夏への憧憬はそのままあなたへの想い

過ぎ去った夏が作り出した あの透き通ったあなたを思い出した
焦げたチョコマフィン、溶けた銃口、モノクロのリタ・ヘイワース
過ぎ去った夏が作り出した ぶっきらぼうな夜を少し恥じた
あなたへの想い、声、恋、遠い距離が重なって重なって

雨上がり蒸し返す空気、蝉の鳴き声
汗をかいた瓶サイダー、それとあなたの

出典: 9月になること/作詞:小池貞利 作曲:小池貞利

「焦げたチョコマフィン、溶けた銃口、モノクロのリタ・ヘイワース」という歌詞も、「あなた」とこの曲の主人公の思い出を描いているのでしょう。

「リタ・ヘイワース」と言われると、「ショーシャンクの空に」を思い出したりもしますが、「モノクロ」という言葉からも、ノスタルジーを演出する歌詞だと言えるでしょう。

「雨上がり蒸し返す空気、蝉の鳴き声 汗をかいた瓶サイダー」も、学生時代の思い出でありながら、全てが「あなた」と結びついている。

青春のどんな場面にもいた「あなた」が急に「あの人」を追って行ってしまったことがどれだけ世界が変わってしまう出来事だったかということがわかりますね。

曲名「9月になること」の意味とは?

過ぎ去った夏が作り出した あの透き通った肌を思い出した
泣けた海岸線、開けた心臓、繋がっていた点と点
過ぎ去った夏が作り出した ぶっきらぼうな夜を少し恥じた
あなたへの遠い遠い遠い遠い距離が重なって重なって

出典: 9月になること/作詞:小池貞利 作曲:小池貞利

「あなた」を思って泣いた「海岸線」、穴が空いてしまったようだった「心臓」そして、あの日まで繋がっていたはずの自分と「あなた」という「点と点」。

全てが壊れてしまったあの「過ぎ去った夏」。

「9月になること」は抜け出し切れない失恋を抱えた自分にとって救済であるはずだったのに、そうではなかったのですね。

ただ「あなたへの」「距離」が遠く遠くなっていっただけだったのです。

もしかしたら、この曲の主人公は「あなた」への気持ちを恋とは気づいておらず、当たり前に自転車の背中にいた彼女を失って初めて気づいたのかもしれませんね。

「9月になる」度に毎年思い出すような大きな失恋と夏への憧憬を描いた一曲、とても切ないですね。

おわりに

tetoの「9月になること」を紹介しましたが、いかがでしたか?

歌詞の意味を知って聴くと、メロディーと相まって、さらに胸を締め付けるような切なさや懐かしさがこみ上げてくるのではないでしょうか。

たかはしほのかさんのコーラスの声も、あまりにも透き通っていてこの曲の感傷を引き立てているようですよね。

tetoの音楽にあまり触れたことがないという方にも、ぜひ聴いていただきたい一曲です。

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