いになったわけではないのです。

ただ、彼女よりもさらに魅力的な人(=浮気相手)と親密になり、浮気に走ったのでしょう。

彼女に対しても、浮気相手に対しても、好きな感情を抱いている主人公。

一体どっちの感情を選び取ればよいのか、主人公自身も分からなくなっています。

漢字を使わずに平仮名で「よけい」と書いているのは、主人公の混乱を表現するためでしょう。

浮気相手のことは以前から知っていた…!?

なぜ二人 今になって
惹きあってしまうんだろう

出典: UFO/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

主人公が今の彼女と付き合う前に、浮気相手と親密になっていたとしたら…。

きっと間違いなく浮気相手を選んでいたのでしょうね。

だって、この主人公にとって浮気相手は彼女よりも魅力を感じる存在のようですから。

なぜこんなに悪いタイミングで浮気相手と親密になってしまったのだろう…と後悔する主人公。

今の彼女と付き合う前からすでに、主人公と浮気相手は知り合いだったのかもしれません。

多分、UFO事件が起こるまでは知り合いだったものの、特別な気持ちはなかったのでしょう。

もしくは、主人公は以前から浮気相手のことが好きだったけど、半ば諦めていた可能性もあります。

それで妥協して、今の彼女と付き合うことにした…。

でも、UFO事件を通して主人公は浮気相手からの好意に気づいてしまった。

そんなストーリーもあり得そうですね。

妄想を繰り広げる主人公

遥か彼方から飛来する未知の光が
僕らを包んで
迷いも苦しみもない世界へと連れ去る
身勝手なその夢は
低空飛行の旅客機の地響きに
はぎ取られた

出典: UFO/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

ここでは、主人公の妄想が描かれています。

いっそのこと浮気相手と一緒にUFOに連れ去られて、2人だけで未知の世界を冒険できたら…。

そんなありえない夢物語を繰り広げて、ひと時の幸せに浸っているようです。

しかし、そんな妄想さえ「身勝手」だという意識があるようですね。

「旅客機の地響き」によって、一気に現実に引き戻される。

そんなドラマのような描写も素敵です。

なぜ主人公は妄想をするのか