スキマスイッチのオリジナルアルバム『空創クリップ』に収録された楽曲
元々は提供された楽曲
スキマスイッチの2枚目のオリジナルアルバムである『空創クリップ』に収録されている楽曲である『キレイだ』。
CD化するよりも先にライブでスキマスイッチが披露されていた楽曲ですが、w-inds.の12枚目のシングルとして提供された楽曲でもあります。
『空創クリップ』に収録されているものはw-inds.に提供した後にセルフカバーしたものになります。
歌詞のメロディは同じですがイントロなどの違いはあるので聞き比べてみるのもいいかもしれませんね。
正反対な二人の恋路
ひかれあうか、反発するか
磁石のS極とN極は引かれあい、反対に同じ極同士は反発しあいます。
同族嫌悪という言葉もありますし、人間関係はかえって自分とは異なった相手と築いた方が好転する場合だってあります。
しかし、一方であまりに考えが異なりすぎると摩擦が起きてしまうことも。
考え方が正反対なせいで衝突してそのまま、ということも確かにありうる展開です。
そしてこの楽曲の二人は衝突したまま別れてしまったのでしょう。
「6」と「9」の二人
冷静に照らし合わせてみれば
君と僕は正反対で
数字だとしたら
6と9のようなもんだな
出典: キレイだ/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ
数字の「6」と「9」はとても似た形をしています。
上下を反対にするだけで相手の数字になるこの二つの数字は、だからこそ正反対だといえるのかもしれません。
似ているからこそ正反対というのは、皮肉が効いているようにも思えます。
付き合い始めたときは相手が自分のベストパートナーに思えたもの。
しかし、長く付き合って、照らし合わせていくうちに自分と相手はかみ合わないと感じてしまったのでしょう。
それは同時に恋が冷めていく合図なのかもしれません。
一人になった今
残された部屋
この歌の恋人たちがどのくらい親密だったのかはわかりません。
しかし、少なくとも部屋を行き来する、あるいはともに住む程度には親密だったことがわかります。
だからこそ部屋の静けさ、様子が余計に気になってくるようです。
キュウに一人にされた居間では
食べ散らかしたインスタントの空っぽ容器と
出典: キレイだ/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ
「急」に「9」が去っていき、一人きりになってしまった居間。
一人になると食生活というものもずさんになりがちです。
料理をする気力もわかず、インスタントばかりを食べて、インスタント食品に溢れている部屋。
何だかひどく現実めいていて、「自分も失恋したときはそうだった」と親近感がわく人もいるのではないでしょうか。
同時にインスタント食品から感じる無機質さ、空虚さが喪失感をより高めています。
6ですらない
ロクでもない僕が残った
出典: キレイだ/作詞:スキマスイッチ 作曲:スキマスイッチ
「君」が「9」ならば「僕」は「6」。
この関係は相手がいてこそ成り立つものです。
「6」をひっくり返して「9」になるのに、「9」が存在しないのならばひっくり返した「6」は一体何になるのでしょうか。
もう「僕」は「6」ではなく、ろくでもない男でしかない。
「君」が去って「今」に残されたのは一人ぼっちになった「僕」でしかないのです。
未だに傷がいえない男性の姿が思い浮かびます。