「恋人」ってどんな曲?

【鈴木雅之/恋人】思い出と重ねて涙する人続出!?聴くたび何故か胸がいっぱいになる歌詞の意味を紐解く。の画像

1993年にリリースされた鈴木雅之さんの15枚目のシングルです。オリコンでの最高チャートは8位。売上は43万枚でした。

作詞は数多くの歌謡曲やJ-popの作詞で知られる西尾佐栄子さん、作曲はミュージシャンの松尾清憲さんです。鈴木雅之さんのソロ楽曲としては、「もう涙はいらない」に続いてのヒットソングとなっています。

切ないメロディー

マイナー調でありながらも、ドラマチックに展開するメロディーで、聴く人たちの哀愁を誘う雰囲気を持った曲です。

さらに、鈴木雅之さんのソウルフルで切ない歌声が、人々の心を捉えて離さない情感を持っています。

鈴木雅之さんの代表曲

【鈴木雅之/恋人】思い出と重ねて涙する人続出!?聴くたび何故か胸がいっぱいになる歌詞の意味を紐解く。の画像

「ラッツ&スター」のリードボーカルとして知られる鈴木雅之さん。1970年代から顔を黒く塗り、ドゥーワップと呼ばれるコーラスを歌っていました。

80年代に最盛期を迎えたその活動が少し衰退し始め、それぞれのメンバーがソロでの活動をする中、鈴木雅之さんはソロシンガーとして活動を展開していきます。

「ガラス越しに消えた夏」で1986年にソロデビュー。キリンビールのCM曲になった「Dry Dry」や、「もう涙はいらない」などヒットソングを生み出した後、リリースしたのがこの「恋人」です。

「恋人」の後もソロ活動を続ける

「恋人」のヒット後も「違う、そうじゃない」や、菊池桃子さんとのデュエット「渋谷で5時」など、ソロ活動で話題だった鈴木雅之さん。

1996年以降、「ラッツ&スター」の活動を完全に休止してからは、ソロシンガーとして一般に認識されています。

「恋人」の歌詞からわかること

「恋人」の歌詞は、男性が思いを寄せる女性への気持ちを歌ったもの。

愛しい人への力強くストレートな思いが伝わってくる歌詞で、切なさと愛情がメロディーとともに心に直球で突き刺さってくるような感じがします。それでは細かく歌詞を見てみましょう。

冒頭から疑問を抱かせる歌詞

想いを 今 届けたい
この先 ずっと あなただけを 今でも ここで 見ている…

出典: 恋人/作詞:西尾佐栄子 作曲:松尾清憲

好きな人を思うとき、その想いを相手に届けたいと感じる人は多いかと思います。しかし、この歌詞で疑問を感じざるを得ないのが「あなただけを今でもここで見ている」という言い回しです。

はっきりと述べられてはいませんが、今でもということは、すでに終わった恋なのか、付き合うに至っていないがまだ諦めていない恋なのか、少なくとも現時点で恋人関係であるわけではないのかもしれません。

歌詞は冒頭から、リスナーに少々の疑問をもたせつつ、始まります。

恋人ではなく、何なのか?

近づいた肩寄り添う二人 星空に試されてる
時々何故か触れる指先を捕まえてしまいそう
今はただ何も気付かなくて良い僕の気持ち

出典: 恋人/作詞:西尾佐栄子 作曲:松尾清憲

冒頭では、「想いを届けたい」と言いつつ、「何も気づかなくて良い」と言っています。

概ね恋愛においては、人は自分の気持ちが相手に通じてほしい、相手に理解してもらいたいと思うのが通常です。なぜこの「僕」はこんなことを言うのでしょうか?背景にどんな状況があるのか気になりますよね。

疑問が深まったところで、曲はサビに入ります。