トントン拍子進んでったら 思わぬ落とし穴
バグる テンパる めくればパイパン
ハマりまくって抜け出せないのは恋もおんなじね
つもりつもって何を捨てたんだ
出典: 天道虫/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉
この勝負もらった!そう思ったら、最後にまさかの逆転劇……。
麻雀ではよくあることです。
特に福本伸行のギャンブル漫画では痛快な逆転劇はおなじみの展開。
この最後の最後に裏切られる感覚も福本伸行の漫画にハマる理由の1つなのでしょう。
強運だけあっても勝てない。
心理戦だけ強くても勝てない。
そういったところが麻雀の面白さなのかもしれません。
そして、ここの歌詞でも麻雀に関する言葉が多く使われています。
実は「テンパる」も「パイパン」も元は麻雀用語。
「つもり(ツモ)」や「捨てる」というのも麻雀をやっていれば必ず使う言葉です。
そんな麻雀用語を多用しながら、ハマって抜け出せないのは恋も同じと歌います。
麻雀にハマるのも、恋に落ちるのも、簡単には攻略できないところに魅力を感じるからなのかも。
考えてみれば、麻雀も恋も運と心理戦は欠かせない要素ですね。
逆転と転落
モヤモヤと右往左往して
出典: 天道虫/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉
「ざわざわ」だった心理がいつの間にか「モヤモヤ」に……。
勝負が不利な状況に変わったのでしょうか?
順調に勝ち進んでいると思ったら、急に形勢逆転したのかもしれません。
1つ前の歌詞でも「思わぬ落とし穴」と歌っていましたね。
落ちた穴から抜け出す術もなく、狼狽えている様子が伝わってきます。
完全に打つ手なしといったところでしょう。
追い込まれた状況で伝説の男たちはどんな手段に出るのか。
それとも状況を打破できないまま、さらに下まで落ちていくのか。
深い絶望に落とされる展開も福本伸行の漫画の醍醐味です。
一発逆転と転落。
その両方が描かれている『天 天和通りの快男児』は、人の人生そのものなのかもしれません。
甘い罠に人生を狂わされる
夢が夢を超えること たまにあるから厄介だ
愛によく似た 甘い罠
赤い羽根が霞んで消えた
出典: 天道虫/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉
「夢が夢を超える」とはいったいどういうことか?
予想を上回る結果が出たことか。
それとも最後に強運が回ってきたことか。
麻雀に限らず、ギャンブルというのはたまに大勝ちしてしまいます。
勝利の女神はプロにも素人にも一度は微笑んでくれるものなのかもしれません。
そうして1回でも大勝ちする経験をしてしまうと、ギャンブルの沼にどんどんハマっていきます。
こういった状況は確かに「厄介」ですね。
そして、ギャンブルでうっかり美味しい思いをする感覚は、愛を与えられる感覚に似ているのかも。
もっと欲しくなって、抑えがきかなくなってしまう。
次は勝てるかも。今度こそ勝てるはず。
そんなふうに沼にハマって抜け出せなくなるのは、きっと勝利の女神がいたずらに微笑んだせい。
それを「甘い罠」だと歌っています。
ギャンブルの世界に落ちていく途中に見えた赤い羽根は、自分の命だったのかもしれません。
霞んで消えたということは、後戻りできないところまで落ちたということ。
ギャンブルの甘い罠についに人生を狂わされてしまいました。
街の景色はあの日のまま
夕陽の赤は天道虫の赤
誰の肩に止まるかな くるくる廻る天道虫
街の隙間に見えるのは
あの日のまま 変わらぬ通りの 夕陽だった
出典: 天道虫/作詞:吉井和哉 作曲:吉井和哉
曲の最後は夕陽が浮かんでいる情景で締めくくられます。
麻雀で大勝ちした日も、人生を狂わされた日も、街を照らす夕陽はいつも変わらない。
「あの日のまま」というのは、まだ麻雀にハマる前の自分を思い出している様子でしょうか?
普通と呼べる生活を送っていたころを思い出しながら、「あの日のまま」の夕陽を眺める。
そんな哀愁漂う情景が目に浮かびます。
住宅街に沈んでいく夕陽も、天道虫のように真っ赤な色をしていたのかもしれません。
最後に
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