片思いに染みる歌・宇多田ヒカルの「Flavor Of Life」
宇多田ヒカルの冬歌「Flavor Of Life」
宇多田ヒカルの18枚目のシングル、「Flavor Of Life」は、2007年2月28日に発売されました。
誰もが持っている心の小さな傷を癒すように、ひたひたと浸透していく彼女のウィスパーな歌声とともに紡がれるのは、「Flavor Of Life」=「人生の風味」。
その甘さと苦さを味わえる歌詞が魅力です。
オーケストラとのセッションが新鮮なPV
オーケストラの前に立ち、緊張感ある佇まいでマイクに歌いかける、宇多田ヒカルのピンとした背筋が印象的なPVです。
彼女の音楽がどのような空気感で生まれるのか、臨場感たっぷりに楽しめます。
「一発撮り」という緊張した表情が少しずつ笑顔に変化していく様子も、ぜひチェックしてください。
『花より男子2(リターンズ)』のイメージソング
ドラマのストーリーに合わせて書き下ろした新曲
少女漫画界の不朽の名作『花より男子』の大ファンだった宇多田ヒカルが、そのドラマ化に合わせて『花より男子2』のために書き下ろしたのが、この『Flavor Of Life』です。
オリジナルバージョンは、CDシングルの一曲目に収録されたものなのですが、先ほどご紹介したPVなど、この『花より男子2』ファンにとって耳なじみのあるのは、2曲目に収録された『Flavor Of Life-Ballad Version-』ではないでしょうか。
各話のクライマックスで流れる宇多田ヒカルのウィスパーな歌声に、毎回涙腺が崩壊した方も多いはずです。
アルバム『HEART STATION』#4に収録
この『Flavor Of Life -Ballad Version-』は、2008年に発売された6枚目のアルバム『HEART STATION』にも収録されています。
このミリオン達成アルバムでお馴染のファンは、Ballad Versionしかご存じないかもしれません。
この機会にぜひシングルCD1曲目の元祖『Flavor Of Life』をチェックしてみてはいかがでしょうか。
1番の歌詞の解釈
「ありがとう」が切なく感じるのはなぜ?
ありがとう、と君に言われると
なんだかせつない
さようならの後も解けぬ魔法
淡くほろ苦い
The flavor of life
出典: Flavor Of Life/作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル
心を寄せる相手から「ありがとう」とお礼を伝えられるだけで嬉しかった季節が過ぎ、「もっとざっくばらんになってもいいのに」と、距離を感じてしまう時があります。
宇多田ヒカルが織り成す詩の世界の深みに、一気に引きずり込まれる一節です。
友達でも恋人でもない中間地点で
収穫の日を夢見てる 青いフルーツ
あと1歩が踏み出せないせいで
じれったいのなんのってbaby
出典: Flavor Of Life/作詞:宇多田ヒカル 作曲:宇多田ヒカル
その心の内側に今より近づきたいのに、友達以上恋人未満の壁が高すぎて、ジリジリ焦って空回りする心情が、いつまでも熟しきれない「青いフルーツ」として表現されています。
「はやく君にもぎ取って欲しいのになぁ・・・」というため息とじれったさにうずうずします。