今そして未来
すべては過去になる
思いかえせば一昨日くらいのことのように思えるあの日たちは
埃を被って日焼けした小説の一部の如くになっていく
あのライブハウスは無くなった 僕らも会うことは無くなった
出典: 出典: 光るまち/作詞:小池貞利 作曲:小池貞利
正しいことを知ったその日から何年かが過ぎています。
あの友人とも疎遠となっていますから、それぞれ進学したか社会人になったのでしょう。
友人の歌も過去のことです。まだ憶えてはいますが、現実感は徐々に薄らいでいます。
それでも
それでも今もこれからもこうして
出典: 出典: 光るまち/作詞:小池貞利 作曲:小池貞利
「僕」はどこかに向かっています。そしてそれは現実にある場所ではないでしょう。
進むべき道、やるべきことはすでに見えていて、どうすればよいかも判っています。
友人を英雄視し、コンプレックスをごまかす必要はないのです。
自分にとって何が正しいのかはすでに知っています。
そしてどうすればそこにたどり着けるかも理解しています。
帰るということ
光るまちに行こう
光るまちに行こう
光るまちに行こう
終電には帰ろう
出典: 出典: 光るまち/作詞:小池貞利 作曲:小池貞利
主人公は今も歌い続けています。そしてこの先も歌い続けます。
多分、社会人になっている彼は多分普通のサラリーマンになっているのでしょう。
毎日会社に行き、夜、繁華街の路上で弾き語りをしているのかも知れません。
その場所で自分自身の思いを自分自身の言葉で歌い続けます。
しかし最終の電車には乗って帰らなければいけません。次の日には仕事があるからです。
その仕事では自分を表現することは出来ないのでしょう。だから「まち」に出て歌うのです。
ここでは最終電車に乗るということは自己表現と普段の生活とを切り替えることを意味しています。
ただ歌による自己表現は彼にとって正しいことであり、必要なことです。
光るまちに行こう 終電はもう逃そう
出典: 出典: 光るまち/作詞:小池貞利 作曲:小池貞利
曲の最後、サビが2回続きます。
そして一番最後のフレーズで、最終電車では帰らないという決意をします。
つまり日々の生活を犠牲にしてでも歌うことを優先するということです。
何がきっかけでそう決意したのかは語られません。多分明確なきっかけなどないのでしょう。
仕事をしなければ、生活は出来ません。
でも主人公にとって正しく生きるためには歌い続けなくてはなりません。
そのバランスをとることが難しいと感じたのでしょう。
二度のサビは最終的な決意をするまでの時間の経過を示しています。
まとめ
デビュー前の小池貞利
tetoのフロントマンであり、この「光るまち」の作詞作曲を手掛けた小池貞利。
高校卒業後に上京して就職、高校時代にはバンドを組んでいましたが、上京後は音楽からは離れて生活していました。
再び音楽活動を始めるのは二十六歳のときで、最初は路上で弾き語りから活動を再開。
「光るまち」という曲にはそんな小池の経験がベースになっているのだろうと思われます。
就職して会社員をしながら音楽活動を再開した小池。
最初は働きながらの活動だったのでしょう。
この曲はそんな小池のプロフィールを知って聞くと、より迫ってくるものがあります。