うんざりするような恋愛

PSYQUI(サイキ)【ヒステリックナイトガール feat. Such】歌詞解釈!どんな女の子なの?の画像

PSYQUIの『ヒステリックナイトガール feat. Such』は、恋人との喧嘩を女性視点で描いた曲です。

2人で過ごす夜だというのに、交わす言葉は互いに相手の悪口ばかり。

傷付けあって、罵りあって...。

坂道を転がり落ちていくように、2人の関係はどんどん悪化していきます。

いっそ別れるという決断ができればいくらか楽になれるのでしょう。

しかし、上手くいかなくなったからといってすぐにさよならできるほど、恋愛というのは単純ではありません。

現状がどうであれ、一度は好きになった相手。

簡単には切り捨てられない...。でも、もうこんな関係はうんざりだし、いったいどうすればいいの?

恋愛の悩みというのは相手がいる限り尽きることはないようです。

2人の関係は修復不可能?

終わりの見えない喧嘩ほどしんどいものもありません。

ある人は、分かりあおうとするあまり自分の考えをただ押しつけるだけになり...。

またある人は、喧嘩なんてしたくないという思いからただ黙ってやり過ごすだけになり...。

どちらも争いなど望んでいないのに、考え方の違いからさらに相手を怒らせてしまっています。

この曲の主人公とその恋人も、喧嘩の終着点を完全に見失っている様子。

修復不可能なほど溝が深くなってしまったこの2人に、はたして和解の道は残されているのでしょうか?

不毛な争いが始まる

「しょうがないよ」いつもの言葉 ケリ着いた体で 目もくれず ベッドの上 臥す
段々こっちもイラついて 罵声 怒号 浴びせ合うは 言うに事欠く dis
さあ さあ 始まりました ヒステリックナイト 今宵も rallyが続くでしょう
どう どう 御す間も無いわ 平手打ち judgeは不在のfightが幕開けた

出典: ヒステリックナイトガール feat. Such/作詞:PSYQUI 作曲:PSYQUI

「しょうがない」と言って無理やり喧嘩を終わらせようとする恋人に、主人公の怒りが爆発しています。

まだ何の解決もしていないのに...。という気持ちなのでしょう。

それに対して恋人は、もう何もかもが面倒になっているよう。

これ以上話し合っても無駄だとでも言いたげな様子ですね。

そうして2人の喧嘩はさらにヒートアップしていきます。

主人公は一度怒り出すと自分を止められなくなる性格なのでしょう。

「さあさあ」と客観的に自分たちの姿を言い表しているところが、逆に恐ろしく思えてきます。

罵詈雑言の応酬の末、もはや言葉で解決しようという気持ちも失われたようで...。

不毛な争いが、主人公の平手打ちによって始まってしまいました。

主人公の怒りと虚無感

一回くらいアタシの話も聞いて頂戴よ なんてったって 突っ立ってんなって
マジでアタシは何で泣いてんの?

出典: ヒステリックナイトガール feat. Such/作詞:PSYQUI 作曲:PSYQUI

ここの歌詞は、主人公が恋人に向かってヒステリックに叫んでいる姿が目に浮かぶようですね。

主人公は恋人に自分と正面から向き合ってほしいのでしょう。

不満も含め、自分の話を真剣に聞いてほしい。

しかし恋人は、相変わらず我関せずといった態度で主人公の話を聞き流しています。

その態度がまた主人公の神経を逆なでしていることに、恋人は気づいていないのでしょう。

ただ早くこの時間が終わってほしい。

そんな気持ちが顔に出てしまっていることにすら、この恋人は気づいていないのかもしれません。

いくら怒っても、話し合おうとしても、完全に主人公の一方通行。

主人公が泣いた理由は、半分は恋人への怒り。

もう半分はきっと話を聞いてもらえないことに対する虚しさでしょうね。

相手を思いやれない

相手に罪悪感を抱かせたい。

主人公の中には、そんな気持ちもあるのかもしれません。

喧嘩を終わらせることができないのは、きっと憎悪の感情が大きくなりすぎてしまったからでしょう。

この2人にはもう、相手を思いやれるだけの余裕は残っていないようです。

相手のことが分からない

最低なんて言わないで「大変、遺憾」で大正解 再現だって難無くクリアです
相手にしないで 愛 手にしたって I got a 無情の好き'n'sick
捨て台詞くらいにはなるか? 威張んなよ お前がわかんないや もう…

出典: ヒステリックナイトガール feat. Such/作詞:PSYQUI 作曲:PSYQUI

主人公も恋人と同じように、自分たちの関係が面倒くさくなってきているのではないかと思われます。

自分たちの関係は「残念な結果」ということで終わらせて構わない。

ただし、自分が一方的に悪いと思われるのは我慢ならないのでしょう。

「再現だって~」の歌詞は、相手が自分の話をちゃんと聞いていれば和解できたのにという主人公の非難なのかも。

また「好き'n'sick」は「スキンシップ」とかけているのだと考えられます。

たとえ恋人という関係が続いたとしても、自分たちの間にもう愛はない。つまりは「無情」ということ。

それを主人公は恋人に向ける別れの言葉にしようとしているのかもしれません。

しかし別れるにしても、相手のその傲慢な態度をどうにかしてやりたい。

この2人はどちらも、破局の原因は相手にあると考えているのでしょう。

「お前が分からない」そう思っているのは、きっと恋人も同じ。

だから2人の関係はここまでこじれてしまったのでしょうね。

負の連鎖から抜け出せない