「ハルディン・ホテル」は実在するの?
この曲の収録されたアルバム「時空の水」は2014年にも再販されています。
行進曲を思わせるような軽快な始まりが希望に満ちた旅を連想させますが一体どのような旅でしょう。
聞きなれない「ハルディン・ホテル」とはいったい何処にあるのでしょうか。
そして何故そこに向かおうとしているのかなど謎は多いです。
歌詞に出てくるキーワードをその背景と共に解明していきたいと思います。
ライブ映像

古い映像なので画素が荒いですが歌詞を読み解く上で気になる物も出てきます。
人生は短い
行く列車の塵は 砂丘に文字を描く
“ 百年彼方の空より見守る” と
アイリスが咲く 長い雨の夜
祈るようにキミを さがして街を駆けた
出典: ハルディン・ホテル/作詞:平沢進 作曲:平沢進
砂漠を横切る「列車」が砂を蹴散らす様子が描かれていますがとても意味深な情景です。
砂埃は風に吹き飛ばされると目に入り痛くて嫌なものですね。
その細かくて無駄な物で描かれた「文字」というのは自分の人生であり自分が生きた証のことでしょう。
もっといえば「文字」というのは自分が創造した物を指し示していると思われます。
自分の人生など取るに足らないものだと前置きをしているようです。
ですが遠い未来からそれを見ている誰かがいることを暗示した場面でもあります。
今理解されないことが「百年」先は理解されて脚光を浴びることもありますね。
また意味は少し違いますが「人生は短く芸術は長い」という諺があります。
この言葉は短いスパンでは答は出ないという意味にも取れますね。
そして異端と主流は何時入れ替わるか分かりません。
そのような覚悟のもと向かう先は何処なのでしょうか?
(引用歌詞部分の3行目と4行目は歌詞の流れ的に後で解説します)
列車の向かう先
「トルヒーヨ」は何処にある?
トルヒーヨのハルディン( トルヒーヨのハルディン)
出典: ハルディン・ホテル/作詞:平沢進 作曲:平沢進
では「列車」の向かう先はどこでしょう。
先ず「トルヒーヨ」という地名から見ていきます。
南米ペルーにある都市で今は経済的にも潤ったとても綺麗な都市だということです。
ペルーは昔スペインに統治されていましたが独立した後1825年に初めて首都になった歴史があります。
北西部に位置して砂漠地帯ではありますが乾燥した気候で住みやすい所のようですね。
そして問題は「ハルディン」は地名なのか?何なのかということです。
これが「ホテル」となるともっとわからなくなりますが今現在ある建物でないことは確かです。
ですが「トルヒーヨ」に昔あった施設だと平沢進氏が会報誌で報告されていたそうですね。
信じることにしましょう。
そこで気になるのがライブ映像に出てくるコップに入った錠剤です。
薬のように見えますが演奏に入る前にクローズアップされているということは伏線になりますね。
西洋医学とは違う呪術的な治療をする施設だったということですから病気を治す施設であることと合致します。
そしてこの「ホテル」に関するもうひとつ気になる噂はメンタルな病気を治す施設ではないかという噂です。
誰を誘っているのでしょう。
トルヒーヨのハルディン( までいっしょに行きませんか? )
出典: ハルディン・ホテル/作詞:平沢進 作曲:平沢進
では何故この施設に向かおうとしているのか、そして誰を誘っているのかが気になります。
そこで突然ですがイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」を思い出してみましょう。
80年代に大ブームとなったアメリカンロックの定番曲ですね。
このホテルの謎については色々な説が飛び交っているようです。
「ホテル・カリフォルニア」では「ようこそホテル・カリフォルニアへ」のフレーズが繰り返されます。
ホテル・カリフォルニアの場所も取り沙汰されメンタルホスピタルではないかという説もあったのです。
「こんな素敵なところはないからずっと居てください」といった誘い文句も謎めいていました。
「ホテル・カリフォルニア」と「ハルディン・ホテル」は怪しさで共通するものがありますね。
誰に呼び掛けているのかについては後でまとめとして深読みしたいと思います。