逢いたい逢いたい忘れはしない
あなたは今も心(ここ)にいるから
ありがとうありがとう伝えきれない
想いよどうか届いて欲しい
出典: 逢いたい/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁
こちらはサビの歌詞パートとなっています。
今では会えない「あなた」に対しての想いが、赤裸々に表現されている歌詞です。
主人公にとって、何よりも叶えたい願いである「あなた」との再会。
会えなくなってから「あなた」と過ごした時間を振り返り、その存在がどれだけ大切だったか分かったのでしょう。
そしてその存在が自分に対してもたらしてくれた数々のかけがえのない経験に感謝を述べています。
主人公にとって「あなた」というのは彼の一部であるといっても過言ではないのでしょう。
ここまでの歌詞で「あなた」と主人公はもう2度と会えないのであろうことが分かります。
それでは「あなた」は今どこにいるのでしょうか。
ここまでの悲しみや切なさの漂う歌詞から推測するに「あなた」は恐らく既に亡くなっているのでしょう。
天国にいる「あなた」に対して4行目にあるように、主人公は自身の想いを届けようと祈りを捧げています。
募る想い
毎日想う
朝の光に目を細めて
新しい日常が始まるけど
気付けばどこかに探してしまう
もういないあなたの姿を
出典: 逢いたい/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁
このパートから分かる通り、主人公は「あなた」のことを毎日思い出しています。
朝目が覚める度に思い出すほど、未だにその想いが消えずにいることが分かる歌詞です。
別れから時間が経っても大切な人のことを忘れるどころか、日に日に想いが募っているのかもしれません。
3、4行目では街を歩きながら人混みの中に「あなた」のことを探してしまう彼の姿が描かれています。
別れを受け入れたはずなのに未だに再会を夢見てしまうほど、彼は「あなた」への愛が強いのでしょう。
「あなた」と主人公の関係
何も言わずに微笑んだ
優しかったあの笑顔
生きる苦しみ喜びを
何度も教えてくれた
出典: 逢いたい/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁
1、2行目では「あなた」の優しさが描かれています。
そして、3、4行目では「あなた」が彼にもたらしてくれたものが以前よりも具体的に書かれています。
「あなた」というのは優しいだけではなくしっかりと主人公のことを見守り、アドバイスを送っていたのでしょう。
この言葉から分かるのは、彼のいう「あなた」というのは彼の親なのではないかということです。
優しく見守りながらも、時に厳しくしてくれたその存在。
自分のことを生まれた時から、誰よりも近くで応援してくれていたことに対して感謝を覚えているのでしょう。
今も心にいる
心で生き続ける
溢れて溢れて声にならない
あなたを空に思い描いた
泣いたり笑ったり共に歩んだ
足跡永遠(とわ)に消えはしないさ
嗚呼果てしなくまた巡り合う命
出典: 逢いたい/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁
このパートでは、彼の想いが更に募っていることが分かります。
言葉にできないほど、主人公の心に「あなた」への感謝や愛情が沢山詰まっているのでしょう。
2行目の「空」という言葉からは彼が遠くへと想いを馳せていることが分かります。
「空」を見つめながら「あなた」が今いる場所を思っているのかもしれません。
彼にとってかけがえのない思い出の数々は、いつまでも彼の心から消えずに残り続けます。
今ではその思い出も彼を構成するものの1つとなって彼の心に生き続けているのでしょう。
もし忘れたとしても、主人公の血肉となって残り続けるほどに「あなた」という存在そのものが今では彼の一部なのです。
大切な人がもし消えてなくなってしまったとしても、その人が存在したということは思い出の中で残り続けます。
そしてその思い出がある限り、人々の心の中でその人は永遠に生き続けるのです。
5行目の歌詞からはそうして続いていく心の繋がりのことを表しているのでしょう。
親から受け継いだ想いを、自分の子供にも伝えていくことで知らぬうちに私たちは想いを伝達しています。
そうして連鎖していく想いの中で私たちは生きているのでしょう。
「あなた」への感謝
声もぬくもりも優しい微笑みも
心(ここ)にいるから
逢いたい
出典: 逢いたい/作詞:北川悠仁 作曲:北川悠仁
彼は自分の心の中にいる「あなた」の欠片を認識し、「あなた」の不在を受け止めながらも「逢いたい」といいます。
この言葉は未練や後悔による言葉ではないでしょう。
純粋な「逢いたい」という気持ちには、大切な人への愛情が込められています。
自分にとって何物にも代えがたいほどの経験や思い出をもたらしてくれたその存在へ、感謝を伝えたいのでしょう。
一緒にいる時には気がつけなかったことも、離ればなれとなった今なら素直に伝えられる。
何故なら、自分自身に「あなた」がいるということを今は実感しているからです。
一緒にいる時には感じられなかった似ている部分や、親譲りの自分の性格などといったものに気づいたこと。
それは彼にとって、人生を歩んでいく上での貴重な力の源の1つであることは間違いないでしょう。
この「逢いたい」では失ってしまってからも、自分の中で生き続ける大切な存在への感謝が綴られていました。
ゆずらしい、真っ直ぐでありながらも深く心に染み渡る歌詞です。