ドウモアリガトウ、ミス・アンド・ロイド
STYX HELIX(冥界廻り)…?
昔(1970年代後半)、アメリカにSTYXというプログレバンドがいましてね。代表曲が「Mr. Robot」というんです。
「ドモアリガト、ミスター・ロボット♪」っていうフレーズ(日本語で歌っている)、TVで流れているのを聴いたことある人も多いんじゃないでしょうか?
…まぁ、そんだけなんですけど。
「ミス・アンドロイド」が「ミスター・ロボット」へのオマージュを歌うのか!?と思って一瞬盛り上がった人(私)、残念でした。
いや、残念でよかった。「STYX HELIX」はそんな誰得な妄想を裏切る、さすがMYTH & ROID!な完成度だったからです。
今あるもの全てに、ありがとう
Re:ゼロから始める異世界生活
「Re:ゼロから始める異世界生活」(以下、リゼロ)は、2016年4月からTV東京系で放送されたアニメ作品です。
「ソードアート・オンライン」に「オーバーロード」、「転生したらスライムだった件」に「僕だけがいない街」に「Steins Gate」。
2016年の放送開始時点で既に「また異世界召喚+タイムリープもの?」、「もう食傷気味」という声も聞かれました。
アニメ好きじゃなきゃそんな意見も出ないだろうに、ツンデレな奴ら。どうせ一話は見るくせに。
で、もう、視聴した人ならわかりますよね?
重厚にして秀逸なストーリーとテーマ性、キャラクターの魅力、音楽も含めた演出の素晴らしさ…で結果的に2016年を代表するアニメ作品と呼ばれるまでになりました。
ストーリーを紹介します
私は本作を視聴して「人が他人と関わる中で負っていく責任って、そもそも何だろう?」と考えさせられました。
ウザくならないように、ストーリーを簡単に説明しますね。
異世界に転送された主人公(高校生男子)は、「誰ひとり自分を知る者のいない世界」の中で「でも自分によくしてくれた人達」の為…。
その人達の悲劇的な行く末を回避する為に奔走することになります。
主人公には、その為の「ある特殊な能力」が備わっているのですが、それは行使するたびに非常な痛みと苦しみを伴う「能力」だった…。
という感じです。特に中盤の展開は絶望感に包まれて重く、「ゼロから始める」に込められた意味は半端なく重かった。
でも全て見終わった後には、素直に「見てよかった」と思える作品だったと思います。
あぁ、世界は棄てたもんじゃない(のかも)
深夜家に帰ってTVをつければ、アニメが流れています。
私達は(ほぼ)対価を支払わずに試聴できます。凄いことですよね。有史以来こんな時代他にあったと思います?
DVD、ブルーレイやいろんなグッズを売るための商業作品ですが、それが人の心を打ち、人生さえ変えてしまうこともあるみたいです。
音楽と同じですね。
(音楽も、もうCDやダウンロードという形でそれ自体を商品にする時代は終わりに差し掛かっているのかも知れません。)
それと向き合う時、日常とは確かに違う感動に触れる事ができます。有料も無料も関係ありません(でも違法サイトはダメだよ)。
学校の勉強や会社の仕事には1ミリも足しになりませんが…。
日常を乗り切る為に心を揺らし、脳細胞に電気が流れていく助けになってくれます。
2016年5月リリースの3rdシングル
MYTH AND ROID、やっぱり凄かった
「STYX HELIX」は、1stシングル「L.L.L」や2ndシングル「ANGER/ANGER」の激しい曲調とはうって変わり、幻想的でメロディアス、耽美なポップ・チューンです。
耽美なポップ・チューンです、と口で言うのは簡単なんですが…。
MYTH AND ROID、3rdにしてその実力をまざまざと見せつけてきたというか、大輪の花を咲かせたなという印象。
まず、イントロを聴いただけで、音のクオリティーと込められた感情が尋常ではない事に誰もが気付くことでしょう。
「誰もが」という点が重要です。
今回曲展開がフックに富んでいて、おいしいメロディーが次々と飛び出してくる感じです。そして、メロディーが本当に美しい。
ヴォーカリストMayuさんの魅力・歌唱力も、今までで一番分かりやすく伝わってくる曲調、アレンジと言えそうです。