映画「未来のミライ」は、「おおかみこどもの雨と雪」などで知られる、細田守監督作品です。
2009年に発表された、細田監督の映画「サマーウォーズ」でも、山下達郎は主題歌を提供しています。
44枚目のシングル、「僕らの夏の夢」です。
依頼された時、山下達郎はツアーの真っ最中で多忙を極めていましたが、そんな事情を感じさせないどっしりとした名曲でした。
スローテンポなのに、山下達郎の力強い歌声で、パワーがもらえる曲となっています。
繊細で美しいピアノの音が聴こえたり、オーケストレーションで壮大になったり。
シンプルなのに、多彩なエッセンスが詰まっているのです。
一歩一歩、進んで行くようなイメージの曲でした。
ショートヴァージョンMV!
アニメの映像MV
「ミライのテーマ」を、映画のシーンと共に少し聴ける、ショートヴァージョンのMVを観てみましょう。
細田守は2006年に、映画「時をかける少女」も監督していて、登場人物の躍動的な動きや表情の豊かさが今回も印象的です。
素敵な始まりの予感
少し聴いただけでも、これから始まる映画に対して素敵な予感を覚える楽しい曲でした。
自然と体が揺れてくるサウンドですね。
映像もとても鮮やかで、映画の中に吸い込まれるようです。
「時をかける少女」のように、時間をこえる冒険らしいので、スピード感もありましたね。
山下達郎の音楽
音楽へのこだわり
山下達郎は”音の職人”と呼ばれるほど、音楽に対するこだわりがものすごいのです。
レコーディングでは、なんでも一人でやってしまうほど。
最新技術を取り入れて、録音を重ね、山下達郎独自の世界観を作り上げていきます。
しかし、仕上がったものは、エレクトロニックな感じではなく、さり気なくおしゃれなポップス。
古き良き時代のアメリカンポップスが、ふんわり香る作品たちです。
ドゥーワップがたいへん得意な山下達郎。
「ミライのテーマ」では、”ギュッ ギュッ”、”スウィート スウィート”など、かわいい合いの手が入ります。
その時、バイクでひた走るタツローくんのバックに、”Gyu! Gyu!”などと文字が出るのでユニークです。
そして、コーラスの美しさが今回も完璧に響いています。
山下達郎は、多重録音で一人ア・カペラもやってのけてしまう、ものすごいマルチな方なのです。
「ミライのテーマ」にも、そうとうこだわっていますね。
「ミライのテーマ」聴きどころ
イントロと歌い出しは、とってもシンプルです。
軽やかなベースのリズムと、それにシンコペーションの効いたピアノの伴奏。
そのうち、ドラム、コーラスが絶妙なタイミングで加わり、サウンドがグッと広がります。
間奏ではサキソフォンのカッコいいいソロが、ちょっと大人の雰囲気も醸し出すのです。
メロディーはずっとアップテンポで軽快、途中の三連符のところだけゆったりとしてアクセントになっています。
歌のおしまい、”未来へ”という歌詞の後の余韻が、心地よく感じるのでした。
山下達郎の歌声、サウンドならではの余韻です。
全体的に前向きで、柔らかで、ポップで、癒される一曲になっています。
「ミライのテーマ」CD情報
エンディング曲はダンサブル
シングル「ミライのテーマ/うたのきしゃ」の収録曲情報です。
エンディング曲の「うたのきしゃ」は、少しテンポを落としていますが、ダンサブルな感じに仕上がっています。
映画のおしまいに、ストーリーを振り返りながら聴くのにぴったりな、落ち着いた雰囲気の曲です。