ファンの間で詩人だと称される藤原さんは、バンドの音作りについてこのように語っています。

藤原は同じく雑誌のインタビューで「4人で歩いた帰り道の匂いとか、一緒に見た景色のこととか、鼻の奥がツンとなるようなものをレコーディングしたいんだ、僕らは。その再現性が、今一番理想に近いんです」と語っている。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/BUMP_OF_CHICKEN

まさに日常にありふれた情景を音楽という形にして届ける天才といえるでしょう。

そして誰しも抱く感情を歌詞として取り出すから、甘くもなり辛くもなれるのではないでしょうか?

生きている限りは歌詞は溢れるほど出てくるんだという意味にも取れます。

言葉を大切にする

⾔葉を当てはめたら 壊れるから
出てくるままのかたちで 伝わるから

出典: 孤独の合唱/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

ここがBUMP OF CHICKENというバンドの本質といえるでしょう。

きれいな言葉でまとめたら伝わるものも伝わらなくなってしまうと言っています。

思ったことを歌詞にするからこそ、多くの人の心に届くのでしょう。

BUMP OF CHICKENは地上波放送にほとんど出演せず、生の音をファンに届けることを貫いてきたといえます。

それくらい「音楽や言葉を大切にしてきたバンド」だと感じずにはいられません。

それぞれに伝わる言葉たち

分けられない思いの ひとつひとつが響いた
誰にも解らない 涙だけのための メロディー

出典: 孤独の合唱/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

聴いた人それぞれが感じる思いは違って当然だと言っています。

嬉しくなる人もいれば泣きたくなる人もいるかもしれません。

どんな気持ちであれ何かしらの感情を抱いたということに曲を作った意味があるはずです。

そして心を揺さぶられたファンの手によって、音楽はさらに多くの人に広がっていくでしょう。

心を動かされた歌

瞳の奥に隠した ⻘く灯る⽕の事
⾒失った時も 終わることなく 踊っている

出典: 孤独の合唱/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

ここで出てくる「青い火」について考えてみましょう。

学生時代の科学の実験でガスバーナーを使ったことのある人も多いはずです。

ガスバーナーの酸素の量を少なくすると赤い火へ、逆に多くすると青い火になるのを覚えているでしょうか?

つまりこの歌詞は「完全燃焼している火」の比喩と考えることができます。

音楽を聴くことで何か突き動かされるものがあったのかもしれません。

好きになった音楽を聴き終わった後は余韻が残ったり、鼻歌のように口ずさんだりしているはずです。

その音楽が間違いなく「自分を変えてくれるきっかけになった」という意味が込められているのでしょう。

聴く人が音楽に命を吹き込む

その⼿を上げて⾒せて ⽣きていると教えて
君と出会うために⽣まれる⾳に 命を与えて

出典: 孤独の合唱/作詞:藤原基央 作曲:藤原基央

まさに藤原さんが持っている音楽に対する価値観が詰まった歌詞だといえます。

リスナーに触れてもらって初めて「音楽としての価値」が生まれると言っているのでしょう。

どんなに素晴らしい音楽でも聴いてもらう環境がなければ曲を作る意味がないと感じているのかもしれません。

音楽が誰にも聴かれず独り歩きしてしまっていることを「孤独」と表現しているのでしょう。

荷物が羽根に変わる