ギターで音楽を奏でたいけどその前に
ギターで伴奏したり、メロディを演奏する前に必ずチューニングをしましょう。
チューニングとは、きちんとした音程で演奏するために、6つの弦の音の高さを一定の周波数に合わせる作業です。
どんなにテクニックがあっても、チューニングができていないと音痴なテクニシャンになってしまいます。
バンドで演奏をする場合などは、全員の合奏音にも影響が出てしまうので、きっちり音を会わせましょう。
ギター弦は、ナイロン弦にしても金属弦にしても伸び縮みがあります。
弦を張る時に、かなりのテンションをかけるので物理的に伸びてしまうのです。
また、温度や湿度など日々の保管状態によっても影響を受けるので、ギターを弾く前には必ずチューニングを行う癖をつけましょう。
ここでは、市販のチューナーを使ったチューニングの方法を解説します。
まずは、開放弦の音を理解することから始めましょう。
開放弦ってなに?
ネックに触れないで出る音
ギターの弦は左手の指で押さえてない状態では、一番下の太い第6弦から一番上の細い第1弦に向かってE(ミ)→A(ラ)→D(レ)→G(ソ)→B(シ)→E(ミ)の順で並んでいます。
「開放弦」というのはこれら、指でどこのフレッドも押さえていない弦のことです。
キーボードならドレミの順に鍵盤が並んでいるのでラクに弾けますが、ギターは弦の音の並びが複雑な上、左手でどこをおさえるかによっても音が変わってくるので、覚えるのも大変ですよね。
とはいえ、まずは開放弦の音をしっかり覚えておかないとギターチューニングすらできません。
いまから、開放弦の音を覚えるコツをご紹介しますので、ぜひ覚えてしまいましょう。
開放弦は、弦を巻き付けているペグからブリッジまでがナチュラルな状態です。
ナットやペグなどギターの構造上の問題が音に影響するのでよく見ておきましょう。
特に、ナット部分の引っ掛かりやネック反りが起きているとチューニングもうまくいきません。
開放弦の音を覚えるコツ!
開放弦の音を覚えよう
まずはチューニングの表を見ながらでいいので、実際にギターの開放弦を鳴らして音をよく聴いてください。
そして、何度も何度も弾いて音を確かめながら、口でも「ミラレソシミ」とか、「EADGBE」と呪文のようにつぶやいちゃいましょう。
音を聴きながら音階を口にすると、音階が頭部の中を通って耳に届き、ギターの音が同時に耳から入ってきます。
音を聴きながら考えているだけなら何も起こりません。
実際に言葉として口にすると、脳が音と声の情報を同時に処理するので音と音階名がリンクして記憶されるのです。
これを毎日繰り返し行うと、音を身体が覚えるようになります。
ゴロ合わせで覚えちゃう人も♩
呪文のようにただひたすら「ミラレソシミ」とか「EADGBE」とつぶやくのが耐えられないなら、ゴロ合わせで覚えるという裏ワザもありますよ。「見られそう(ミラレソ)なシミ」とか、「イエで(EAD)甚平(GBE)」とか。
Twitter検索すると、ほかにも面白いゴロがたくさんつぶやかれていますよ。みなさんも、覚えやすそうなゴロを考えてツイートしてみるのも面白いかもしれません。
ちなみに英語圏では、「Easter Bunny Gets Drunk After Easter!」(イースターのうさぎちゃんがイースターの後に酔っぱらった!)という覚え方もあるみたいです。
こんな風に工夫して何度も開放弦を鳴らしながらつぶやいていれば、きっとすぐに覚えることができますよ!まずは実際にギターを弾いて、恥ずかしがらずにつぶやいてみてくださいね。
初心者におすすめ!チューナーを使ったチューニングの方法
ギターチューニングは必須です
開放弦の音を覚えたら、いよいよギターをチューニングに挑戦してみましょう!
チューニングは、チューナーの針が中央にくるまでペグを回して正確な高さに調整することです。
ギターを購入したときや弦を張り替えたとき、練習の前に毎回行います。
音叉を使ったチューニングもありますが、こちらは上級者向け。
そこで今回は、チューナーを使ったチューニングのやり方をご紹介しますね。
ギターの弦を弾いた時に音が出るしくみがわかるとチューニング方法の理屈もわかってきます。
チューナーが今ほど普及していないときは、音叉を使ってました。
音叉は、一定の周波数の振動を安定した音に変換する器具です。
ちなみに一般的に弦楽器で使われる音叉の音は440Hz。音階にするとA(ラ)の音です。
音叉をギターのボデイに当てて音を出しながら、5弦の開放弦を弾いて音の高低を耳で判断して音とを合わせます。
ギターも弦の振動をボディで増幅させて音を出すので、音を響かせているのはボディです。
音叉が正確なA(ラ)の音なので、弦をはじいたボディの振動との差がうねりになって聞こえてきます。
うねりがなくなって、一定の音になったら開放弦の5弦の音合わせは終了。あとは各弦の同じ音を同様にうねりで合わせていきます。
人間の耳で判断するので、バラツキや感度が異なり正確なチューニングにはかなりの経験と聴覚が必要でした。
現在、いろんな形のチューナーが発売されていますが、原理は音叉と同じでギターの出音の源であるボディの振動で合わせます。
チューナーを使いこなそう!
チューナーにはいろいろなタイプがありますが、ケーブルにつないで音を出すギターなら箱型がおすすめです。
ギターのボディやヘッドにはさんで手軽に使いたい場合には、クリップタイプを選ぶといいでしょう。
チューナーの電源を入れたら、中央にあるマイクに向かってギターを鳴らします。
チューナーの画面にあるメーターの針が左に傾いていたら、合わせた音より低いという意味です。
逆に右に傾いていたら合わせた音より高いということ。ペグを回して正しい高さに調整しましょう。
針が中央を示していたら、合わせたい音にぴったり合っているということです。
画面上部にある数字やアルファベットは、ギターの弦の番号や階名を示しています。
箱型は、ケーブルにつなぐか空気を介して音を拾う方式です。
チューナーと楽器の間に他の物体が介在するので音合わせに時間がかかったりノイズ音が邪魔したりします。
クリップ式はギターのボディの振動が直接チューナーに伝わる方式なので音を合わせがシンプルで分かりやすい利点があります。
旧来の音叉でのチューニング方法をデジタル表示したわけです。
素早いチューニングができるので、ライブの途中でも調整できる利点がありますね。
チューナーにはモード設定ができるものもあります。
モードは、クロマティックモードとギターモードの選択。
ギターモードにすると、各弦ごとに操作する場合があるので煩雑ですが、クロマティックモードでは途中操作の必要がなく便利です。
チューナーの表示には弾いた弦の音名が出てくるので、使いこなすためには開放弦の音名を知っておく必要があります。