冒頭で彼女の可愛さのあまり、話を聞いていなかった主人公。

もしかすると笑ってしまったのでしょうか?

愛らしいものを目にすると思わず口元が緩んでしまうものですが、彼女は少し困惑しているようですね。

彼が笑った事に対して、馬鹿にされているのかなと感じてしまったのかも知れません。

そんな彼女の反応を見て慌てて誤解を解く主人公達の姿が微笑ましいですね。

きっと主人公は彼女の可愛い一面を見る事が出来たという、それだけの事に幸せを感じられる自分に感動したのでしょう。

自分が気にも留めなかったような事に一喜一憂する事の出来る彼女に対しての感動でもあるのでしょうね。

達観していて落ち着いた様子の主人公と無邪気で純粋な彼女との対比が面白いですね。

無限の可能性

感動している君の眼の
奥に今日も宇宙がある

出典: ぼくら花束みたいに寄り添って/作詞:カネコアヤノ 作曲:カネコアヤノ

彼女をこちらに引き寄せた主人公は、彼女の瞳を覗き込んでいます。

何事にも疑り深い視線を送らず純粋な気持ちで向き合う事の出来る彼女。

そんな彼女の目から見る世界はさぞ美しい事でしょう。

少し屈折したところのある主人公には、彼女の綺麗な瞳の奥に無限の可能性があるように感じたのです。

宇宙には無限、未知、綺麗などのイメージがありますね。

物事を偏見の目で見たり、屈折した考え方をしない彼女は主人公にとって宇宙の様な存在なのかも知れません。

これから先この子はどうなっていくのだろう?自分にどんな景色を見せてくれるのだろうか?

そんな風に考えていたのでしょう。

良い彼女ですが、恋人の小さな良い所に気が付く事の出来る主人公も素敵ですね。

いつも隣に居るという事

喧嘩の後のアイスは美味しいね
破壊的な気持ちの後の甘い誘惑
仲良くしてたいよと朝方小指で約束ね
いつもごめんね

出典: ぼくら花束みたいに寄り添って/作詞:カネコアヤノ 作曲:カネコアヤノ

1年を通してアイスは食べるものですが、アイスの美味しい季節といえばやはり夏ですね。

楽曲の雰囲気もあまり蒸し暑くなく、少し寂しい様な雰囲気が感じ取れます。

歌詞の中の舞台はおそらく夏の終わりから秋にかけての時期だろうかと推測できます。

どれだけ仲の良いカップルでもずっと一緒に居れば喧嘩の1つや2つはするもの。

喧嘩をして仲直りをする時はいつも2人でアイスを食べるのでしょうか?

怒っている時は憎くて仕方がなかった相手が、ほとぼりが冷めると何がそんなに憎かったのか分からなくなる時ってあると思います。

アイスを食べて文字通り頭を冷やしている時に主人公も、ふと我に帰るのでしょうね。

些細な喧嘩でこの関係を壊したくないと誠心誠意謝るのです。

本曲は全体を通して見ても小さな幸せについて歌われている事が分かります。

この章でも「アイス」という言葉が登場しましたが、どの家庭の冷蔵庫にも入っている日常的なものです。

アイスを食べて仲直りをするというのは正に細やかな幸せという感じがしますね。

毎日を大切に

大抵君が正しい

感動している忘れないように
泣きじゃくらないで
全部君が思うように

出典: ぼくら花束みたいに寄り添って/作詞:カネコアヤノ 作曲:カネコアヤノ

優しくて純粋な彼女は感受性も豊かなのでしょう。

先ほど喧嘩をした後でしょうか?

主人公と彼女は指切りをした後に何か大切な話をしたようですね。

ここで思い出してもらいたいのですが、本曲のタイトルは【ぼくら花束みたいに寄り添って】です。

なぜ花束でなければならなかったのでしょうか?

花束といえば恋人へのプレゼントだったり、結婚を想起するものですね。

おそらくその答えがこの章で出ているのではないでしょうか。

喧嘩の後、指切りをしながら2人が交わしたのは曲名に「花束」と付いている事などから結婚の約束だったのではないかと推測する事が出来ます。

そうすると彼女が喧嘩の後に泣きじゃくっている事にも納得がいきますね。

喧嘩するのが嫌で悲しかったという可能性もありますが、その方がしっくりきます。

主人公は「ごめんね」と彼女を慰めながら結婚してからの彼女の望みを色々と聞いたのだと思います。

何でも叶えてあげるよと言っているうちに、泣き止むどころか更に大きな声で泣きじゃくる彼女の姿が目に浮かびますね。

ただ幸福な日々を

感動しているいつまでも
今は過ぎてゆくこと

出典: ぼくら花束みたいに寄り添って/作詞:カネコアヤノ 作曲:カネコアヤノ

小さな幸せを2人で分かち合い、喜ぶ事のできる2人。

彼らはこの慎ましい幸せに包まれた生活に満足しているのです。

今のままで良い。今のままが良いと願う心がこの章では表現されていますね。

花束の真ん中に2人が居て、その周りを小さな幸せが彩る景色。

とても素敵ではありませんか。

最後に