「まだ自分は恋人のことを想っている。」そんな強い想いが表現されていますね。
ここで考えてみたいと思うのです。
「僕は君を好きだから、誰でも誰かに愛されている。」は論理的に正しいことでしょうか?
よく考えると違いますね。
世の中には誰にも愛されない人もいるかもしれません。
「僕は君を好きだけど、誰でも誰かに愛されているわけではない。」と言えます。
なのに主人公はあえて「僕は君を好きだから、誰でも誰かに愛されているよ。」と叫んでいるのです。
これは主人公の願いとも言えるのではないでしょうか。
誰かを想うことで自分の未来を信じる行為とも言えるでしょう。
信じるものは救われると信じたい。
絶望の中の一筋の光を求めて、彼は叫んでいます。
人は人を信じることで多くの困難を乗り越えることができます。
例えばそれが居なくなってしまった人であっても想いが現実を変えていくのです。
主人公の誠実な祈りは天に届き彼の未来を開いていく推進力になっていくことでしょう。
槇原敬之さんのメロディはこの願いの部分がとても綺麗です。
まさにこの歌の真髄とも言える部分なのではないでしょうか。
なぜ会社をサボってしまったの?
誰に向けての誠実さなのか
明日は月曜日
会社をズル休みして
空いたコーヒーショップで
お腹いっぱい食べよう
出典: ズル休み/作詞:Noriyuki Makihara 作曲:Noriyuki Makihara
平日のコーヒーショップのランチは空いています。
特に住宅街のカフェなどは日頃のビジネス街になりのんびりした雰囲気が味わえますね。
主人公は月曜日に行こうと決めました。
日曜出勤を強いられてきた彼でしたがついに会社に反旗をひるがえす決心をしたのですね。
会社は真面目に働いているとどんどん信頼を勝ち得ることができます。
そして仕事をどんどん頼まれます。
気がつくと自分の休みを削り、恋人も去り寂しい休日の夜を過ごす。
そんなことは悲しすぎるではありませんか。
主人公が自分の虚しさから脱出するはじめの一歩がズル休みという言葉で表現されています。
自分に誠実になった主人公の肩をポンっとたたいてねぎらいたいです。
ズル休みは本当にズルイのでしょうか?
体調が悪くないのに休む、それってズルイ!!ということなのでしょうか。
社会に対する誠実さもとても重要です。
むしろそれがないと世の中がめちゃくちゃになってしまいます。
でも、その誠実さを守るために大切なものを失っていると気づいたら立ち止まることもOKなのでは?
自分の心が悲鳴を上げている状況のときはちょっと一休み。
日々の流れと違う場所に身を置いて振り返ることも人生には大切なことです。
コーヒーの記憶
タバコを取り出して
ぼんやりしてるうちに
ウェイトレスがカップと
気持ちまで全部片付けて行く
忙しさなんかに
負けない恋だと思ってた
あのとき雑誌についてた
占いなんて嘘だと思ってた
出典: ズル休み/作詞:Noriyuki Makihara 作曲:Noriyuki Makihara
主人公が一息ついているとウェイトレスがカップを全部もっていってしまいます。
何もなくなった淋しいテーブルでまたもや過去がフラッシュバックするではありませんか。
ピンチです!
恋は些細なことですれ違ってしまいます。
だから、やはりコミニケーションを密にとっていかないといけないのでしょうか。
そんな後悔の念がふと押し寄せる光景は悲しいですが、主人公がコーヒーを飲んでいる姿はほのぼのしますね。
やっと一息つけたんですね。
お疲れ様ですと言ってあげたいです。
せつない嘘の理由
再会への想い
恋人が今いなくても
いるとどうか嘘をついて
僕も幸せでよかったねと
うまく嘘をつくから
出典: ズル休み/作詞:Noriyuki Makihara 作曲:Noriyuki Makihara
次に出会ったときはフリーでも恋人がいると言って欲しい。
これはどいうことなのでしょうか!?
まだ君のことを好きだから、君と別れるために自分を騙して欲しい。
そして次の道へ僕は行くよ、というメッセージなのだと思います。
主人公はもはや元恋人は戻らないことをうけいれもがきながらも進んでいく様子が感じられます。
「僕も嘘をつく」というのは君のことが好きだから、に他なりません。
主人公は元恋人を好きだという気持ちと、前に進もうという両方の感情に揺さぶられているようです。
スパッと新しい道へ行くことはとっても潔よくかっこいいと思います。
でも、行きつ戻りつ苦しみながら少しづつ変わっていく姿も力強くて生命力を感じます。
変えられないものを抱きしめて
僕は誰かを探すよ
それはきっと君のためだよ
例えば髪を切るように
生き方は変えられない
出典: ズル休み/作詞:Noriyuki Makihara 作曲:Noriyuki Makihara
主人公が他の人を探すと言い切ったその心境はなんでしょうか。
まさに「あなたのことが好きだから」につきるのではないでしょうか。
いままでの自分に区切りをつけないといつまでも好きでいてしまう。
主人公はこの時点でもまだ元恋人を愛しているのだと思います。
君のためとはどういうことなのでしょうか?
主人公の元恋人への消せない想いを認めることができた。
その心境の変化が君のためという言葉に表れていると思うのです。