だめだよ、と いいよ、とを 往復する信号機
止まったり動いたり 同じようにしていても他人同士
元気でいるかな

出典: 話がしたいよ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

青と赤を繰り返す信号機は当たり前の情景を揶揄しているのではないでしょうか。

今までと変わらぬ生活をしているのに、大切な人と他人同士になってしまった寂しさを感じます。

”元気でいるかな”と気にかけている様子に、”もう一度会いたい”気持ちが見え隠れ。

君に求めるのは「話したい」それだけ

この瞬間にどんな顔をしていただろう
一体どんな言葉をいくつ見つけただろう
ああ 君がここにいたら 君がここにいたら
話がしたいよ

出典: 話がしたいよ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

”あの人だったどう言うだろう”

そんな風に、今は会えない誰かを懐かしく思って会いたくなることってありますよね。

自分が置かれている”今”、その人がここにいたらどう声をかけてくれるか。

主人公のこの瞬間、置かれている状況が少し不安なのかもしれません。

”君”に相談したい。”君”ならなんと言うか。

とにかく話したい気持ちが痛いほど伝わってくる場面ですね。

生きている不安になるほどの静寂

ポイジャーは太陽系外に飛び出した今も
秒速10何キロだっけ ずっと旅を続けている

それの何がどうだというのか わからないけど急に
自分の呼吸の音に 耳澄まして確かめた

出典: 話がしたいよ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

ここで伝えたいことは秒速10何キロで旅を続けているポイジャーではありません。

突然不安に襲われ、自分の鼓動を確かめる状況。

主人公にとってずっと旅を続けているポイジャーのように何かを永遠に感じているのではないでしょうか。

例えばそう、”君”に会えない、話せない苦しみだったり。

自分が生きているか不安になるくらいの静寂が、今主人公を襲っているのかもしれません。

無意識のまま辿り着いた

身体と心のどっちに ここまで連れて来られたんだろう
どっちもくたびれているけど
平気さ お薬貰ったし
飲まないし

出典: 話がしたいよ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

寂しさから、ふとバスに乗り”ここまで”辿り着いた主人公。

知っている場所なのか見知らぬ場所なのかはわからないけど、とにかく”疲れた”。

それは自分の身体と心どちらがそうさせたのかもわからないくらいの衝動的な行動です。

自分の意志とは関係なく、無意識で動いてしまったのかもしれません。

そして薬をもらったけど飲まないというのは、持っているだけでなんとなく安心するからなのかも。

出されたお薬を持っているだけで、飲まなくても不安が消えていくことってあるのです。

この辺りは、もしかしたら。もしかしたらですが。

「億男」で3億円が友人と共に消えてしまい、精神的にバランスを崩していく主人公とリンクしているのかもしれません。

あの日と似ているのになぜ…

どうやったって戻れないのは一緒だよ
じゃあこういう事を思っているのも一緒がいい
肌を撫でた今の風が 底抜けた空が
あの日と似ているのに

出典: 話がしたいよ/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

最初に1節は、すこし投げやりになっている気持ちが見て取れます。

どうやっても戻れない現実を自分に言い聞かせているようです。

”そう思っているのは自分だけじゃなくて、君にもそうであってほしい。”

これは、離れても同じ感情でいたいということを意味しているようです。

ちょっとの未練と、”あの日”と同じなのになんで?…という不条理さです。

色んな話をした君ともう一度