KANA-BOON「ダイバー」 映画「BORUTO」の主題歌で書き下ろされた曲のメッセージとは
作品に寄り添った楽曲
KANA-BOONのメジャー7枚目のシングル「ダイバー」。自身らも大ファンだと公言する漫画「NARUTO」の劇場版「BORUTO」の主題歌である。
彼らの曲はアニメ「NARUTO 疾風伝」のオープニングテーマを担当したこともあり、作品との関係はかなり親密さがうかがえる。今回はこの「ダイバー」の歌詞について、少し丁寧に掘り下げてみたいと思う。
歌詞解釈
早速紐解いて行きましょう!
いつだっていまだって僕らはちゃんと実を結んで
今だって飛び立ってゆく
出典: ダイバー/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪
まず冒頭の上の歌詞についてだ。漫画「NARUTO」の主人公「うずまきナルト」は多くの敵や困難にぶつかるも仲間や友の力を借りながら誰よりも努力し、そして成功していく。
努力は裏切らない、という言葉があるが、ちゃんと実を結んでという表現にその言葉が集約されているようにも見える。さらにはバンドの彼ら自身も、努力を重ねて今があるのだと強く感じているのではないかとうかがえる。
努力を重ねた末の今があり、またここから新たなステージに進んでいく「ナルト」や劇場版の主人公「ボルト」、さらに彼ら自身の決意が読み取れる。
今日も陽が昇ると一歩を踏み出す
昨日の自分とは違うはずなのにな
どうして気付いてくれないんだろう?
募った不満が心の中で疼く
出典: ダイバー/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪
誰もが毎日、陽が昇ると同時に一歩を踏み出します。
その時の私たちは、ほんの少しかもしれませんが昨日とは違っています。強くなっていたり弱くなっていたり、それは人それぞれさまざまですが、誰もがその変化を知らず知らずのうちに意識しているはずです。
でも人は、他人の変化に気付くことができないこともあります。自分ほど自分を知っている人はいないように、自分を知りすぎているからこそ、周りがその変化を受け入れてくれていないように感じてしまうこともあるのかもしれません。
見たことないものばかりでも
聞いたことないものばかりでも
この蒼い眼に写るのは
出典: ダイバー/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪
私たち人間は、生きていると見たことないものをたくさん見ます。聞いたことないこともたくさん聞きます。そんなとき、私たちの目にはいったい何が写るでしょうか。
歌詞では蒼い眼と表現されていますが、「ナルト」や「ボルト」の目の色は実際に青色で、歌詞と上手くリンクしているのがわかります。
サビの歌詞
いつだっていまだって遠く向こう走る影
僕だって、ただ待っているわけじゃないから
いつだって今だって僕らはちゃんと実を結んで
今だって飛び立ってゆく
出典: ダイバー/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪
誰にでもいる手が届かない存在、影しか見えないくらい遠くの目標があります。でも彼らはただ向こうから歩み寄ってくるのを待つだけでは終わらないということを歌っています。
受け身の人が多いといわれる時代で、少しでも自分から一歩踏み出してほしいというメッセージがそこに表れているのではないかと思います。
認められたいと地団太踏んでたんだ
言葉にできない悔しさが底にある
強くなりたいと願えば願うほど
空回りしてしまう
出典: ダイバー/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪
まさに漫画の内容に沿った歌詞だと思います。誰にも認められずもがいていた「ナルト」。そして言葉にならないくらいの悔しい思い。強くなれば認められると努力するけれど、そんなにすぐは結果に出ませんよね。
願えば願うほど現実が追い付かず、空回りしているように感じるのかもしれません。
強がって強がって、怖いもの知らずだって
また笑ってごまかして、本音は言えないまま
嫌になって苛立って、うまくできない自分がいて
ダメだって立ち止まってしまう
出典: ダイバー/作詞:谷口鮪 作曲:谷口鮪