何よりも他者の不幸に共感できるチカラが社会全体にまだあった時代でもあります。

今でもこころに暗い影や傷を負った多くの人々がこの曲を愛して続けているのも当然でしょう。

挫折した経験や傷つきやすい感性を持った人々に夢の中での救いを歌うこの曲は福音です

藤圭子という稀代の歌い手と、石坂まさをの壮絶な人生観がこの歌を特別なものにしています。

ぜひ後世に遺していきたい名曲なのです。

そしていま一度社会に他者の挫折や不幸への共感のチカラと優しい眼差しを取り戻していきたいと思わされます

藤圭子の別れの旅

藤圭子【圭子の夢は夜ひらく】歌詞の意味を紐解く…続くのは辛い人生…夢だけに託した想いが切ないの画像

非常に残念なことではありますが、藤圭子は2013年8月22日に逝去しました。

東京都新宿区のマンションから飛び降り自殺をして自らこの世を去ります。

それは不幸な人生を謡う自身の歌に取り憑かれたような最期です。

村上春樹が出会った若き日の藤圭子

作家・村上春樹はエッセイ「村上朝日堂」の中で新人だった頃の藤圭子に会ったときの印象を書き残しています。

アルバイト先のレコード店に藤圭子が自身のレコードの売れ行きを尋ねてきたのです。

そこでは非常に気さくで丁寧な姿勢の若き日の藤圭子の姿が書かれています。

そしてこのようにいい人すぎる彼女には大スターの身であることがつらかったのではと村上春樹は述懐しました

藤圭子の悲劇に寄り添う

藤圭子の死の真相については明らかにされていません。

また遺族以外にそのことを知る権利は誰にもないように思われます。

それでも他者の悲劇や不幸に寄り添ってみる必要はあるかもしれません。

藤圭子が投身自殺した翌日には、彼女に先立って逝った作詞家・石坂まさをを偲ぶ会が開かれています。

いったい何たる運命の導きでしょうか?

まとめ:儚い夢がもたらす福音の歌

藤圭子【圭子の夢は夜ひらく】歌詞の意味を紐解く…続くのは辛い人生…夢だけに託した想いが切ないの画像

「圭子の夢は夜ひらく」、その宿命的な暗さに裏打ちされた人生の不思議に想いを馳せます。

どんなに暗く悲惨な人生であっても儚い夢の中で人は救済されるという福音を大切にして生きてゆきたいです

歌手・藤圭子と作詞家・石坂まさをの恐ろしいまでの気迫をいまこそ聴き遂げましょう。

OTOKAKEに遺る関連記事

藤圭子は忘れがたい歌だけでなく、もっと大きな光を私たちに遺してくれました

娘の宇多田ヒカルです。

宇多田ヒカルが母・藤圭子への想いを書いたとされる歌詞について深く掘り下げています

ぜひ記事にアクセスしてみてください。

2010年リリースの宇多田ヒカルの「嵐の女神」は、母への「ありがとう」の気持ちを込めて作られた曲として知られています。その歌詞には母に対する複雑な想いも込められているとか!?涙を誘う歌詞には感動の嵐が巻き起こります!

無料で音楽聴き放題サービスに入会しよう!

今なら話題の音楽聴き放題サービスが無料で体験可能、ぜひ入会してみてね