水際 干いては満ちて 胸騒ぎ もう屹度(きっと)潮時よ 顔と名前の貸借
足を洗うべきよ 媚と恨みの売買

出典: http://j-lyric.net/artist/a000682/l0276b2.html

「水際」とは、文字通りの意味もありますが、「潮時」と同じように、物事を終わらせるタイミング、という意味もあります。

「顔と名前の貸借」とは、東京事変というプロジェクトを言っているのではないでしょうか。前述の通り、日本の音楽界では名前の知られたメンバーの集まりですから。

「媚と恨みの売買」とは、芸能活動を皮肉っているようにもとれます。

もちろん、PVの物語のことを言っているのかもしれませんけれども。

目尻(まなじり)の 真相は 語るまじ 世の煩い (涙は見せないで気まぐれまぐれ)

出典: http://j-lyric.net/artist/a000682/l0276b2.html

目尻、言葉通り目の端も意味しますが、「満足そうな表情」なんて意味もあるんです。

ちなみに読みの方から漢字を導くと「眦」となり、これは「決心した表情」という意味になります。

結成当時から解散を視野に入れていた東京事変

潮時を決心した、ということでしょうか。

どう読んでもこれってやっぱり、「引退決意表明ソング」なんですよね。

当然の報いだよ 仇と利息の返済 手を染めた罰よ 恩と喧嘩の売買

出典: http://j-lyric.net/artist/a000682/l0276b2.html

とは言ってもやっぱり、東京事変の解散に反対するひとは多くいました。

解散を惜しむファンというより、東京事変という稼ぎ頭を失うレコード会社や所属事務所の反対は強かったのではと予想されます。

でも、強い反対にあうであろうことは、自分たちにそれなりの「商品価値」があることを理解している事変のメンバーにとっては織り込み済みのことだったのでしょう。

だからこそ、「仇と利息の返済」が要求されることを「当然の報い」と潔く受け止めているのです。

裏切りの 衝動は 秋の夜の 恋患い (項(うなじ)で問わないでさようなら淫ら)
浮かばれるか 沈むか 暗黙の TOKYO港湾 ずらからにゃパクられてまうああ青息吐息

出典: http://j-lyric.net/artist/a000682/l0276b2.html

この「恋患い」が良いですね。

東京事変ではない、新しい音楽の行方に恋をした、と取れます。

もともとスランプから脱するために結成した東京事変ですから、林檎嬢が完全にスランプから脱した、という意味で受け取って良さそうです。

笑顔が まぶしいね 見おさめ 小雨

出典: http://j-lyric.net/artist/a000682/l0276b2.html

言い忘れていますが、この楽曲椎名林檎と浮雲の共作。

このセリフは、「久しぶりに見た(林檎嬢の)心からの笑顔が眩しいね、いいね」という浮雲からのエールにも取れますね。

長い付き合いの彼らですから、友情のような同志のような、特別な感情があるのではないでしょうか。もちろん、妄想にすぎませんが。

泡沫を喰っちゃ 泡沫を吹かす 大博打思惑師
赤プリが もぬけならば 名ばかりの紀尾井町
終わりゆく時代へ投げキス 毎度あり型通り あの八番出口もヨウナシね…溜池山王

出典: http://j-lyric.net/artist/a000682/l0276b2.html

林檎サウンドお得意の「地名」ですが、溜池山王や赤プリと言えば赤坂。

東京事変の所属事務所、EMIがある土地です。

さらに赤プリはそんな赤坂の栄華の象徴のような場所であり、2011年に取り壊されています。奇しくもその1年後、東京事変も解散しました。

それは、東京事変の、あるいは日本の歌謡界の、ひとつの終わりを意味していたのかもしれません。

東京事変のメンバーは、投げキスを残して颯爽と去っていきます。

終わりに

いかがでしたか?

この歌詞、ファンはもちろん内側でも物議をかもしたのではと予想されますが、そんなこともさらっとやってのける事変はやっぱり格好良いバンドです。

解散は寂しいですが、これからも彼らの残した楽曲は聴きこんでいきたいと思います。

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